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自己都合退職による失業保険を最大限受け取りたい

お金に関する豆知識   954 Views
退職したいが、自己都合退職でも失業保険を受け取れるのか疑問に思っている人もいるでしょう。制度が分かりにくいこともあり、受給できるはずの手当を給付されていない人もたくさんいます。失業保険は自分で申請しないと受給することはできません。

保険料は自分が納めていたものですので、もらえる分はしっかりもらっておきましょう。

自己都合退職とは?

会社都合ではない退職のこと

退職には「自己都合退職」と「会社都合退職」の2つのパターンがあります。なんとなく知ってはいるが、具体的に何がどう違うのか分かっている人は少ないでしょう。失業後にもらえる失業給付金の額や給付の期間に差が出てくる部分なので、正しく理解しておきましょう。

「自己都合退職」は多くの退職が当てはまるものです。よほどのことがない限り、ほとんどの退職者は自己都合退職です。転居や結婚、介護、病気療養などによる退職もすべて自己都合退職ですし、自分が望む仕事内容や待遇を求めて転職するのも、すべて自己都合退職です。

それに対して、会社都合退職は、退職を余儀なくされるケースが当てはまります。代表的なものが、いわゆる「リストラ」です。経営破綻や業績悪化に伴う人員整理によって一方的に労働契約を解除された場合には会社都合退職という扱いになります。

また、退職勧奨や希望退職に応じた場合も会社都合退職ですし、勤務地移転に伴って通勤が困難になった場合や、何らかのハラスメント被害を受けたことによる退職も、自分の意志に反して退職を余儀なくされたケースとして会社都合退職に当たります。

一般的には、以下のようなケースで離職したときに会社都合退職であって、それ以外は自己都合退職です。

  • 倒産やリストラ
  • 自分の責めに帰すべき重大理由なく解雇されたとき
  • 職場の上司や同僚などからイジメや嫌がらせを受けた
  • 勤務場所や勤務時間、賃金などが労働契約締結時に明示されたものと著しく違っている
  • 賃金が大幅に減らされた
  • 会社から退職勧奨を受けた
懲戒処分の対象となる問題を起こして免職や解雇となった場合も自己都合退職という扱いです。

自己都合退職だと給付期限が設定される

自己都合退職では、失業給付金の支給を受けるまで3ヶ月の給付制限があります。それに加えて、ハローワークへ申請してから最低でも待機期間として7日待つ必要があります。

どれだけ早くても「3ヶ月プラス7日」からの支給になります。会社都合退職に比較して、自己都合退職では支給額は少なくなり、給付期間も短くなってしまいます。

失業給付金に関して自己都合退職と会社都合退職では以下のような違いがあります。

自己都合退職 会社都合退職
失業給付金最短支給開始日 3ヶ月7日後 7日後
失業給付金支給日数 90日~150日 90日~330日
失業給付金最大支給額 約118万円 約260万円
失業給付金給付制限 あり なし
国民健康保険税 通常納付 最長2年間軽減
履歴書の記載 一身上の都合により 会社都合により

失業給付金の基本

1.給付額

給付額を決める要素は、年齢・退職理由・勤続年数です。自己都合退職の場合は、失業給付金の給付額は最大で約118万円です。離職前に勤めていた会社における退職前6ヶ月間で受け取った給与によって変動します。

2.受給制限

失業給付金は退職してすぐに手に入るわけではありません。まずはハローワークに申請を出します。最低でも待機期間として7日は待つ必要があります。加えて、自己都合退職の場合は3ヶ月間の受給制限が適用されます。

この給付制限があるのは、「失業手当に依存するのを防ぎ、再就職活動を促進すること」が目的です。3ヶ月7日の間求職活動をしたが就職先が見つからないという場合に、失業給付金を手にすることができます。

3.給付日数

給付日数を決める要素も、退職理由・年齢・勤続年数です。自己都合退職の場合は90日から150日と決まっています。会社都合で退職したときには、最大で330日給付を受けられます。

4.おおよその流れ

  • まず、会社から「雇用保険被保険者離職票」を受け取ります。
  • ハローワークで求職の申し込みをします。退職理由の判定と受給資格の決定が行われます。
  • 7日間の待機期間があります。雇用保険受給説明会に参加して、1回目の失業認定日とします。
  • 給付制限が3ヶ月あります。会社都合退職では1週間後から支給が開始されます。
  • 給付制限が終了したら2回目の失業認定があります。ここで失業が認められたら支給が開始されます。
  • 以後、4週間ごとに失業認定があり支給を受けます。最大で150日間となっています。

