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不動産担保ローンとは?メリット&デメリットをわかりやすく解説

 2019/05/29 不動産担保ローン   2,637 Views

ローン商品を比較する際のポイントにはいくつかあります。その中のひとつが「無担保」か「有担保」かというポイントです。借入先に担保を提供するかしないかで、借入条件なども大きく異なります。

「担保」とは、ローンに対する「保険」のようなものです。ローンの利用者が万が一なんらかの事情で返済できなくなった場合、担保を処分してローンの返済に充当します。ローンを提供する金融機関などは、返済に対するリスクを軽減することができるというメリットがあります。

「担保」として最も利用されているのが「不動産」です。

一戸建て、マンション、土地、別荘などの不動産を担保とするローンことを「不動産担保ローン」と呼んでいます。住宅を担保とする金融機関のローンとしては「住宅ローン」が挙げられます。

ただし一般的には「住宅ローン」は「不動産担保ローン」の分類には含まれません。
「住宅ローン」は担保とする住宅(マイホーム)の購入やリフォームなどに使われるローンです。

これに対して「不動産担保ローン」は様々な用途に利用することができます。教育資金、結婚資金、余暇資金の他、無担保カードローンのおまとめ、借換えなどでも利用することができます。

また事業性資金(運転資金・設備資金・開業資金など)として利用することができる不動産担保ローンを提供する金融機関もあります。

不動産担保ローンのメリット

①低金利で利用できる

一般的に有担保ローンは無担保ローンよりも金利が低めに設定されています。担保の提供により、万が一の返済不能に対するリスクを軽減することができるためです。

とくに「不動産担保ローン」は、無担保のカードローンや法人向け無担保ビジネスローンに比較するとはるかに低い金利で利用することができます。

無担保のカードローンなどは、金利が15.0%を超える金融機関も珍しくありません。これに対して不動産担保ローンでは、一般的に5.0%前後の金利となっており、中には2.0~3.0%で利用できる金融機関もあります。

金利が低いということで、返済負担を低く抑えることができる他、無担保カードローンからのおまとめ、借換えなどでも非常に有効的に活用することができます。

②高額借入が可能

不動産を担保として提供することで、高額融資も可能な点も不動産担保ローンの大きな魅力です。

無担保カードローンや法人向け無担保ビジネスローンでは、通常は500万円程度、最大でも1,000万円までの商品となっており、実際には200万円以上を借入できる方も少ないのが実情です。

これに対して不動産担保ローンには、数千万円以上、中には5億~10億円の借入が可能な商品も準備されています。

個人でこれだけの金額を借入できる方は少ないでしょうが、事業資金として高額融資を希望する事業主などには選択肢のひとつとして挙げるべきポイントでしょう。

③長期借入が可能

無担保カードローンや法人向け無担保ビジネスローンの場合、借入期間は1年契約の自動更新となっていいる金融機関がほとんどです。

これに対して不動産担保ローンの場合は、返済期間を10年~25年といった長期で設定できるようになっています。返済期間を長期とすることで、毎月の返済金額自体を少なく抑えることができます。

④審査が比較的柔軟

不動産担保ローンでは、不動産を担保として差し出します。ローンを提供する金融機関では、万が一返済不能になった場合には、その担保を処分して融資金を回収することができます。

その分貸し倒れに対するリスクを低くすることができ、無担保のローンよりも審査基準などを柔軟に対応することができます。

⑤申込者本人以外の所有する不動産を担保とすることも可能

金融機関によっては、申込者本人以外が所有する不動産を担保として認める先もあります。

ただし申込者の親族(三親等以内)などの条件が課せられており、物件所有者や共有者を連帯保証人とする必要がありますので注意しましょう。

不動産担保ローンのデメリット

①不動産を失うこともある

当然ですが、不動産を担保として提供するということは、万が一返済できなくなるとその不動産を失うこともあります。不動産を担保とする際には、該当不動産に「抵当権」「根抵当権」という権利登記が行われます。

この「抵当権」「根抵当権」とは、お金が返済できない場合には、債権者(金融機関側)は権利設定が行われた不動産を売却し(競売にかける)、貸出債権を回収することができるということを意味します。

1回の延滞でただちに抵当権や根抵当権を実行され不動産を失うわけではありませんが、数回延滞し返済の見込みがないと判断させると、抵当権や根抵当権を実行されてしまいます。その結果担保として提供した不動産を失うことになります。

