株式投資と並んで日本人に人気がある取引に「FX」がありますが、FXは「CFD取引」の一種であることをご存知ですか?
FXは為替の取引についてレバレッジ取引ができる仕組みで、CFD取引は株式や株価指数、商品などFXでは対象外の幅広い商品についてレバレッジ取引が可能です。
本記事ではCFD取引におすすめの証券会社をランキング形式で紹介しつつ、CFD取引のメリット・デメリットも解説します。
FX以外の差金決済取引に興味がある方は、ぜひ読み進めてみて下さい。
※当記事で取り扱っているFX会社・証券会社は金融庁の金融商品取引業者登録一覧に掲載されており、日本証券業協会の協会員として登録されている事業者です。また、本コンテンツは編集部が定めたコンテンツ制作ポリシーの遵守を徹底し、作成・編集・運営を行っております。
CFD取引におすすめの証券会社比較ランキング厳選10社
CFD取引に対応した証券会社は実にさまざまあり、どの証券会社を選んで良いか分からないとお悩みの人もいるのではないでしょうか。
そこで、数あるなかでもCFD口座の開設におすすめの証券会社をランキング形式でご紹介します。
【GMOクリック証券】国内トップクラスのCFDシェアを誇る
GMOクリック証券は、国内のCFDのシェアの半分以上を占めるとされる大手の証券会社です。
どのCFDを取引しても取引手数料が無料という大きなメリットがあります。
他社では一部CFDで手数料がかかるケースもありますが、GMOクリック証券ならコストを気にせずにCFD取引にチャレンジすることができます。
CFD銘柄は162銘柄と多くはありませんが、その分だけ銘柄は厳選されています。
「どの商品を選んで良いのか分からない」という人であれば、銘柄が絞りこまれたGMOクリック証券が合っているでしょう。
スマホアプリもPCツールも高機能なので、「外出先でも自宅でもCFDにチャレンジしたい」と考えている人にもおすすめです。
またFXで有名なGMOクリック証券らしく、「プラチナチャート」を利用して同じ画面で取引することもできます。
銘柄の種類 | ・株式CFD:91銘柄 ・株価指数CFD:33銘柄 ・バラエティCFD:23銘柄 ・商品CFD:15銘柄 |
取引手数料 | 無料 |
レバレッジ | ・株式CFD:5倍 ・株価指数CFD:10倍 ・バラエティCFD:5倍 ・商品CFD:20倍 |
ロスカット | 建玉ごとに新規約定時にロスカットレートが確定する |
【GMO外貨】シンプルなスマホアプリが見やすく便利
GMO外貨はGMOインターネットグループの業者で多くのユーザーに支持されており、FXに加えて2023年4月からCFD取引サービスを開始しました。
主要な「日本225」や「米国NQ100」などの株価指数、個別の商品銘柄、さらにはWTI原油などのCFD取引を提供しており、投資の幅を広げる機会を提供しています。
初心者でも簡単に扱えるシンプルで直感的なスマホアプリも魅力。
分割チャート4画面表示が可能で、最大16個のチャートを保存でき、簡単にさまざまなテクニカルをチェックできます。
リアルタイムチャートを見ながらワンタップで発注できるワンタッチ注文チャートも便利です。
GMO外貨では「米国NQ100ミニ」などのミニ銘柄を取り扱い、少額から取引を始められます。
FXにレバレッジを利用した取引も可能で、初心者から経験豊富なトレーダーまで、様々なニーズに対応しています。
銘柄の種類 | ・株価指数CFD:9銘柄 ・商品CFD:9銘柄 ・バラエティCFD:1銘柄 |
取引手数料 | 無料 |
レバレッジ | ・株価指数CFD:10倍 ・商品CFD:20倍 ・バラエティCFD:5倍 |
ロスカット | 新規約定時にポジションごとのロスカットレートが自動で設定 |
【楽天証券】投資家に人気のMT4を使ったCFD取引ができる
楽天証券は口座開設数が800万を超える人気の証券会社です。
取り扱っているのは日経225やNYダウなどの株価指数CFDと商品CFDで、取引銘柄が厳選されているので選びやすいメリットがあります。
