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社会福祉協議会の貸付制度は使いにくい?上手に借りるには

 2020/01/22 お金に関する豆知識   48 Views

 

一時的にまとまったお金が必要なのに収入が少なく、民間の業者からは借りられないといったときにサポートしてくれるのが、社会福祉協議会が提供している生活福祉資金貸付制度です。

ただし、実際に申請をした人からは「審査が厳しすぎる」という意見もあり、申し込みには注意が必要です。

 

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社会福祉協議会の貸付制度とは

生活福祉資金貸付制度のこと

社会福祉協議会は、各自治体に1つずつ設置されている非営利団体です。役所とのつながりが深く、同じ敷地内に建物があるケースが多いです。東京23区や政令指定都市の各区に1つ、それ以外の市町村には1つずつ設置することになっており、全国に必ず相談窓口があります。

この社会福祉協議会が提供している貸付制度が生活福祉資金貸付制度です。取り扱っているのは厚生労働省で、「民間からお金を借りることができない世帯へ国からお金を貸す」という制度になっています。支給ではなく貸付なので、必ず返済しなければなりません。

生活保護は返済義務のない給付ですが、この制度には返済義務があります。

対象となっているのは、消費者金融や銀行などの民間の組織からお金を借りることのできない世帯です。貸付対象となる条件は以下のようになっています。

生活福祉資金貸付制度の対象世帯

低所得世帯 ・必要な資金を民間から借りられない世帯
・主に市町村民税が非課税の世帯
障害者世帯 障害者手帳(身体・精神)、養育手帳の交付を受けた人が暮らす世帯
高齢者世帯 65歳以上の高齢者が暮らす世帯

住民税非課税世帯というのは、世帯全員が非課税である場合を指します。独身の会社員であるなら、所得合計が35万円以下なら住民税が非課税となります。

給与所得控除額は年収によって変動しますが、最低65万円控除可能です。給与所得から控除65万円を差し引いた所得が35万円ですので、逆算すると年収100万円以下なら非課税となります。

会社員の夫、専業主婦の妻、子供2人では合計所得金額が161万円以下で住民税は非課税となります。所得控除を足して逆算すると、年収の目安は255万円以下なら住民税は非課税です。

主に4つのタイプがある

社会福祉協議会の貸付制度は、大きく

  1. 「総合支援資金」
  2. 「福祉資金」
  3. 「教育支援資金」
  4. 「不動産担保型生活資金」

の4つに分けられます。

さらに細かくは9つに分けられます。

総合支援資金

金利 限度額 資金使途
生活支援費 連帯保証人あり:0%
連帯保証人なし:1.5%
単身:月15万円まで
2人以上:月20万円まで
生活の建て直し
住宅入居費 40万円まで 敷金・礼金など
一時生活再建費 60万円まで 生活支援費よりも大きな出費

どれも借りた後に返済を待ってくれる「据置期間」が設定されており、最長6ヶ月となっています。借りてから6ヶ月後に返済が開始されるので、そこから返済が可能かどうかを審査で判断されます。一時生活再建費の「大きな出費」は滞納している公共料金の支払いや債務整理に必要な費用などです。

福祉資金

金利 限度額 資金使途
福祉費 連帯保証人あり:0%
連帯保証人なし:1.5%
580万円まで 生活費や福祉関連
緊急小口資金 0%(連帯保証人不要) 10万円まで 生活にかかわる緊急の出費

総合支援資金と福祉資金とは区別がつきにくいところがあります。申込者がどちらに適しているのかは、役所側の判断によります。据置期間は福祉費が最長6ヶ月、緊急小口資金が最長2ヶ月となっています。

教育支援資金

金利 限度額 資金使途
教育支援費 0%(保証人不要) 高校:月3万5000円まで
高専:月6万円まで
短大:月6万円まで
大学:月6万5000円まで
義務教育外の教育費
就学支度費 50万円まで 義務教育外の学校の入学に必要な費用

据置期間は卒業後の6ヶ月です。

不動産担保型生活資金

金利 限度額 資金使途
不動産担保型生活資金 ・3%
・長期プライムレート
上記のいずれか低い利率
・土地評価額の70%
・月30万円まで
高齢者世帯の生活資金
要保護世帯向け不動産担保型生活資金 ・土地評価額の70%
・生活扶助額の1.5倍
要保護の不動産担保型を持つ高齢者の生活資金

据置期間は契約後最長3ヶ月となっています。利用できる世帯は非常に限られます。

融資までどのくらいかかる?

社会福祉協議会の生活資金貸付制度は、自治体によって違いはありますが、申し込みから借入までには原則的に3週間から1ヶ月ほどの時間がかかります。どうしても急ぎでお金を借りたいという人に対しては緊急小口資金で融資されますが、これも融資までには1週間程度を要します。

どれほど緊急性が高くても、その場で現金を手にできることはありません。

何よりも大切なのは、「いつ、どういったお金が必要か分かっている場合」にのみ「あらかじて手続きをして借りる」ことが求められているという点です。たとえば、子供が高校に入学するためにお金が必要であるとか、債務整理をしたいが費用が足りないので調達したいなどといった場合です。

漠然と「生活費が足りないから借りる」という消費者金融のような気軽さで借りることはできません。数ヶ月程度前からすでに必要額が分かっており、さらに自分の世帯収入ではまかなうことができないと判断してから申し込みをしましょう。

この制度の申し込みに行ったときに、良くある事例として「生活保護を勧められる」というのがあります。融資ではなく、給付が向いていると判断されるケースです。そのほうが融資までの時間が多少ですが短く済みます。生活保護は申請が通るまでに2週間程度で、生活資金貸付よりも早い段階で支給されます。

貸付ではなく給付であるため、返済の義務はありません。

どこで申請する?