確実に失業保険をもらうには

給付期間の原則

自己都合退職の際の給付期間は以下のように決まっています。

自己都合退職

雇用保険の加入期間 10年以下 10年~20年 20年以上
給付までの最短 待機期間終了後、3ヶ月後から
最大の給付日数 90日 120日 150日

待機期間は離職後、ハローワークに行って受給資格者であることを確認してからの7日間です。何もしなければ資格者とは認定されません。

自己都合退職だと退職してから3ヶ月は給付を待たなくてはなりませんが、会社都合の場合には離職してすぐにもらえるケースが多く、受給期間も長くなります。

会社都合退職

雇用保険の加入期間 10年以下 10年~20年 20年以上
給付までの最短 待機期間終了後、翌日から
最大の給付日数 90日~240日 180日~270日 240日~330日

給付金額の計算方法

失業手当は、「賃金日額」が基準となります。

賃金日額=退職前6ヶ月間の給料の総額÷180日

給料にはボーナスは含ませんが、残業代と手当は含みます。

たとえば残業代込みで給料が月額30万円なら、賃金日額は30万円×6ヶ月÷180日=1万円となります。

この賃金日額に対して年齢や収入の条件別にある割合を掛けたものを手当としますが、通常は45%~80%相当になります。さらに給付期間で算出した日数を掛けたものが手当の総額となります。1日当たりの手当の計算方法は非常に複雑で、しかも毎年計算式が見直されています。

最も確実に最新のものを知るには、ハローワークに問い合わせするのが良いでしょう。

退職前に準備しておこう

失業保険をもらうまでの手順は、複雑で分かりにくいところがあります。およそ、離職票をもらって、ハローワークの窓口に行くというところは、自己都合退職でも会社都合退職でも同様です。

退職する前に準備しておきたいのは、「雇用保険被保険者証」を受け取っているかどうか、受け取っていても紛失していないかを確認することです。紛失していた場合には勤務先に再交付の依頼をしておきましょう。多くの場合、会社で保管しています。

雇用保険被保険者証があることを確認したら、次は離職票をもらう方法を勤務先と話し合って決めておきます。離職票は通常、社員が退職して10日以内に勤務先がハローワークに手続きして、発行されるもので、通常は郵送によって送られてきます。

勤務先が雇用保険被保険者資格喪失届と離職証明書を作成するので、内容を確認して捺印します。ここまではしっかりと退職前に準備しておきましょう。もし退職してしまった後であれば元の職場に確認しましょう。

退職後にやること

退職後に職場から離職票を受け取ったら内容を確認しておきましょう。特に「離職票-2」に記載されている給与金額や退職理由を確認することは大切です。2週間経っても受け取れないときには元の職場に確認しましょう。

離職票を受け取ったら、すぐに下記の書類を準備してハローワークの窓口に行って手続きをします。

  • 離職票-1、離職票-2
  • 雇用保険被保険者証
  • 写真(上半身を写したヨコ2.5cm×タテ3cm)1枚
  • 身分証明書(運転免許証やパスポート)
  • 預金通帳
  • 認印
その後、窓口で簡単な質問があります。問題がなければ受付は完了です。

受付が完了してからおよそ10日後に、雇用保険受給説明会に出席します。雇用保険の内容や今後のスケジュールに関する説明をされます。手当の受け取りに必要な「失業認定申請書」と「雇用保険受給資格者証」を受け取ります。この時に1回目の失業認定日が指定されます。

1回目の手続きの後、約4週間したら失業認定申請書にそれまでの就職活動の状況を記入して提出します。このときに2回目の失業認定日が指定されます。

2回目の認定日から3ヶ月後に、説明会で受け取った失業認定申請書に就職活動の状況を記入して提出します。このときに3回目の失業認定日が指定されます。そこから5日から7日後、指定の銀行口座に手当が振り込まれます。

注意点

雇用保険受給説明会に参加して失業認定を受けるには、求職活動とみなされる活動をしなければなりません。ここで言う求職活動とは以下のような活動です。

  • ハローワークの窓口での相談
  • ハローワーク主催のセミナーに参加
  • ハローワークの求人への応募

1回の認定日に必要な求職活動は2回です。2回以上、上記の求職活動をしていないと失業認定が受けられません。

また、求職の申し込みに行った曜日が、それ以降の失業認定日となります。月曜日に求職の申し込みに行った場合、失業認定日は必ず毎回月曜日になります。受給を継続するには、失業認定日には必ず出席しなければなりません。

手当は就労したとみなされると、ストップします。就労するときには雇用保険に加入しなければならず、加入すると受給は打ち切りになります。逆に言うと、雇用保険の加入条件に満たない仕事をして、加入しなければ問題はありません。

雇用保険の加入条件は以下の2つです。

  1. 1週間の労働時間が20時間以上
  2. 雇用期間が31日以上

この2点を同時に満たさない範囲でアルバイトなどをするのは構いません。

失業保険を最大まで受け取るには

退職前6ヶ月間の給料を増やす

失業手当はできれば最大限もらいたいところです。実際、雇用保険は自分が加入して、自分の給料から保険料も納めています。もらえる額が少しでも減るのは、支払った分の受給額がもらえないということですので、それだけで損失と言っていいでしょう。