不動産担保ローンを利用する前には、念密な返済計画を立てて決してこのようなことのないように注意しましょう。

②審査日数がかかる

個人向けの無担保カードローンや事業主向けの無担保ビジネスローンでは、最近、最短30分融資を打ち出す金融機関も多くなっています。

申込を行ってから最短30分で融資を受けることができ、非常に素早い借入も可能です。即日融資が大きな魅力となっており、緊急の際には本当にありがたい存在となっています。

これに対して不動産担保ローンでは、即日融資には対応してません。

「不動産の担保評価」を行う必要がありますので、どうしても日数がかかってしまいます。自社ではなく外部の専門家に不動産担保評価を依頼する金融機関もあり、相当な日数を要することになります。

審査回答から融資実行まで、最短で5営業日、長い場合には1ヶ月以上を必要とする金融機関もありますので注意しましょう。

③諸費用が必要

個人向けの無担保カードローンや事業主向けの無担保ビジネスローンでは、借入に際し基本的には諸費用は不要です。

一方、不動産担保ローンでは、様々な費用負担が発生します。主な費用として挙げられるのは以下のような項目となっています。

  • 事務手数料
  • 印紙代
  • 登記費用
  • 不動産鑑定料
  • 火災保険料

金融機関により諸費用の取り扱いはことなっていますが、最低でも10万円~30万円程度の費用負担を考慮しておく必要があります。利用前には必ず確認しておくようにしましょう。

不動産担保の評価額

不動産担保ローンでは、担保として提供する不動産の評価価格が借入可能金額に大きな影響を与えます。金融機関により具体的な評価方法は異なっていますが、自ら概ねの評価金額を知る方法もあります。

不動産担保としては大きく分けると「土地」「建物」の2種類があります。それぞれの評価方法を知っておきましょう。

土地

土地の評価額の目安となる指標には、以下のようなものがあります。

公示地価 国土交通省が特定の土地について毎年公表します
基準地価格 公示地価を補完する目的で都道府県が公表します
路線価 国税庁が相続税の課税基準として毎年公表します(公示地価の約8割程度)
固定資産税評価額 市町村が3年に1回公表します(公示地価の約7割程度)

公示地価や基準地価格では価格がわからない地点もありますので、都市部の全公道について公表されている路線価が最も調べやすいといえるでしょう。

ここでは路線価を使用した土地の評価方法を紹介します。

  1. 対象物件の路線価(1㎡あたり)を調べる。
  2. 物件の面積(㎡)に上記の路線価をかける。
例えば、土地面積200㎡、路線価@15万円の土地の評価額算定は以下のようになります。
200㎡×路線価15万円=土地評価額3,000万円

建物

土地に比べて建物の評価はやや難しくなっています。建築単価(新築時の1㎡当たりの価格)、建物の構造(木造、鉄骨、鉄筋コンクリートなど)や建築年数などが大きく影響するためです。これらを用いた建物の評価方法は以下の通りです。

  1. 1㎡あたりの建築単価を調べる。
  2. 建築単価に建物延面積(㎡)をかけることで「現在同じ建物を建築した場合の価格」が算出される。
  3. この建物価格に現在価値割合(1-建物経過年数÷減価償却耐用年数)をかける。
例えば、建物床面積2,000㎡・建築単価30万円の鉄筋コンクリート造りの病院建物(減価償却耐用年数39年)・建築後20年経過の建物の評価額算定は以下のようになります。
30万円×2,000㎡×(1-20年÷39年)=約2億9,400万円

減価償却耐用年数とは「その建物が最大で○○年間評価できる価値があるか」を示します。つまり新築時から換算して何年間担保としての価値が評価できるかを示しており、主に建物の造り(木造か、鉄骨か、鉄筋コンクリートか)などにより決定されています。

このように建物の評価判定は、普段不動産に関わる方以外は難しいかも知れません。

路線価、建築単価、耐用年数などは検索サイトなどで調べることができます。また、知り合いに不動産業者や建築業者などがおられる場合には、正確な相場を知ることもできるかもしれませんので参考にしてみましょう。

土地が建物より高い評価額

一般的には、不動産の担保価値としては「土地」が「建物」に比較して高く評価される傾向にあります。

「建物」には「減価償却耐用年数」が定められています。つまり時間の経過によりどうしても建物が劣化していきますので、その分担保としての価値も減少していくことになるためです。

