手形割引とは?わかりやすく簡単に解説
日本の商取引では「手形」がよく用いられます。ただし最近では「手形」に代わる「電子記録債権=でんさい」も徐々に広がりつつあります。
ただし「手形」「でんさい」とも実際に現金化するには、支払日まで末悲必要があります。支払日前に資金化するのが「割引」です。
Contents
手形割引とは?
「手形」とは「商品やサービスの納入企業が、代金を一定期間の後に支払うことを約束して発行する書面(有価証券)のことを指します。「約束手形」と「為替手形」の2種類があり、日本の商取引ではおなじみです。
「手形」を活用した取引では
- 商品やサービスを受けとる顧客側→「手形」を発行(振り出す)「振出人」
- 商品やサービスを提供した納入企業側→「手形」を受け取る「受取人」
という関係のもと取引が進めらます。
ただし手形には支払期日があり、その期日までは「納入企業側(受取人)」は実際に手元に現金を入手できません。そこで銀行などの金融機関に手形を「割り引いてもらう」ことで資金化するのが「手形割引」です。
つまり期日前までの「割引料」を支払うことで銀行などの金融機関に手形を買い取ってもらうイメージです。
手形割引の流れ
- 納入企業が支払企業に商品やサービスの提供
- 支払企業(振出人)が納入企業(受取人)に手形の振り出し
- 納入企業(受取人)が銀行などの金融機関に手形割引依頼
- 銀行などの金融機関が振出人の審査
- 審査通過後、利息や手数料を除いた金額を割引依頼人に支払
- 期日に支払企業(振出人)が割引人に支払い
手形割引の審査
手形割引を利用するには審査に合格しなければいけません。審査によって割引の可否の他、割引率(割引料率)が決定されます。
手形割引の審査では「振出人の信用力の審査」「裏書人の信用力の審査」「割引依頼人の信用力の審査」の3段階の審査が行われます。
①振出人の信用力の審査
手形割引の審査では「振出人」の支払能力が一番重要視されます。最終的に、手形の金額を支払うのが「振出人」ですので、手形を買い取る銀行などの金融機関にとっては、手形金額を支払う「振出人」の信用力が手形割引の審査で一番重要なのは当然でしょう。
②裏書人の信用力の審査
手形の裏書とは手形の受取人による、第三者へ譲渡するときに行うものです。手形の裏面に「表記金額を下記被裏書人またはその指図人へお支払下さい」という文章(裏書文句)と、譲渡する相手(被裏書人)の名前を書いて、譲渡する人(裏書人)が署名・捺印して、その手形を被裏書人に渡します。これで「手形」の第三者への譲渡が完了します。
「手形」の裏書は何度でもできるので、手形を買い取る銀行などの金融機関側は今までの「手形」を所持した人の流通履歴がわかることになります。
万が一、「振出人」が支払をできない場合は、手形の「所持人」は「振出人」から請求するはずの金額を、変わりに「裏書人」のいずれかの人から請求することができます。全ての「裏書人」は手形を所持する人に対して、「振出人」が支払をできない場合に、支払をする「償還義務」があります。
手形を買い取る銀行などの金融機関にとってみれば、万が一、「振出人」が支払をできない場合に「裏書人」に支払いを請求することができます。例えるならば融資の保証人のようなものですので、「裏書人」の支払能力も、手形割引の審査要件の一つとなるのです。
③割引依頼人の信用力の審査
「裏書人」と同様に、「受取人(割引依頼人)」にも、手形の「償還義務」があります。手形割引で、手形を銀行などの金融機関に割引(買取)してもらった後に、「振出人」が支払をできない場合は、「受取人(割引依頼人)」が手形を買い戻さなければなりません。
このときに「受取人(割引依頼人)」が買い戻しができない場合は、買取金融機関の貸し倒れリスクが発生するため、割引依頼人の審査も行われることになります。
手形割引のメリットとデメリット
メリット
①資金調達までのスピードが早い
手形割引最大のメリットは「資金調達までのスピードが速い」点でしょう。早ければ手形を持ち込んだその日に資金調達が可能です。急な資金需要にも対応できます。
②支払期日が来ていない手形が現金化できる
「手形割引」を利用すれば、支払期日までに現金化できます。
デメリット
①手形が不渡りになった場合、弁済が必要
手形割引では(万が一)不渡りが出てしまうと、銀行などの買取金融機関に対して弁済の義務が生じます。
②弁済後、さらに資金繰りが悪化してしまう危険もある
弁済により急な資金需要が発生、資金繰りが悪化する危険もあります。
でんさい割引とは?