また、世界中の投資家に好まれている「MT4」というツールを使ってCFD取引ができる点も特徴になっています。
証券会社が提供するものよりも高機能とされており、細かな分析まで行える点から中上級者向けといえるでしょう。
また、ライバルのSBI証券と比較すると、取引手数料が完全に無料という大きなメリットがあります。
デモトレードも利用できるので、CFDが初めての人でも安心して始めることができるでしょう。
銘柄の種類 | ・株価指数CFD:12銘柄 ・商品CFD:5銘柄 |
取引手数料 | 無料 |
レバレッジ | ・株価指数CFD:10倍 ・商品CFD:20倍 |
ロスカット | 証拠金維持率100%以下になると、損失の大きい建玉から順番にロスカット |
【SBI証券】国内最大手で取引手数料が業界最安水準
SBI証券は国内でも最大手の証券会社であり、米国株やFX、金(ゴールド)までさまざまな金融商品を保有できます。
CFDの銘柄は多いとはいえませんが、証券会社の信頼性を重視したい初心者の方におすすめです。
また、SBI証券ではCFD以外の商品ラインナップが豊富という点も見逃せません。
日本株や米国株はもちろん、投資信託、金投資、中国株、韓国株、ベトナム、シンガポールなど、さまざまな投資対象から選ぶことができます。
一方、CFD取引に関しては取引手数料がかかるのがネックですが、業界最安水準で設定されています。
少額取引であればそこまで気にする必要はないでしょう。
銘柄の種類 | ・日経225リセット付証拠金取引 ・DAX®リセット付証拠金取引 ・FTSE100リセット付証拠金取引 ・NYダウリセット付証拠金取引 ・NASDAQ-100リセット付証拠金取引 ・金ETFリセット付証拠金取引 ・原油ETFリセット付証拠金取引 |
取引手数料 | ・日経225リセット付証拠金取引⇒156円/枚(税込) ・DAX®リセット付証拠金取引⇒156円/枚(税込) ・FTSE100リセット付証拠金取引⇒156円/枚(税込) ・NYダウリセット付証拠金取引⇒30円/枚(税込) ・NASDAQ-100リセット付証拠金取引⇒50円/枚(税込) ・金ETFリセット付証拠金取引⇒330円/枚(税込) ・原油ETFリセット付証拠金取引⇒330円/枚(税込) |
レバレッジ | 20倍〜60倍程度 |
ロスカット | 証拠金維持率が70%を下回った場合には、自動ロスカットが発動 |
【FXプライムbyGMO】約2,000円の少額から取引が可能
FXプライムbyGMOは「選べるCFD」というサービスを提供しており、約2,000円から取引をスタートさせられます。
レバレッジを最大20倍までかけることで少額の自己資金でも効率的な取引が可能であり、「投資資金は少ないけどCFDをやってみたい」と考える人でも始めることができます。
取引手数料も無料なので、コストを気にせずに取引に参加できるでしょう。
FXと併せてCFDにも投資することで、投資の選択肢が広がり、分散によるリスクヘッジ効果も期待できます。
銘柄の種類 | ・商品CFD:4銘柄 |
取引手数料 | 無料 |
レバレッジ | 最大20倍 |
ロスカット | 証拠金維持率80%を下回ると発動 |
【岡三オンライン】銘柄によっては最大100倍のレバレッジをかけられる
岡三オンラインは、創業100年近い歴史を持つ老舗の証券会社で、SBI証券やGMOクリック証券と並び、バツグンの信頼性があります。
東京金融取引所がレート配信して各証券会社を介して取引する「くりっく株365」を採用しており、証券会社に左右されずにCFD取引ができるのが特徴です。
最大約50倍のレバレッジにも対応しているため、少額でも大きな金額で取引することもできます。
銘柄の種類 | ・株価指数CFD:5銘柄 ・金・原油ETF:2銘柄 |
取引手数料 | ・日経225リセット付証拠金取引:156円 |
レバレッジ | 10~100倍 |
ロスカット | 証拠金維持率100%以下 |
【IG証券】取り扱う銘柄の種類が圧倒的に豊富
IG証券は45年以上の運用実績を誇る老舗の証券会社です。
親会社のIGグループはロンドン証券取引所に上場しており、FTSE250種指数にも含まれています。