失業は誰にでも起こることで、何も恥ずかしがったり、控えめになったりする必要はありません。制度を駆使して少しでも多くもらいましょう。

失業保険は、離職する6ヶ月前の「残業」や「休日出勤」を増やすことで総額を増やすことができます。失業手当を計算するベースとなる日額賃金は、離職前6ヶ月の平均賃金で算出されるからです。

ここには残業代も含まれます。残業できるかどうかは職場次第ですが、日額賃金を増やすために残業時間を増やすことは良くあることで、あまり気にする必要はありません。

公共職業訓練を活用する

独立行政法人や自治体が行っている公共職業訓練を受けると、いくつかメリットがあります。

手当の支給期間が延びる

公共職業訓練を行っている間は、手当の期間が延長されます。たとえば120日の手当が支給されるとしたとき、支給開始後60日経ってから180日の職業訓練を受けると、訓練終了まで支給期間が延びるので、実質の支給期間は240日となり、より長く手当を受けられます。

無料でスキルアップ

公共職業訓練は、国が補助金を出してくれるものですので、無料でスキル向上を図ることができます。介護やIT、就職に役立つスキルを身につけることができます。良いチャンスと考えて、パソコンスキルを磨くとか、新しい技術にトライしたりしてみましょう。

訓練校が手続きを代行してくれる

受給期間は定期的にハローワークに通う必要がありますが、公共職業訓練の受講をすると、月末が失業認定日となって訓練校が手続きを代行してくれるので、わざわざハローワークに行く必要がなくなります。

会社都合退職にならないか確認する

失業手当は会社都合退職のほうが断然条件が有利です。受給額も大きいですし、期間も長くなります。

会社都合退職とするには、主に「会社の倒産」「会社からの解雇」「退職勧告」「大量離職」の4つと言われていますが、自分では自己都合退職と思っていても、実は会社都合退職にできるケースがあります。

残業時間が多かった

離職直前の6ヶ月のうち、残業が「3ヶ月連続で45時間」「1ヶ月で100時間」「2ヶ月~6ヶ月の平均が80時間」を超えているとき、「行政機関の指摘にも関わらず改善されなかった」ケースに当てはまります。タイムカードや自分で作成した記録など残業時間が分かるものをハローワークに持参しましょう。

仕事内容が当初の予定と大きく変わった

採用時の契約と仕事内容が大きく違っていて、それによって退職したという場合には、自己都合退職ではなく会社都合退職扱いにできることがあります。

主に以下の4つのケースで可能性があります。

  1. 「採用の時に結んだ労働契約上の内容と変更があった場合であって、仕事内容と違う仕事をすることになり、それに伴って給料が下がった。」
  2. 「仕事内容が変わったのに、雇用主が充分な訓練を行わなかったために、新しい職場に適応できずに離職した。」
  3. 「労働契約上の勤務地が特定されていたのに、遠隔地への転勤を命じられたために離職した。」
  4. 「家族事情を抱えているのに、遠隔地への転勤を命じられた。」

職場でハラスメントがあった

職場でパワハラやセクハラがあったために仕事を続けるのが困難になって退職した場合に該当します。セクハラの場合は、事業主や公的機関に訴えていても改善されなかった場合に該当します。

会社の業務が法令に違反していた

事業所が法令に違反する製品を製造したり販売したりしており、それを知ってから3ヶ月以内に離職した場合に該当します。会社が法令違反をしていことが分かる資料をハローワークに持ち込むと、会社都合退職と認定されます。

近年良くあるのが、「違法ダウンロードしたソフトを仕事で使っている」というケースです。違反と知りながら、経費圧縮のために業務で使っているというのは珍しくありません。

すぐに失業保険をもらう裏技

会社都合退職として認められるポイントとして、最も簡単に使えるのが「辞める最後の3ヶ月間で残業時間を毎月45時間以上をキープする」という技です。残業について日本では考えが遅れており、月に45時間程度なら誰でも普通にしていることでしょう。

近年では少なくなりつつありますが、いわゆるサービス残業が習慣化してしまった会社はまだまだ存在しています。

重要なのは、残業したという証明を確保することです。最も分かりやすいのはタイムカードですが、それがないという会社では残業代が載っている給与明細でも証明できます。

なかには、手帳に日誌をつけていただけで残業時間として認められることもあります。法的には残業時間が多いことによって離職したときには、「離職を余儀なくされた」とみなされます。

会社都合退職に持っていくことができれば、3ヶ月7日の待機期間なく、すぐに失業手当が受給できます。最後の1ヶ月間だけ100時間残業するという方法も使えます。

まとめ

失業保険は、退職する前から準備しておきましょう。退職してからもらえる保険の額が変わってくることがあります。自分が働いている給料から保険料が出ているので、もらえるだけ最大の額をもらえるよう努めましょう。

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若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。

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