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親の土地を担保にお金を借りることはできるの?

 2020/01/24 不動産担保ローン   26,621 Views

「親が土地を保有しており、ゆくゆくは自分が相続予定」
「しかし、急にまとまったお金が必要になった」

はたして、親が所有する土地を担保にお金を借りることはできるのでしょうか?

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親名義の不動産でも担保にしてお金を借りることは可能

結論から申し上げますと、親名義の土地などの不動産を担保とした借入は「可能」です。

不動産担保ローンを取り扱う金融機関、銀行・ノンバンク問わず、多くの先で「親族などの第三者所有の不動産も担保設定が可能」となっています。

担保となる不動産の名義人と、融資契約者が異なる場合でも大丈夫ということです。この場合「物件所有者」は「担保提供者」という位置づけになります。

この「第三者」の範囲は取扱金融機関によって異なります。通常は「親」などの親族(三等親程度)となっています。

一方「友人」といった範囲はまず認められません。たとえ「担保を提供する意思」がある友人といっても、金融機関側は返済のリスクが高くなるこのような取扱はまず行いません。

親所有の不動産を担保にするには?

親が所有する土地などの不動産を担保にする場合、一番のポイントは「所有者の承諾がしっかりしているか?」という点です。取扱金融機関は必ず承諾を得ていることを確認します。

万が一、親の承諾を得ていないとわかった時点で、申込手続きが中断されることになります。その結果、審査にも合格できずお金を借りることができなくなってしまいます。

担保設定時には、必ず物件所有者(親)の署名・捺印が担保設定関連の契約書に求められます。

最近では金融機関担当者が物件所有者(親)と直接面談を行い、担保提供の意思があるかどうかを確認するのが一般的です。親とはいえ、勝手に他人の不動産を担保にすることはできないのです。

親に連帯保証人になってもらる場合もあります

ほとんどの金融機関では、親名義の不動産を担保とする場合には、担保提供者である親に「連帯保証人」となることが求められます。当然、契約書にも署名・捺印が必要です。

これには貸倒を防ぐ目的があります。万が一借入契約者(子供)が返済不能となった場合、担保不動産を処分して回収に充当します。

しかし不動産処分額は不動産担保ローンの残高を下回った場合、その差額分をなんらかの方法で回収しなければいけません。このリスクを連帯保証人に求めるわけです。

「連帯保証人」と聞いて、親がいい顔をしない場合もあるでしょう。ノンバンクの不動産担保ローンでは、連帯保証人不要で、同意さえ確認できれば利用できるという先もあります。

不明な点は金融機関担当者に相談してみるとよいでしょう。

親に迷惑をかけないために

親の土地を担保にしてお金を借りるのためには、親に担保提供者として協力してもらうことが必要です。取扱金融機関によっては連帯保証人になってもらう必要もあります。

かわいい子供のためにと担保を提供してもらった親には、決してこれ以上の迷惑をかけてはいけません。借りたお金はしっかりと返済していく必要があります。そのためには不必要な借入は絶対にしてはいけません。

  • 借りようとしているお金は、本当に必要なものなのでしょうか?
  • 他の方法でなんとか対処できないのでしょうか?

「お金を借りる」という意味を、安易に捉えることのないように、しっかりと考えていきましょう。

  • 借りたお金はどのように返済していきますか?
  • 自分の収入から、無理のない返済を最後までできますか?

万が一返済不能となってしまうと、担保とした土地などは失ってしまうことになります。そうなると、親に迷惑をかけるどころの話ではありません。親の生活にも多大な支障をきたすことになります。

「子供がかわいい」と思うのは親の常です。その期待を裏切るようなことは絶対に避けなければいけません。

高齢者対策も求められることもあります

今後とも、高齢者問題がますます深刻になっていく日本。親が高齢の場合、不動産担保提供の分野でも対策が求められています。認知症などにより判断能力が問題となると、担保提供意思が確認できないケースも考えられます。

高齢者の判断能力のチェックとしては、担当者の直接面談の他、医師の診断書などの提出を要求されるケースもあります。今後とも様々な対策が必要となることも予想されますので、不明な点は担当者に相談してみましょう。

まとめ

いざという時に一番頼りとなるのが親というのも、間違いではありません。しかし親の土地などを担保提供してもらう場合には、しっかりと事情を説明し、理解を得ることが大切です。

  • なぜ借入しなければいけないのか
  • どのように返済していくのか
  • 金融機関との面談・意思確認の必要

せっかく子供のことを思って担保提供に応じてくれた親に迷惑をかけないためにも、借りたお金はしっかりと返済していきましょう。

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ライター紹介 ライター一覧

若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。