国内の証券会社に負けない信頼性がある企業といえます。
IG証券のメリットは、圧倒的な投資対象のラインナップでしょう。
日本株、米国株、株価指数、債券、商品など、幅広い銘柄に投資が可能で、その数は約12,000銘柄と圧倒的です。
取引単位が小さいこともメリットで、日経225・NYダウ、NASDAQ100など、多くの銘柄の取引単位が0.1ロットに設定されています。
さらに「ノックアウトオプション」という独自のオプション取引を行うことも可能です。
ノックアウトオプションはリスクが限定された条件で行うオプション取引のことで、原資産価格が利用者の選択したノックアウト価格に達すると自動的にポジションが決済されます。
証拠金とリスクを自分で判断しながらコントロールできるのが大きな特長です。
取引ツールはマルチウインドウで銘柄変更がしやすい点が秀逸で、テクニカルツールも揃っているので使い勝手はバツグンです。
学習コンテンツも用意されているため、CFD初心者でも取引を通じてコツコツと知識を蓄えることができます。
国内最大手のGMOクリック証券と違って取引規制もなく、GMOクリック証券が止まったときのためのサブ口座としても有効といえます。
銘柄の種類 | ・株式CFD(日本株):約250銘柄 ・株式CFD(米国株):約12,000銘柄 ・債券先物CFD:約10銘柄 ・商品CFD:約70銘柄 ・株価指数CFD:約40銘柄 |
取引手数料 | ・株式CFD(日本株):最低110円 ・株式CFD(米国株):最低16.50ドル ・株価指数CFD:無料 ・債券先物CFD:無料 ・商品CFD:無料 |
レバレッジ | ・株式CFD:5倍 ・株価指数CFD:10倍 ・債券先物CFD:50倍 ・商品CFD:20倍 |
ロスカット | 証拠金維持率70%以下~100%未満 |
【DMM CFD】スマホで取引完結、最短即日で口座開設が完了
DMM.com証券でも、CFD取引にチャレンジすることができます。
国内ネット証券の例に漏れず銘柄が厳選されており、インデックスについても日本と米国など主要国に限定されています。
商品CFDも金・銀をはじめイメージしやすい人気の商品ラインナップになっており、銘柄選びで迷いたくない人におすすめです。
DMMは高機能なツールを使えることで知られており、CFDでも同様です。
スマホで利用できる「DMM CFD スマホ」も用意されており、入出金、マーケット情報の入手、取引、履歴照会など取引に必要な操作がすべてスマホで完結するなど、PCに匹敵する高い機能性を有しています。
アプリのインストールも不要で、簡単にスマホで取引が始められます。
また、口座開設までのスピードが早いのも特徴です。
「スマホでスピード本人確認」を利用することで、最短即日で取引を始めることもできます。
銘柄の種類 | ・日本225種株価指数 ・ダウ工業株30種平均 ・ナスダック100指数 ・米国SPX500指数 ・ドイツDAX指数 ・ユーロ50指数 ・イギリスFTSE100指数 ・金/米ドルCFD ・銀/米ドルCFD ・原油/米ドルCFD ・天然ガス ・コーン ・大豆 |
取引手数料 | 無料 |
レバレッジ | ・株価指数CFD:10倍 ・商品CFD:20倍 |
ロスカット | 証拠金維持率50%を下回ると発動 |
【LINE CFD】米国株なら0.1株から取引でき、LINE通知も便利
スマホ証券として成長が著しいLINE証券でも、CFDのサービスを利用することができます。
米国株なら「0.1株」から取引することができるため、たとえばAmazon株なら約355円で取引に参加することが可能です。
金や原油といった商品指数にも対応しており、株式や指数CFDと組み合わせて幅広い分散投資が可能になります。
コミュニケーションアプリ「LINE」の通知機能を利用できるのもメリットで、アプリを開かずとも通知をみて瞬時に売買に活かすことができます。
取引手数料も無料で、気になった時に気軽に始められるでしょう。
銘柄の種類 | ・指数CFD:25銘柄 ・バラエティCFD:8銘柄 ・商品CFD:7銘柄 ・株式CFD:100銘柄 |
