東京都共済組合とは?借入条件や審査を分かりやすく解説

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東京都共済組合とは?貸付制度の概要
組合員のみが対象
すべての公務員は、加入している共済組合からお金を借りることができます。東京都の職員なら、東京都職員共済組合から借りることが可能です。
また、共済組合が組合の退職等年金経理からの借入金や短期経理からの借入金を充てることになっており、銀行などに頼らない貸付なので、金利は非常に低く、有利な条件で借りることができます。
借りるための条件もそれほど厳しくありませんが、資金使途はある程度限定されるため、この点だけ注意しましょう。銀行や消費者金融などのように、資金使途が自由で限度額の範囲内で何度でもいくらでも借りることができるという制度にはなっていません。あくまでも、生活するうえで必要となる資金を一時的に借りるという位置付けです。
貸付制度の種類
東京都職員共済組合の貸付は、普通貸付・特別貸付・高額医療費貸付・出産貸付の4つあり、さらに特別貸付は入学等・修学・長期療養・結婚・葬祭の5つの種類があります。
貸付の種類 | 資金使途 | |
普通貸付 | 自動車や家電など生活必需品の購入 | |
特別貸付 | 入学等 | 子供の入学に必要な資金 |
修学 | 子供の修学に必要な資金 | |
長期療養 | 病気・怪我などによる長期の療養にかかる費用 | |
結婚 | 組合員本人または被扶養者、子・孫・兄弟姉妹の結婚 | |
葬祭 | 組合員の配偶者・子・父母・孫・兄弟姉妹・配偶者の父母の葬祭 | |
災害貸付 | 組合員・被扶養者の水震火災・盗難またはその他の非常災害 | |
高額医療貸付 | 組合員・配偶者の高額医療の負担 | |
出産貸付 | 組合員・配偶者の出産 |
上記のように、幅広い分野にわたって活用することができます。ただし、共済組合から借りたお金は、あくまで一時的に必要な資金の貸付です。ただ、修学では貸付事由が1年ごとに更新されますし、長期療養についても同様です。慢性的に生活費が不足しているといった事由では借りられません。
また、資金使途に拘束されず事由にお金を使いたいという場合には利用できません。生活費の補填や競馬・パチンコなどのギャンブル資金・投資資金などの用途には活用不可となっています。
借りるための条件
東京都職員共済組合の貸付制度を利用するには、組合員であることが大前提です。銀行や消費者金融などのような細かい審査基準はありません。ただし、以下のような場合には利用できないので注意しましょう。
- 引き続き3ヶ月以上欠勤しているとき。ただし、病気療養のために任命権者の承認を得ている場合は除く。
- 給料その他の給与を譲渡、または差し押さえられているとき。
- 破産の申立をしているとき。
- その他、理事長が貸付が適当でないと認めるとき。
また、多くの場合で組合員の資格を取得してから1年以上は経過している必要があるので注意しましょう。公務員の新入社員や中途採用された人には、一定期間は貸付対象として認められないことがあります。
貸付限度額は?
それぞれの貸付事由ごとに借りられる限度額が設定されています。例外もありますが、基本的には以下のように定められています。
貸付の種類 | 限度額 | |
普通貸付 | 給料の6ヶ月分(これが200万円を超えるときには200万円) | |
特別貸付 | 入学等 | 200万円 |
修学 | 120万円 | |
長期療養 | 100万円 | |
結婚 | 200万円 | |
葬祭 | 200万円 | |
災害貸付 | 100万円 | |
高額医療貸付 | 共済組合法によって控除される額を差し引いた額 | |
出産貸付 | 47万円 |
子の入学については、1人ごとに200万円を限度とします。また、修学については1年ごとに120万円が限度額となり、年度ごとに申請して借入することになっています。
金利は?
