金銭の貸借の対価、つまりお金の貸し借りがあった際に、そのお礼として支払われるのが「利子」や「利息」です。
それぞれ意味は同じものですが、使われ方や場所によって、言葉の用いられ方が違います。
他にも、「金利」という言葉も、似たような使われ方をされています。
それぞれの意味や使用されるケースを、実例を使いながら説明しています。
利息と利子の意味
利息と利子は同じような意味合いで使われますが、誰を主体として考えるかで使用方法が変わります。
利息
お金を貸した人が、貸したお礼として受け取る金額。
利子
お金を借りた側が、借りたお礼として支払う金額。
つまり、利子や利息はお金を貸し借りする際の手数料という事になります。預金や貯金は、お金を預けているというイメージですが、本質は、金融機関にお金を貸している状態なのです。
やり取りされる「金額」には同じ意味がありますが、どちらの視点で考えるかによって、呼び名が変わっています。
また、金融機関別に見ると、銀行では「利息」、ゆうちょ銀行では「利子」という表現が使われています。
単利と複利
貯金などの利子は、大きく分けて「単利」と「複利」の2つに分類されます。
(引用:みずほ銀行)
単利
発生した利子を元本に加えずに、運用を継続する方法。
複利
発生した利子を元本に加えた金額を元金にして、運用を継続する方法。
利息と利子の使われ方
利息の例文
『銀行からお金を借りると、8%も利息がかかる。』
利子の例文
『郵便貯金だった時代には、7%も利子がついていたみたい。』
「金利のしくみ」や「複利の力」をくわしく知りたい方はこちらが参考になります
金利の意味
利子や利息が金額そのものを表しているのに対して、「金利」「利率」「利回り」は、金額の割合を表すために用いられる言葉です。
「金利」や「利率」は、お金を借りる方が、借りたお金のお礼として支払う金額の割合、利息を計算するための割合を意味しています。
割合の表示には、%(パーセント)が用いられます。
例えば、定期預金の金利は、以下のような数字で表示されます。
銀行名 | 商品名 | 6ヶ月 | 1年 | 3年 |
---|---|---|---|---|
住信SBIネット銀行 | 円定期預金 | 0.02% | 0.02% | 0.02% |
SBJ銀行 | 定期預金 | 0.05% | 0.15% | 0.20% |
ソニー銀行 | 円定期預金 | 0.05 | 0.05% | 0.02% |
あおぞら銀行 | 円定期預金 | -% | 0.10% | 0.10% |
じぶん銀行 | 円定期預金 | 0.03% | 0.05% | 0.03% |
※金利は税引前 (2020年1月16日 時点)
金利は、一般的には貸し借りの期間が長ければ長いほど、金利が高くなる性質があります。
また、満期までなど一定の期間に金利が変わらない「固定金利」と、一定の条件に基づいて金利が変わる「変動金利」があります。
住宅ローンを選ぶ際などに聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
金利と利回りの違い
「利回り」は、一定期間に投資した金額に対する、利益の割合を表しています。
つまり、運用している元金が一定の期間で利益を得た際の「元金と利子を含めた割合」のことです。
「金利」「利率」「利回り」は、特に記載がない場合は、1年の期間を表す「年利」の数値を表記されています。
%(パーセント)以外の表記には、割、部、厘があり、野球の打率などでも使用されています。
三割三分三厘の場合は、三割(30%)三分(3%)三厘(0.3%)になり、33.3%という意味です。
年利・月利・日利(日歩)の違い
1年間の金利が「年利」で1カ月当たりの場合は、「月利」、1日当たりの場合は「日利・日歩」で表すケースもあります。
月利は、年利を12カ月で割った数値、日歩は年利を365日で割った数値になります。
利息の計算方法
・100万円を年利1%の単利で預けた場合の利息
100万円×1%=1万円
1万円を利息として、もらうことができます。利息に対して20.315%の税金が発生します。
・100万円を年利1%の半年複利で預けた場合の利息
半年後 100万円×0.5%=5,000円
半年後に5千円の利息が発生して、元本に組み込まれて計算されます。
100万5千円×0.5%=5,025円
1年分を計算すると 5,000円+5,025円で、10,025円が利息になります。
複利の場合は、発生した利息が元本に組み込まれて、利息に対しても利息がつくようになり、雪だるま式に資産を増やすことが可能になるのです。
お金を借りた場合
・100万円を年利10%で借りた場合
100万円×10%=10万円
が、利息となり、元本の他に10万円を多く返さなければなりません。
・1年間ではなく、6ヶ月間借りていた場合
(100万円×10%)÷12=8,333円
8,333円×6ヶ月=49,998円が返済利息となります。
まとめ
利子と利息、金利と利率は、用途によって使い分けされていますが、厳密に区分されている訳ではありません。
言葉の意味以上に、それぞれの期間やレート・%が、どのように設定されているのかをしっかりとチェックしておきましょう。
以上、「利子と利息、金利と利率、利回りの違いとは?」でした。