取引手数料 | 無料 |
レバレッジ | ・株価指数CFD:10倍 ・商品CFD:20倍 |
ロスカット | 証拠金維持率が100%を下回ると発動 |
【サクソバンク証券】デモ口座を利用でき初心者でも安心
サクソバンク証券は、デンマーク・コペンハーゲンに本社を構える証券会社です。
サクソバンク証券のCFDは日本株や米国株だけでなく、中国株や欧州株にも対応しているところに特徴があります。
IG証券にも負けない1万種類に近い株式CFDのラインナップがあり、サクソバンクを選べばあらゆるCFD銘柄に投資できるでしょう。
株式CFDメインで取引を行いたい方、世界中の銘柄に分散して投資したい方はサクソバンク証券が向いています。
デモ口座も用意されており、不安があればデモ口座で練習した後で本番に臨むこともできます。
株式CFDでは手数料が発生する銘柄があるのがネックですが、少額の手数料よりもラインナップを重視したい人にはおすすめです。
銘柄の種類 | ・株式CFD(日本株):1,500銘柄以上 ・株式CFD(外国株):9,000銘柄以上 ・株価指数CFD:20銘柄以上 |
取引手数料 | ・株式CFD(日本株):無料 ・株式CFD(米国株):取引額の0.15% ・株価指数CFD:無料 |
レバレッジ | ・株式CFD:5倍 ・株価指数CFD:10倍 ・商品CFD:20倍 ・バラエティCFD:5倍 |
ロスカット | 証拠金使用率100%で自動ロスカット |
CFD取引とは「証拠金」を預託する「差金決済取引」のこと
「CFD取引」という言葉に馴染みがない人も多いのではないでしょうか。
CFDは「Contract For Difference」の略称で、日本語では「差金決済取引」という意味です。
少額の証拠金を預託することで国内外の株式、株価指数、債券指数などの価格を参照して取引を行い、取引開始時と終了時の差額を決済します。
つまり、FXのように証拠金を預け、米ドル/円などの外貨を売買する代わりに、株式や株価指数などを売買する投資商品です。
また、実際に株式などを保有するわけではなく、売買結果の差額を取り引きするので「差金決済取引」と呼ばれています。
例えば、あるCFD銘柄の商品を10,000円で注文して、その価格が11,000円になった時点で売れば、差額の1,000円が利益になります。
CFD取引は証拠金をもとにレバレッジを効かせた投資が可能であり、取引に成功すれば少額の投資資金でありながら多額の利益を得ることができます。
ただし、レバレッジを効かせた分だけ、損失が発生した際も大きな金額になります。
仕組みをよく理解し、取引の経験や資金力と照らし合わせて自己責任で始めることが求められます。
CFD取引の主な5つの種類
CFDの仕組みを使って投資できるものには、大きく分けて以下の5つがあります。
株価指数CFD | 日経225 NYダウ FTSE100 など |
個別株CFD | 国内株式 外国株式 |
商品CFD | 金銀原油 など |
債券CFD | 日本国債 米国国債 など |
バラエティCFD | VIX指数 レバレッジETF など |
1つのCFD口座を作れば、世界中の株式、債券、現物などに幅広く投資することができます。
CFD取引の大きな4つのメリット
証拠金を差し入れることで、世界中の株式や指数などを使ってレバレッジを効かせた取引ができるCFD。
現物の株式投資と比較して、さまざまなメリットを享受することができます。
高い資金効率で投資ができる
CFDは差金決済の名称の通り、証拠金を差し入れたレバレッジの仕組みを活用することができます。
少額の証拠金で数倍もの取引ができ、現物株への投資と比較して資金効率が高いことがメリットです。
投資資金が50万円しかない場合、現物株では最大で50万円分の株しか投資できません。
一方のCFDなら、レバレッジを10倍に設定すれば最大500万円分の取引が可能です。
先物取引よりも元手が少なくて済む
CFDと似た仕組みに「先物取引」があり、それぞれの違いが分からない方もいるのではないでしょうか?