金利は共済組合法七十七条第四項に規定する基準利率の区分に応じて変動します。いずれにしても、非常な低金利です。
基準利率 | 貸付の種類 | |
普通貸付・特別貸付 | 災害貸付 | |
1.0%以下 | 年率1.26% | 年率0.93% |
1.0%超~1.5%以下 | 年率1.76% | 年率1.43% |
1.5%超~2.0%以下 | 年率2.26% | 年率1.93% |
2.0%超~2.5%以下 | 年率2.76% | 年率2.43% |
2.5%超~3.0%以下 | 年率3.26% | 年率2.93% |
3.0%超~3.5%以下 | 年率3.76% | 年率3.43% |
3.5%超~4.0%以下 | 年率4.26% | 年率3.93% |
4.0%超~4.5%以下 | 年率4.76% | 年率4.43% |
4.5%超~5.0%以下 | 年率5.26% | 年率4.93% |
5.0%超 | 基準利率+年率0.26% | 基準利率-年率0.07% |

東京都職員共済組合への借入の申し込みと審査
所定の申し込み用紙に記入
東京都職員共済組合からお金を借りる場合には、所定の申し込み用紙に記入のうえ提出する必要があります。必要書類は主に以下のようなものになります。
一般貸付金申込書
どの貸付制度を申し込むにあたっても必要になるものです。本人情報として氏名や組合員証番号、住所などを記載するほか、所属部署・課を記載し、申込金額や償還回数(返済回数)、貸付金の振込先口座などを記載します。このときに、どのような目的で借入したいのかも記入しなければなりません。
普通貸付なら電気製品や家具の購入、自動車、楽器、旅費といった項目がありますが、その他の場合には別途記入します。特別貸付では、入学・修学の状況について報告する必要があります。
一般貸付金借用証書
これもどの貸付制度でも必要書類となっています。普通貸付・特別貸付と、高額医療費と出産貸付では違う用紙を使うので注意しましょう。通用の借用書と同じようなもので、貸付金額を記入のうえで借受人が自署でサインして提出します。
貸付種類ごとの必要書類
貸付金では申込書と借用書の他、貸付の種類によって提出書類が異なります。
貸付の種類 | 提出書類 | |
普通貸付 | ・給料等支給明細書写し ・借入額100万円を超えるときには必要経費が明記された書類 |
|
特別貸付 | 入学等 | ・給料等支給明細書写し ・受験票の写しまたは合格通知書の写し ・必要経費の明記された書類 |
修学 | ・給料等支給明細書写し ・学生書の写しまたは在学の事実を証明する書類 ・必要経費の明記された書類 |
|
長期療養 | ・給料等支給明細書写し ・診断書の写しまたは療養の事実を証明する書類 ・必要経費の明記された書類 |
|
結婚 | ・給料等支給明細書写し ・婚姻の事実を証明する書類 ・必要経費の明記された書類 |
|
葬祭 | ・給料等支給明細書写し ・埋葬(火葬)許可証の写しまたは葬祭の事実を証明する書類 ・必要経費の明記された書類 |
|
災害貸付 | ・給料等支給明細書写し ・官公署の発行する罹災証明書または損害の事実を証明する書類 |
|
高額医療貸付 | 保険医療機関等の発行する請求書または領収書 | |
出産貸付 | 母子健康手帳の写しまたは出産を証明する書類 |
審査基準

共済組合は金融機関ではないため、個人信用情報機関に加盟していません。そのため、銀行や消費者金融などからの借入によってブラックリスト入りしていたとしても、利用できることがあります。とはいえ、申請した内容が適切であるかどうかは、非常に厳しくチェックされます。
特に、普通貸付においては「100万円を超えないときには必要経費が記された書類の提出が費用」とされていますので、使途が明らかになると困るような資金を借りてしまう可能性があります。そのため、何に使う資金なのか正直に申告しましょう。
申込書に記載されている普通貸付での資金使途は、「墓地・住宅賃借費・電気製品・家具・自動車・楽器・旅費」の7種類です。これ以外のときには「その他」を選択して経費の内訳を記入しなければなりません。このときに、ギャンブルや投資などといった内容を記載すると問題となります。
虚偽報告するのは違反ですが、誰に言っても「それなら仕方がない」と思えるような借入申告をしましょう。
メリット・デメリット
メリット
東京都職員共済組合の貸付制度の大きなメリットは、金利が非常に低いという点です。普通貸付であれば、100万円までは資金使途は申告するだけで良く、幅広い範囲で活用できます。銀行や消費者金融のカードローンとは比較にならないほどの低金利ですので、旅費などが足りないといったときに便利に使うことができます。
また、審査のハードルが非常に低く、資金使途に問題がなければ、ほぼ100%審査には通過します。審査ハードルが低いと言われている消費者金融でも申込者の審査通過率は50%程度ですので、ほとんどの申込者が問題なく利用できる貸付制度は非常にメリットが高いと言っていいでしょう。
デメリット
借りるのは良いですが、あくまで公務員のための貸付制度であるため、もし仕事を辞めて民間の会社に転職するといった場合には、返済残高を一括で返済しなければなりません。返済する余裕がないというときには、転職どころではなくなるので良く考えてから利用しましょう。
また、カードローンのように資金使途が自由ではないので、目的がはっきりしないお金を借りることはできません。そのため、「ちょっと生活費が足りない」「遊ぶ金がない」などといったケースでは利用できず、使い勝手があまり良くありません。
自動車や家電、家具の購入といった場合には便利ですが、生活費の補填などの理由では利用できないので注意しましょう。
共済組合から借りられないときはどうする?