「でんさい」とは、「電子記録債権」の略称であり、2008年12月1日に施行された電子記録債権法をもとに流通している債権の一種です。電子債権記録機関に電子的に記録されることによって、債権としての効力が発生します。
事業者の資金調達の円滑化を目的としており、従来の債権と比較して利便性や安全性が高いという特徴があります。従来の売掛債権には、先の手形や売掛金といった、いわば「物理的な実体」のあるものです。そのため、保管に手間がかかったり、紛失や盗難や偽造、二重譲渡などのリスクもありました。
一方、債権を電子的に記録することによって発生・譲渡・消滅などが可能となります。でんさいでは、電子債権記録機関の記録原簿に情報が正確に記録されるため、債権の存在と帰属が明確になります。
当然、セキュリティの問題も皆無ではなく、何らかの被害に遭う可能性もゼロではありません。しかし、実際には流通開始から今日まで被害の報告は一件もありません。
これまでの「物理的な債権」に関するリスクが解消される新たな仕組みとなっています。
ただし「でんさい」でも実際に現金を入手するのは支払期日到来時です。そこで同様に「でんさい」を買い取る=割引してもらうことで、支払期日前の資金調達が可能になります。
でんさい割引の流れ
ここでは取引銀行にでんさい割引を依頼した場合の大まかな流れを見てみましょう。
①自社が取引先に製品の販売を行い、でんさいでの支払いを行う
取引先は取引銀行を通じて、でんさいネットの記録原簿に発生記録を行うことでんさいが発生し、自社は債権を保有します。
②でんさい割引を依頼
でんさい割引申込書に記入・捺印し、割引を希望するでんさいの開示情報を添え、取引銀行の融資窓口に申し込みます。
③審査
取引銀行は、申し込みを行った自社・支払先などに対する審査を行います。審査後、割引が可能と判断されれば、割引するでんさいの譲渡記録を行う。
④割引実行
譲渡記録が完了したら、割引を実行し、自社の口座に資金が振り込まれます。
⑤支払完了
支払期日になると、取引先の取引銀行を通じて、割引した銀行に資金が送金されます。
でんさい割引と手形割引の違い
でんさい割引 | 手形割引 | |
---|---|---|
割引金額 | 電子債権の内、必要な分のみ分割し、譲渡金額から割引料を引いた希望手取金額を計算、割引(現金化)できる。 | 額面金額の全額を割引しなればならない。(振出企業に割引分を分割して振出してもらうことも可能) |
現金化までの時間 | 最短30分(当日申込、当日現金化可)。事前に審査・見積をしておけば、 でんさい譲渡発生後10分程度で 入金確認可 | 手形を持込む場合は、 1~2時間程度。 遠方の場合は郵送で1-3日程度 |
割引レート | 3.0%~7.0% | 3.0%~7.0% |
裏書 | 手形を裏書譲渡した裏書人が 遡及義務を負うのと同様、 でんさいを譲渡する場合、 保証記録も併せて記録される | 必ず必要となる。手形不渡り時の買戻し遡求義務発生。 |
必要書類 | 商取引を証明する資料 代表者の本人確認書類 商業登記簿謄本 | 商取引を証明する資料 代表者の本人確認書類 商業登記簿謄本 |
手数料 | 取立料0円 | 取立料630円 場合により郵送料 |
利用時間 | 月曜から金曜日の9:00~15:00 銀行のネットバンキングが 稼働している時間 | 月曜から土曜日 現金配達可の場合は、 銀行営業時間外でも対応 |
紛失 | でんさいネット上で管理されて いるため、紛失のトラブルは 発生しない。 | 手形用紙を金庫内に保管する 必要がある。盗難や紛失に対し 判子など別管理が必要 |
まとめ
最近注目を集めている「でんさい」ですが、まだまだ認知度はそれほど高くありません。日本のビジネス場面では「手形」「売掛」がまだまだ主流となっており、「でんさい割引」もまだまだ「手形割引」ほどの利用頻度もありません。
ただし「でんさい」の有効性は、多くの専門家が語っています。今後普及することも予想されます。それにあわせて様々なサービスの展開が期待できます。
事業経営者としては、このようなチャンスを逃してはいけません。常に情報のアンテナを張り巡らせて有効な資金調達手段を考えていきましょう。
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