ただし延面積が大きく新築に近い建物では、その建物の底地の土地評価よりも評価額が高くなることもあります。

また建物が収益物件(賃貸物件)である場合は、その物件が挙げる収益額=家賃額なども担保評価額に左右します。

担保価格と掛け目の違い

上記で算出された価格は「時価評価」と呼ばれています。これに対して融資の際の担保としての価値評価は「時価評価」に一定の「掛け目」を掛けることで算出されるのが一般的です。

例えば、上記の土地価格3,000万円がそのまま担保価格としての評価額となるわけではありません。つまり満額「3,000万円の融資可能」というわけではないのです。一般的な金融機関では、掛け目は時価の70%で設定されています。

上記の土地価格3,000万円の例では、実際に調達可能額として判断させる担保評価額としては以下のようになります。

3,000万円×70%=2,100万円

つまり「2,100万円」が不動産担保ローンにおける(担保価格評価としての)融資可能限度額として計算されるということになります。

不動産担保ローンで担保にできる不動産

不動産担保ローンを商品化している金融機関により、どの不動産が担保にできるかどうかは異なっています。

基本的には売却可能な価値のある不動産であれば、不動産担保ローンの担保として問題ないとされており、以下のような不動産がその対象となっています。

  • 土地
  • 駐車場
  • 戸建住宅
  • アパート
  • マンション
  • ビル
  • 別荘

など

不動産として売却可能な物件であれば、担保として問題ないと判断されます。

逆に売却不可能な不動産は、担保として不適格と判断されることもあります。例えば以下のような物件です。

  • 僻地にある農地
  • 山奥の山林
  • 建築法上不適格物件

など

金融機関側としては、売却できない不動産では意味がありませんので、これらの物件は担保不適格と判断されてしまいます。その他「営業範囲内」などの条件が加味されている金融機関もありますので、確認するようにしましょう。

最近では事前相談などで担保適格の可否を即座に回答してくれる金融機関も多いので活用しましょう。

家族所有の不動産でもローンの担保にできる?

取扱金融機関によっては、自分ではなく家族が所有している不動産であっても、不動産担保ローンの担保として取扱可能な先も多くあります。

例えば、次のような所有者の場合です。

  • 配偶者
  • 実父母
  • 実兄弟姉妹

このような金融機関では「三親等以内」といった条件が加味されていますので確認してみましょう。

また、不動産所有者は担保提供者と合わせて連帯保証人となる必要があります。

連帯保証人とは、借りている方(債務者)と同等の返済責任を持ち、万が一債務者が返済不能となり金融機関に返済を請求された場合、連帯保証人が変わって返済しなければいけないという、重い責任を負います。

不動産を担保とすることで、当然、所有不動産を失うリスクもあります。第三者を担保提供者とする場合、担保提供者に対して丁寧に事情を説明し、相談・理解・同意をあらかじめ得ることが大切です。

不動産担保ローンの種類

不動産担保ローンとは、その名の通り「不動産」を担保とするローンのことです。ただし一概に「不動産担保ローン」といってもいくつかの種類があります。

金融機関各社が商品化している各種不動産担保ローンの特徴をよく比較して、最適な商品を選択するようにしましょう。

①住宅ローン

一番多く利用されている不動産担保ローンは、実は「住宅ローン」です。

「住宅ローン」を不動産担保ローンと認識することに抵抗を覚える方も多いかもしれません。しかし住宅ローンも自宅その他の不動産を担保とする点で、立派な不動産担保ローン一種です。

自宅購入の他、既存住宅ローン借り換え、住居改装など幅広い目的で、多くの方が利用しています。

②個人向け不動産担保ローン

個人の消費性資金を目的とした不動産担保ローンです。

事業資金以外であれば、様々な目的に利用でき、不動産を担保とすることで高額かつ低金利の借入が利用できます。

生活費への充当、他社借り換え、海外旅行費など様々な活用目的を挙げることができます。

③事業者向け不動産担保ローン

法人や個人事業主の事業資金として利用できる不動産担保ローンです。

運転資金・設備資金・開業資金などの事業資金を高額かつ低金利で調達できます。また、他社の借り換えなどでも利用することができます。

④不動産投資ローン

投資目的の不動産を購入する資金のためのローンです。

担保は購入する不動産となり、返済原資は投資物件の収益からとなります。そのため投資計画などが審査のポイントとなります。

⑤不動産業者向け不動産担保ローン

不動産業者が不動産を購入する仕入資金としてのローンです。

担保は仕入する不動産に設定されることになります。目的が限定されており、販売により確実に回収できる見込むが高ければ審査基準もそれほど厳しくないローンです。

⑥不動産つなぎローン

つなぎローンとは、一時的に借入を行う短期間の融資のことです。

購入する不動産を担保とした金融機関のローンの内定は出ているが、それよりも前に諸費用などの支払いを行わなければいけない、といった場合に一時的に融資を受けるのが不動産つなぎローンです。

