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財務三表とは?わかりやすく説明します。

 2020/04/08 金融用語集   2,689 Views

会社の会計書類である「決算書」。実は決算書と呼ばれる書類は正式名称ではありません。正確な名称は提出する目的によって異なります。

「会社法」では「計算書類」と呼ばれ、「金融商品取引法」では「財務諸表」と呼ばれています。

一般的に決算書と呼ばれる書類の内、「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の3つを「財務三表」と呼ばれています。その会社の事業活動を最も端的に示している書類です。

財務三表とは?

決算書類の内、次の3つを「財務三表」といいます。

  • 貸借対照表(B/S)
  • 損益計算書(P/L)
  • キャッシュフロー計算書(C/F)

この3つの書類は、会社の決算内容を示す書類の中でも特に重要で「有価証券報告書」とも呼ばれています。

お金の面で見ると、世の中のすべての企業の基本行動は、基本的には以下のようになっています。

  • お金を集める→投資を行う→利益を挙げる

財務三表を分析することで、この企業活動の状況や成果を把握することができます。

  • どのようにお金を集めたのか?
  • 何に投資したのか?
  • 最終的にどれだけ利益を挙げたのか?

貸借対照表とは?

貸借対照表(B/S)は決算日時点での会社の財務状況を示しています。「B/S」とは「Balance sheet」の略です。貸借対照表は「資産の部」「負債の部」「純資産の部」から成り立ちます。

貸借対照表(B/S)

資産の部 負債の部
・現金・預金 ・買掛金
・売掛金・約束手形 ・借入金
・商品      など
・土地・建物 資本の部
・機械装置 ・資本金
・投資有価証券      など
      など
合計 合計
貸借対照表は「資産合計」と「負債・資本合計」が一致します。

「資産の部」は会社が調達した資金の使い道を表しています。「何に投資しているのか」を示しています。集めた資金を現金として保有している、商品の在庫や生産を行うための工場設備や事務所として保有している、という具合に、集めた資金はなんらかの「資産」になっていることから「資産の部」と呼ばれます。

「資産の部」に含まれる資産の例

  • 「現預金」:現金、預金や金銭と同一の性質がある郵便為替証書や小切手など
  • 「売掛金」:取引先に対する未収入金
  • 「物的資産」:建物やそれに付属する設備、機械装置、営業用車両、土地など

「負債の部」「純資産の部」は、資本をどこから調達したのかを表しています。「資金をどのように集めたのか」を示しています。金融機関からの借入など他人から調達した分を「負債の部」、株式の発行などで調達した分や獲得した利益分を「純資産の部」として表示しています。

「負債の部」に含まれる負債の例

  • 借入金」:銀行などから借り入れた借金
  • 「買掛金」:仕入れや物品の購入に対して発生している未払い金

「純資産の部」に含まれる純資産の例

  • 「資本金」:株主が会社に出資した金銭
  • 「利益剰余金」:会社がこれまで生み出した利益の累積

損益計算書とは?

「損益計算書(P/L)」は、会社が1年間の活動でそれだけ収入があり、どれだけ費用がかかり、その結果、どれだけ儲かったか、という損益の状況を示しています。「P/L」とは「Profit and loss statement」の略です。

損益計算書(P/L)

売上高 44,000
売上原価 5,000
売上総利益 39,000
販売管理費 15,000
・給料手当
・広告宣伝費
・地代家賃
  など
営業利益 24,000
営業外収益 100
・受取利息・配当金
  など
営業外費用 2,000
・支払利息・割引料
  など
経常利益 22,100
特別利益
・固定資産売却益 など
特別損失 1,000
・固定資産売却損 など
税引前当期純利益 21,100
法人税等 3,000
当期純利益 18,100

単位(千円)

損益計算書は、いわば家計簿やお小遣い帳のようなものです。売上のようにお金が入ってくる取引を「収益」といい、家賃や従業員の給料などお金を払う取引を「費用」といいます。

損益計算書では、どのような収益がありどのような費用がどれだけかかり、結果としてどれだけ儲かったのかを一覧にすることで、会社の経営状態を把握することができます。

損益計算書は各利益とその利益から差し引かれる費用に応じて5つの段階に分けられます。

①売上高-売上原価=売上総利益

売り上げた商品の仕入にかかった代金を「売上原価」と言います。売上高から、売上原価を引いたのが「売上総利益」です。

②売上総利益-販売費及び一般管理費=営業利益

商品を売るためにかかった営業費用が「販売費及び一般管理費」で人件費や広告宣伝費がこれにあたります。売上総利益から販売費及び一般管理費を引いたのが「営業利益」です。

③営業利益-営業外収益・費用=経常利益

通常の営業活動で発生した収益や費用が「営業外収益・費用」です。例えば、会社で保有している株の配当金収入や他の会社への貸付で得られる利息収入など、本業とは直接関係のない収益や費用の事です。営業利益から営業外収益・費用を加減したのが「経常利益」です。

④経常利益-特別利益・損失=税引前当期純利益

通常の活動では発生せず、今期だけ、たまたま発生した利益や損失が「特別利益・損失」です。会社で保有している株や土地、建物などを売却した際に得た収益や費用の事です。経常利益から特別利益・損失を加減したのが「税引前当期純利益」です。

⑤税引前当期純利益-法人税等=当期純利益

会社は利益が出ると「法人税等」の税金を納める必要があります。税引前当期純利益から法人税等を引いたのが「当期純利益」です。

キャッシュフロー計算書とは?

「キャッシュ・フロー」とは、お金の流れのことです。つまり「キャッシュフロー計算書(C/F)」は会社の「現金」の増減を示しています。「C/F」とは「Cash flow statement」の略です。

キャッシュフロー計算書(C/F)

営業活動によるキャッシュフロー
・税引前当期純利益
・減価償却費
・法人税等支払
・土地売却損益
・棚卸資産の減少額
  など
投資活動によるキャッシュフロー
・有益固定資売却損益
・投資有価証券売却損益
  など
財務活動におけるキャッシュフロー
・借入金による増加
・借入金返済
  など

貸借対照表・損益計算書があれば、財産や借金、儲けた利益が分かります。それなのになぜキャッシュフロー計算書が必要なのでしょう?

日本の商取引は「掛取引」が主流です。「掛取引」では売上を上げたからといって、すぐに現金が入ってくるわけではありません。売上から入金までにタイムラグが生じます。売上が上がって利益が計上されたとしても、回収するまでは、その分の現金は入金されません。仕入についても同様で、商品などの仕入代金の支払いにもタイムラグが生じます。

そこで、キャッシュフロー計算書で、現金の動き・その増減理由を把握する必要があるのです。

キャッシュフロー計算書は、次の3つに分類されます。

①営業活動によるキャッシュフロー

事業活動を通して、物やサービスの販売や仕入れで生じた現金の増減。

②投資活動によるキャッシュフロー

工場建設や事務所の設立、設備機械への投資によって生じた現金の増減。

③財務活動によるキャッシュフロー

金融機関からの借入や社債発行による資金調達や借入金の返済によって生じた現金の増減。

キャッシュフロー計算書は、法律上は上場企業のみ作成提出が義務付けられています。非上場の中小企業などは、法律上作成義務はありません。しかし手元資金の増減を正確に把握し、自社の資金繰りを管理するためには、キャッシュフロー計算書は必須の書類です。

まとめ

「財務三表」は会社の決算書類でも、中核となる書類です。会社の経営者であれば、財務三表がどのような書類なのかは、最低限理解しておく必要があります。経理が苦手という方でも、基本ルールは身に着けておくべきでしょう。

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若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。

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