CFDも先物取引も「レバレッジを効かせる」「空売りから始められる」など共通するメリットが多いですが、CFDのほうが先物取引と比較してコストがかかりにくいという違いがあります。
最小取引単位に関してもCFDが「基準価額の10倍」に対して先物取引は「基準価格の100倍」といったケースが多く、先物取引のほうが高額な取引になる傾向にあります。
レバレッジの倍率については先物取引のほうが大きいですが、取引単位が大きいことも相まって初心者にとって大きなリスクです。
また、CFDは決済に期限がなく、自分の好きなタイミングで自由に売買できます。
一方で、先物取引は決済の期限が決められており、期日になると自動で売買決済が行われる仕組みです。
自己資金や取引経験に自信がない方の場合、CFDの方が取り組みやすいといえるかもしれません。
銘柄によっては24時間いつでも取引可能
CFDの銘柄を取引できる時間帯は投資対象によってさまざまです。
銘柄によっては「ほぼ24時間」いつでも取引が可能であり、平日の9:00~15:00と決まっている現物株取引と比較するとメリットになり得ます。
たとえば「日経225」「NYダウ」では、平日午前8時30分~翌朝午前6時(サマータイムは午前5時)までのほぼ24時間取引でき、日本の祝日でも取引が可能です。
GMOクリック証券の株価指数CFDを見てみると、投資対象ごとに取引できる時間帯は以下のとおりです。
CFD銘柄 | 参照原資産/取引所 | 取引時間 |
---|---|---|
日本225 | 日経225先物/SGX・CME | 月曜~金曜の8:30~翌7:00 (米国夏時間8:30~翌6:00) |
米国30 | NYダウ先物/CME | 月曜~金曜の8:00~翌6:15 (米国夏時間7:00~翌5:15) |
米国S500 | S&P500先物/CME | 月曜~金曜の8:00~翌6:15 (米国夏時間7:00~翌5:15) |
金スポット | 金のスポット取引 | 月曜~金曜の8:00~翌7:00 (米国夏時間7:00~翌6:00) |
米国VI | VIX先物/CBOE | 月曜~金曜の8:00~翌6:15 (米国夏時間7:00~翌5:15) |
下落局面で利益を出すこともできる
CFDでは、先物取引やFXのように「空売り」から取引を始めることができます。
売り注文から始める場合は価格が高いときにエントリーし、価格が安くなってから買い戻すことで利益を得ることができます。
一方の現物取引の場合は買いから入ることしかできず、下落局面で利益を狙うことができません。
相場が上昇局面でも下降局面でも、利益につながるのはCFDの大きなメリットといえます。
CFD取引の注意すべき2つのデメリット
レバレッジを効かせることで資金効率が良く、下落局面でも利益を狙えるCFDですが、メリットばかりではありません。
始めたあとに後悔しないよう、今のうちにCFDに関してデメリットになり得ることを知っておきましょう。
レバレッジの分だけ高リスク
証拠金を預け入れてレバレッジを効かせることで、元手を超える大きな金額を動かす事ができるのがCFD取引の醍醐味です。
しかし、リターンの期待値の高さに比例してリスクも大きくなるため注意が必要になります。
たとえば10万円分の投資で5%の損失が発生した場合、現物取引であれば5,000円の損失です。
一方、10倍のレバレッジを効かせていた場合は5万円の損失になってしまいます。
レバレッジを効かせるほど値動きが大きくなり、値動きの大きさによっては投資資金の大半、あるいは全額を失うリスクがあることを覚えておきましょう。
CFD取引には手数料以外にもいくつかのコストがかかる
CFDで取引をする際、以下のようなコストが手数料以外に必要になる点は覚えておきたいところです。
「スプレッド」はFXでも発生する、買い値と売り値の差額です。
「オーバーナイト金利」は、CFD取引でポジションを翌日に持ち越したときにかかる金利です。
一般的に買いポジションが金利を支払い、売りポジションは金利を受け取ることになります。
買いポジションでは「該当国の政策金利+取扱会社の金利」が金額に該当し、例えばその国の政策金利が年1%で証券会社の金利が1%の場合、1年間買いポジションを保有すると投資進学の2%分のコスト負担が発生します。
逆に売りポジションの場合、「該当国の政策金利-取扱会社の金利」を受け取ることができます。
「配当相当額」の存在にも注意が必要です。
物の株式取引では、保有している株式にかかる配当金を企業から受け取れます。
CFDでも同じように、買いポジションを保有している場合で株価指数の構成銘柄に配当があれば、その都度株価指数ベースでの配当相当額が付与されます。
逆に売りポジションの場合は、配当相当額分の金額を支払うことになります。
CFD取引の初心者におすすめの銘柄
CFD取引で投資できるのは個別株式だけでなく、株価指数や商品指数、債券指数までさまざまです。
どのCFDに投資するのがおすすめなの?