返済は内定している融資金により行います。

不動産担保ローンは、金融機関各社がそれぞれ特徴ある商品を展開しています。全体的に「高限度額」「低金利」が魅力で、不動産を担保とすることで貸倒のリスクも低く、審査基準も比較的緩やかな先が多くなっています。それぞれの特徴をよく比較して、有効的に活用していきましょう。

不動産担保ローン手続きの流れ

「不動産担保ローンを利用したいけど、どのような流れで手続きすればいいの」
「不動産担保の申込から契約までの手続きはどうすればいいの」

一般的な不動産担保ローンの申込から、審査、契約、借入までの流れを見てみましょう。

①申込先を決定する

まずはどの不動産担保ローンを利用するのかしっかりと考えてみましょう。

金利、限度額、返済期間、融資までの日数などの情報をしっかりと入手・比較し、自分の希望や現状に応じた先を選択することが重要です。

不動産担保ローンは、借入金額も大きく、返済期間も長期となるケースが多くなります。そのためにも「どの先で利用するのか」は慎重に考えるようにしましょう。

②相談・仮申込

最近ではほとんどの金融機関でインターネットを利用した仮申込のシステが導入されています。金融機関のホームページから入力を行うことで、条件面での不動産担保ローンの利用がある程度可能かどうかを判断できるシステムです。

また電話はファックスでも受付できる金融機関もありますので、不明な点は相談してみるとよいでしょう。

入力項目は、主に以下のような内容となっています

  • 氏名
  • 電話番号(連絡先と連絡希望時間)
  • 年齢
  • 性別
  • 住所
  • 担保物件住所
  • 担保物件情報(土地面積、建物面積、物件種類、他社担保設定状況など)
  • 借入希望金額
  • 借入申込理由(資金使途)

など

仮審査の結果は、早い先で当日中から数日で回答されます。仮申込は、あくまで「仮」であり「利用できるかどうかの感触を得る」ものです。これを利用して複数の金融機関を比較するものひとつの手段でしょう。

③本申込

仮申込審査結果に納得できれば、正式に申込を行います。必要書類を整えたうえで、借入申込書と合わせて提出します。

申込は店頭で行う他、郵送、インターネットなどが利用できる金融機関もあります。また金融機関担当者が直接訪問を行い受付する場合もあります。

申込の際には、必ず希望融資時期を伝えるようにしましょう。

不動産担保ローンの審査には日数がかかるのが一般的です。希望を伝えることで優先的に審査を行ってもらうことができる可能性もあります。

④審査

申込者の属性、個人信用情報、不動産担保内容などを加味した審査が行われます。
早い先で1週間程度で審査結果が回答されます。

⑤契約

審査結果に了解すれば、いよいよ契約です。一般的には来店して行いますが、金融機関担当者の訪問で行うこともあります。

契約書は面倒くさがらず必ずすべてに目を通し、納得したうえで契約を行いましょう。不明な点は必ず担当者に質問して解決しておきましょう。

⑥抵当権設定

一般的には金融機関側が依頼した司法書士が、不動産の担保設定登記の手続きを行います。

⑦融資実行

融資金が指定した金融機関口座に振り込まれます。借り換えの場合はその資金を利用して、既存借入を返済、担保抹消手続きを行います。

不動産担保ローンの申込から契約、融資実行までの流れは、カードローンなどの無担保ローンと比較して、やや複雑になります。

「不動産を担保とする」という観点から、審査では不動産担保評価、契約に合わせた不動産担保設定などの手順が入るためです。その分、やや日数が必要となることを覚えておきましょう。

これらの流れは取扱金融機関により異なる点もあります。スムーズに借入を行うためにも、不明な点は事前に金融機関担当者に確認しておきましょう。

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若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。

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