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当座貸越とは?一般当座貸越と専用当座貸越の2種類ある

 2018/02/20 銀行融資   104,608 Views
 

当座貸越契約(当貸・トウガシ)とは、借入可能な「借入限度額」を設定し、その範囲内で借入と返済を繰り返していく融資方式です。つまり借入の都度、金融機関に対して新規の申込などの手続を行う必要はありません。

個人ローンでよく登場する「カードローン」も当座貸越の一種です。事業性の当座貸越は「一般当座貸越」と「専用当座貸越」の2種類があります。

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一般当座貸越

一般当座貸越とは、当座預金取引先が当座預金の残高が不足した場合に自動的に貸越となる契約のことです。

当座預金の残高を超えて振り出された手形や小切手の決済不足資金を、金融機関が一定の貸越限度額まで立替支払を行います。つまり当座預金と連動しており、当座預金の残高が不足した場合、自動的に貸越となります。

一般当座貸越は、金融機関と当座取引先との間に締結された「当座勘定貸越約定書」に基づく融資となります。融資先にとっては、当座預金の一時的な資金不足に対応することができるメリットがあります。

たとえば一般当座貸越の極度契約が1,000万円設定されていたとします。当座預金の残高が200万円あり、1,000万円の支払手形の決済が発生した場合、通常は800万円の残高不足となりますが、一般当座貸越契約に基づき800万円の自動貸越が発生します。

一般当座貸越の契約が無ければ支払手形が不渡りとなる事態を防ぐことが可能になります。

専用当座貸越

専用当座貸越とは、融資先に対して融資極度額を設定し、その範囲内で繰り返し借入と返済を可能にする契約に基づく融資です。

当座預金や普通預金とは別に、「当座貸越勘定(融資専用口座)」を設定し、ここから支払伝票やキャッシュカードに融資を受けることになります。

金融機関と融資取引先との間に締結された「当座貸越契約証書」に基づき、基本的に何度でも繰り返して借入と返済を行うことが可能になります。
事業性の専用当座貸越は、一般的に短期運転資金として用いられます。

当座貸越の審査・金利

当座貸越契約は、急な資金不足などには非常に便利なものです。借入の都度、金融機関と契約を締結する必要もなく、繰り返して利用することができます。

その分、一般的には審査基準が厳しい傾向にあり、また適用金利が高めに設定されます。

不動産などの担保を差入することで、高額融資も可能ですが、やはり審査基準が厳しいことは否めません。ただし一度審査にさえ合格することができれば、事業の資金繰りなどにも有効的に活用することができるでしょう。

当座貸越契約の契約期限は通常1年間です。契約期限が到来すれば、金融機関側で継続の審査が行われます。

事業実績や利用状況(返済状況)に特段問題なければ、基本的には期限更新が行われます。当座貸越を利用する場合には、契約更新不可となる事態は避けたいものです。

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ライター紹介 ライター一覧

若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。