このように、どのCFD銘柄に投資すればいいか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
ここではCFD取引の銘柄の中から、初心者が投資するのにおすすめの投資対象をいくつかご紹介します。
株価CFDのおすすめ銘柄
株価CFDでおすすめできる投資対象は、以下の4つです。
・日経平均(日本225)
・NYダウ先物(米国30)
・S&P500先物(米国S500)
・FTSE100(イギリス100)
【日経平均(日本225)】日本を代表する指標で馴染み深い
日経平均は「日経225」とも呼ばれ、東証のなかで代表的な225銘柄の平均株価を算出した指数です。
構成銘柄の見直しは定期的に行われており、指数の連続性を保てるように組み入れられている点に特徴があります。
日本を代表する指数として日本の経済状況が反映されることから、国内政治や経済を勉強している方には馴染みが深い指数です。
お昼休みや夕方のニュースでもひんぱんに動向が報道されます。
テレビやネットニュースで情報を取得しやすい点はCFD取引を続けるうえで大きなメリットです。
値動きとしてはバブル景気をピークに値下がりしたあと何度か回復していますが、リーマンショックや東日本震災など大幅な下落を経験しており、右肩上がりとはいえません。
一方、空売りからでも始められるCFD取引なら、上昇面でも下降局面でも利益を狙うことができるでしょう。
【NYダウ先物(米国30)】都度最高値を更新している
NYダウ先物(米国30)は、ニューヨーク証券取引所やナスダック市場に上場している代表的な工業株30銘柄で構成されており、日本の経済にも大きな影響を与えます。
リーマンショックやコロナショック等で何度も大きな下落を経験しながらも、その度に過去最高を更新する成長を見せているのが特徴です。
【S&P500先物(米国S500)】米国経済全体の値動きとよく連動している
S&P500先物(米国S500)は、各付け会社のスタンダード&プアーズ(S&P)が、ナスダックやニューヨーク証券取引所等に上場している500銘柄の時価総額の加重平均を数値化した指数です。
米国市場の時価総額の約80%をカバーしているとされており、米国経済全体の値動きとよく連動しているのが特徴です
【FTSE100(イギリス100)】イギリスを代表する指標で基本右肩上がり
FTSE100は、ロンドン証券取引所が発表するイギリスの代表的な指数です。
ロンドン証券市場に上場しているなかで時価総額が大きい100社が対象で、1983年12月31日の株価を基準値として計算されています。
基本的に右肩上がりのチャートを示していますが、イギリスがEUから離脱したことなど懸念材料もあります。
個別株式CFDのおすすめ銘柄
個別株式は幅広い選択肢がありますが、なかでもおすすめできる個別銘柄をいくつかご紹介します。
・Apple
・Amazon
・コストコ
【Apple】時価総額は世界の企業でトップクラス
Appleは今や誰もが知る「iPhone」「iPad」で知られるIT機器大手ブランドです。
米国だけでなく世界中で売り上げを上げており、時価総額は世界の企業でトップクラスに君臨しています。
新型コロナの影響で一時的に大きく株価を落したものの、その後は2021年にかけて業績も株価も急成長を遂げています
【Amazon】世界の時価総額ランキングでトップ10の常連
Amazonは世界の時価総額ランキングでトップ10の常連に位置しているテクノロジー企業です。
世界最大規模のECコマース「Amazon」で有名ですが、Amazonプライムビデオやクラウド事業の「AWS」等、いくつもの事業の柱を持っています。
【コストコ】景気が悪化しても業績が大きく落ちない