銀行の目的別ローンで借りる
共済組合からお金を借りるには、明確な利用目的が必要です。また、貸付制度を利用するには利用者の月収の6倍までと限度額が決まっていますし、月収の額や継続月数にも左右されます。利用条件が厳しく定められており、使いにくいのも事実でしょう。
もし、共済組合の貸付制度を利用しないで低金利でお金を借りたいのなら、銀行のローンを利用しましょう。銀行には消費者金融のような総量規制という法律が適用されません。総量規制では「年収の3分の1まで」しか借りることができませんが、銀行から借りる際には総量規制以上のお金を借りることも可能です。
特に銀行の「目的別ローン」は、共済組合ほどではありませんが低金利で利用しやすいローンと言えるでしょう。一般的に銀行のローンは審査が厳しいとされていますが、公務員であって今までのクレジットカードの利用などにおいて滞納や延滞がないのであれば、かなり高い確率で審査には通ります。
銀行の目的別ローンは資金使途に合わせて融資されるもので、いずれも低金利ですし、使い勝手もいいでしょう。たとえば三井住友銀行では、以下のようなローンが提供されています。
ローン商品 | 資金使途 | 限度額 | 金利 |
マイカーローン | 新車の購入・修理などの費用 | 300万円 | 4.475% |
住宅ローン | 住宅の購入・増改築費用 | 1億円 | 3.2% |
教育ローン | 子供の入学・就学にかかる費用 | 300万円 | 3.475% |
フリーローン | 家具購入・旅行・結婚・引っ越しなど | 1億円 | 5.975% |
銀行は上記以外にも様々な用途に応じたローン商品を展開しているため、検討する価値はあるでしょう。
銀行のカードローンで借りる
銀行が提供しているローンで最も自由に使えるのはカードローンでしょう。金利が低く、高額の資金にも対応しています。カードローンのメリットは、限度額の範囲内ならいくらでも何度でも借りることができるという点にあります。
目的別ローンはいったん借りたら、後は返済するだけですが、カードローンは審査に通ったら後の使い方は自由で、借入ごとにいちいち審査することはありません。
カードローンは事業性のある資金以外なら何に使っても良く、コンビニのATMなどを使って自由に借りて返済することができます。自行のATMを使うと手数料が無料になります。毎月1回必ず返済日が来るのは、分割払いなどと同様で、このときにATMで支払うか銀行の口座経由で支払うかしておけば問題ありません。
公務員は毎月安定した基本給が支払われますし、職を失うリスクが非常に低いことから、審査ではプラスに評価されます。
消費者金融を使う
また、お金を借りていることが発覚しにくいというメリットもあります。共済組合からお金を借りると、同僚や上司に発覚するリスクが高いですし、銀行の目的別ローンやカードローンではほぼ必ずと言っていいほど、「在籍確認」という工程が審査の段階で入ります。
これは、申込者が本当に申告した通りの職場で働いているかどうかを確認する作業で、審査の担当者が直接個人名で電話を職場に掛けてきます。これによって借入の申し込みがバレてしまう危険があります。
消費者金融の場合は、周囲の人にバレないように最大限の努力をしてくれます。公務員だからこそ、借入の事実を周囲にバラしたくないと思っている人も多いでしょう。周囲の人たちに発覚しないようにお金を借りるには、郵送物・電話連絡・カード本体が存在しないのが一番です。
大手の消費者金融なら、そういったサービスが充実しており、何の郵送物もなく、電話連絡もせずにカードそのものが発行されることなくお金を借りられます。
ただし、金利は高く設定されています。共済組合で借りる金利と比較すると大変な高金利となってしまうというのがデメリットでしょう。利便性と金利はオフトレードと考えましょう。少額を借りてさっと完済しておけば何の問題もありません。
労働金庫から借りる
お金を借りるところとして、銀行や消費者金融だけでなく「労働金庫」という選択肢もあります。カードローンよりも低金利で借りることができ、公務員でも利用可能です。労働金庫は、労働者のための金融機関で、しかも国家・地方公務員などが労金に出資しているため、公務員以外の人よりも優遇された金利で借りることが可能です。
労働金庫は、「働く人のための融資機関」という組織ですので、あまり派手に宣伝活動をすることはありません。宣伝費を節約して利用者に還元している金融機関です。そのため、「ろうきん」と言われてもピンとこない人も多くいますが、実際は低金利・高額融資・柔軟な審査という要素を兼ね備えた実力者です。
ろうきんの申込条件として「労金に出資している団体の構成員であること」というものがありますが、東京都の都職員というだけで、この条件は満たしています。ただし、ローンの種類によっては以下の条件を満たす必要があります。
- 勤続年数が1年以上であること。
- 前年度年収が150万円であること。
また、原則的に保証人は不要で、保証会社を利用します。そのため、保証会社の審査を通過しなければなりません。保証会社は、利用者が返済不能になったときに本人に成り代わって弁済を行い、その後の債権を取り扱う会社です。
そのため、ここの審査に通過できないと利用はできませんが、都の職員であればおおよそ通過できるでしょう。今までのクレジットカードや分割払いなどで支払いの遅れがなければ問題ないと考えられます。
まとめ
東京都共済組合でお金を借りるのは、低金利ですし審査も通りやすいですが、利用目的が限られる点や、限度額が低めに出てしまいがちな傾向があるなど、欠点も多くあります。それ以外の民間の金融機関であれば、都の職員というだけでかなり審査では有利です。
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