コストコ(Costco Wholesale Co)はアメリカのワシントン州に本社を置く、会員制の大型量販店を展開する企業です。
倉庫がそのまま店舗になったような店内レイアウトになっており、とにかく商品の量が豊富で価格も安いという特徴があります。
商品管理や商品を陳列する手間と人件費を極力省いて低価格を実現する一方、年会費で利益を取るというビジネスモデルです。
生活必需品のセクターであり、景気が悪化しても業績が大きく落ちないという意味で人気があります。
商品CFDのおすすめ銘柄
CFDであれば、株式や株価指数だけでなく、現物に投資することもできます。
特におすすめできるのは、以下の3つの指数です。
・原油
・金
・銀
【原油】景気動向を上手く読むことで大きな利益を得ることが可能
原油はガソリンの原材料として有名ですが、プラスチックや薬品製造など、さまざまな現場で利用されます。
景気と需要がリンクしていると言われており、好景気では原油の需要が上がって原油価格が上昇する傾向にあります。
ボラティリティが大きく、初心者向けとはいえないかも知れませんが、景気動向を上手く読むことで大きな利益を得ることも可能です。
【金】リスク発生時やインフレ発生時に価値が上がりやすい
金(ゴールド)は、貴金属としての希少性が高く、資産として古来より人気があります。
貨幣や宝飾品、電子部品など使い道もさまざま。
戦争や紛争などのリスクが発生した際やインフレが発生した際などに価値が上がりやすいとされており、リスクヘッジの手段として保有することができます。
金はCFDで取引する以外にも、さまざまな投資方法があるのが特徴です。
現物の金地金(金の延べ棒)や金貨を保有する方法が思いつきますが、ほかにも「金の値動きに連動した投資信託・ETF)に投資する」「金を採掘する金鉱株に投資する」といったことも可能です。
【銀】インフレ時に価値が高騰する
銀(シルバー)も金と同様に人気の現物資産であり、リスクヘッジ資産として活用することができます。
金よりも採掘量は多い一方で需要は小さく、投機筋から資金が入ることによって値動きが大きくなりやすいことが特徴です。
金と同様にインフレ時に価値が高騰するほか、ドル相場と逆相関になりやすいというのも覚えておきましょう。
CFD取引に向いた証券会社を選ぶポイント
CFDの取引ができる証券会社は冒頭で紹介しましたが、それぞれ特徴やメリットは異なります。
自分に合った1社を絞り込めずにお困りの方もいるのではないでしょうか。
ここでは数ある候補の中からCFD取引におすすめの証券会社を選ぶポイントを紹介します。
手数料以外にもスプレッドやオーバーナイト金利の水準を比較する
CFDを長く続けるうえで、手数料・コストの安さは重要なポイントです。
取引手数料が無料とされている証券会社が大半ですが、取引手数料以外に買値と売値の差額であるスプレッドも発生します。
また、日付をまたいでポジションを保有することで「オーバーナイト金利」が発生する場合もあるので注意が必要です。
銘柄によってもコストは異なりますが、FXと比較して取引量が少ない銘柄の場合、FXよりもコストが高くなりやすい傾向にあります。
各証券会社の取引条件を確認し、スプレッドやオーバーナイト金利の水準を比較したうえで少しでも安い証券会社を探しましょう。
取引銘柄の種類が豊富な先が有利
CFDは為替取引に特化したFXと違い、株式、債券、商品指数などさまざまな投資対象があることがメリットです。
よって、CFDのサービスを選ぶ際には、取引できる銘柄の種類がいかに豊富か、ということも重要になります。
ひとくちにCFDといっても実際に取引できる対象は証券会社によって異なるため、注意が必要です。
CFDだけに限ったことではありませんが、取引できる銘柄が豊富な方が投資の選択肢が広がり、利益を得るチャンスが増えます。
取引ツールが自分に合っており魅力的な先を選ぶ
株式やFXのトレードでは、取引や分析に使えるツールの使い勝手をチェックすることが非常に重要です。
CFDも同様、取引ツールがシンプルな画面で使いやすいか、瞬時に操作ができるのかといった使い勝手については確認しておきましょう。
サポート方法が多様で充実している先が安心
CFDは株式やFXと比較してもマイナーな取引手法であり、ネットを調べてみても目的の情報が得られないことも少なくありません。
そこで、重要になってくるのが、証券会社ごとに用意されている「サポート体制」です。
以下のようなポイントをチェックし、できるだけサポート体制が手厚い証券会社を選びましょう。
・電話のサポートがあるのか
・メールでの問い合わせが可能か
・問い合わせ時間は1日、1週間のなかでどのくらいか
CFDは証券会社が自由に価格を設定できるため信頼性のチェックも重要
CFD取引を行う会社を決める際に、証券会社の「信頼性」をチェックすることは非常に重要になります。
どうして信頼性を重視するのかと言えば、「CFDは証券会社が自由に価格を設定できるから」です。
CFD取引について初心者に説明する際、「証券会社が販売する商品券を売買する取引である」という言葉がよく使われます。
「商品券」の価格は証券会社が自由に設定できるため、適切な価格で取引するなら信頼できるクリーンな会社から選ぶ必要があります。
信頼性は数値化できないので測ることは難しいものですが、心配であれば国内シェアの大きな老舗を利用しましょう。
初心者が抱きがちなCFD取引に関するよくある質問
最後に、CFD取引に関して初心者の方が抱きがちな質問と回答をまとめました。
CFDの取引時間は?
CFDの取引時間は投資対象によって大きく変わります。たとえばSBI証券の「くりっく365」で日経225に投資する場合、AM 8:30~翌AM6:00が基本の取引時間です。
同じ株価指数でもDAXはPM 4:00~翌AM 6:00(サマータイム以外)、FTSE100はPM 5:00~翌AM6:00(サマータイム以外)です。
証券会社や投資対象ごとに取引可能時間帯は異なることがあるため、詳しくは証券会社のホームページを確認してみてください。
CFD取引と先物取引の違いは?
CFD取引は現物の資産を保有せずに証拠金を差し入れて取引を行い、発生した差額の決済をする取引です。
一方の先物取引は定められた期日に受け渡しを行う約束をして、価格を今決定する取引を指します。
先物取引のほうが大きなレバレッジで取引ができる反面、必要証拠金も多いという違いもあります。
優劣をつけることはできませんが、より少額で取引できるCFDのほうが初心者向けということができるでしょう。
CFDとFXの違いは?
FXは、CFDの一種であり、CFDという大きなくくりのなかにFXという商品が含まれるイメージです。
FXは為替専門のCFD取引、CFDはその他の商品や指数、株式などの差金決済取引の全般を指すと覚えておくと良いでしょう。
【まとめ】メリットとデメリットをよく理解した上でCFD取引にチャレンジ
CFD取引は為替以外の「株式」「株価指数」「商品」などを対象にした差金決済取引のことです。
少額の証拠金さえあれば取引できるので資金効率が高く、うまく取引すれば少額の投資で大きな利益を短期間に獲得することが可能です。
FXでは投資できないさまざまな商品に投資することによるリスクヘッジ効果を得ることもできるでしょう。
一方、FXと同様、レバレッジによって大きな損失を被る可能性があることや、オーバーナイト金利など現物取引にはないコストが発生する点には注意が必要です。
メリット・デメリットをしっかり把握したうえで、自分にあった証券会社でCFDにチャレンジしてみましょう。
参考書籍
初心者でもザクザク儲かる! CFDかんたんトレード (著)高沢 健太