生活福祉資金貸付制度を利用する場合には、居住地にある市区町村の窓口に行く必要があります。インターネットでの手続きには対応していません。必ず窓口に申請者本人が出向く必要があります。本人が病気で療養中という場合には家族などの代理人が行ってもいいでしょう。

取り扱っているのは「千葉市社会福祉協議会」や「足立区社会福祉協議会」など、自治体に「社会福祉協議会」を付けた名称です。政令指定都市なら区の名前に「社会福祉協議会」を付けて検索し、それ以外では市区町村の名前に「社会福祉協議会」を付けて検索してみましょう。

「生活福祉資金貸付制度」に市区町村名を付けて検索にかければ出向くべき窓口は分かるでしょう。おおよそ、地元の役所か高齢者総合サポートセンター、保健福祉センターなどに併設されています。近年では、ワンストップで福祉につなげるための「ふれあいセンター」という名称を使っていることもあります。

社会福祉協議会の貸付制度に申請するには

おおよその手順

1.総合支援資金

新たに賃貸などへ入居するのではなく、現在住んでいる場所にとどまって支援を受ける場合の総合支援資金のケースでは、以下のような手順で申し込みします。自治体ごとに多少の違いはありますが、基本はどこも同じです。

  • 社会福祉協議会に相談する。
  • ハローワークで雇用保険(失業保険)などの状況を確認する。
  • 必要書類を準備する。
  • 必要な場合には保証人を用意する。
  • 自立計画を作成する。
  • 必要書類や申込書を社会福祉協議会に提出する。
  • 審査を受ける。
  • 審査結果の通知を受ける(通常は郵送)。
  • 借用書に署名して社会福祉協議会に提出する。
  • 貸付が実行される。
  • 借入したお金の使い道を証明する書類を社会福祉協議会に提出する。

ここまでに最低で1ヶ月程度を要します。

2.福祉資金・教育支援資金

福祉資金や教育支援資金の申請では、総合支援資金と異なった手順がはさまります。重要なのは、民生委員の自宅訪問があるという点です。訪問によって家庭の状況を民生委員が確認します。

  • 社会福祉協議会に相談する。
  • 必要書類を準備する。
  • 必要な場合には保証人を用意する。
  • 民生委員が自宅を訪問する。
  • 必要書類や申込書を社会福祉協議会に提出する。
  • 審査を受ける。
  • 審査結果の通知を受ける(通常は郵送)。
  • 借用書に署名して社会福祉協議会に提出する。
  • 借入したお金の使い道を証明する書類を社会福祉協議会に提出する。

融資されるまでの時間は、民生委員の自宅訪問のタイミングによって左右されます。民生委員の自宅訪問から融資までには最低でも1ヶ月程度を要します。

具体的に何から?

貸付制度には様々なものがありますが、どれもまずは社会福祉協議会に相談するところから始まります。窓口はすべての市区町村に設置されています。窓口で福祉貸付を希望していることや、現在の状況を説明することになります。

このときに持参すると良いのは以下のような書類です。

  • 本人確認書類(運転免許証、保険証など)
  • 生活の困窮が分かるもの(解雇通知書、家賃の契約書、給与明細書など)
  • 借入が必要な理由が分かるもの(未払いの授業料の督促状、公共料金の催促状など)

必要とされる書類は自治体によって異なります。そのため、窓口に行く前に電話して問い合わせると良いでしょう。社会福祉協議会は自治体によっては職員数が足りていないこともあり、予約を取る形になることもあります。

社会福祉協議会での初回の相談は非常に重要です。ここで担当者にしっかりと生活の困窮を訴えないと、貸付には至りません。そのため、準備をしっかりとして、時間の余裕を持ってでかけましょう。初回相談には最低でも1時間程度を要します。

世帯の状況、生活環境、就労状況などを細かく尋ねられます。「何にどう困っているのか」が分からないと職員も相談に乗れません。何を伝えたいのかはっきりとさせてから行きましょう。家族で話し合っておくことも重要でしょう。

連帯保証人には誰がなる?

福祉貸付は、困窮している世帯に対して貸付するものですが、実際に契約するのは家計の主な収入を担っている個人です。多くの場合で世帯主である本人となりますが、その世帯で最も収入が多い人を「借受人」として契約することになっています。

この際、「連帯借受人」と「連帯保証人」の設定が必要な場合があります。連帯借受人は、借受人と同世帯内で借受人と同等の返済義務を負う人です。連帯保証人は、福祉貸付を受ける世帯とは別の世帯の人がなるもので、こちらも借受人と同等の返済義務を負います。

総合支援資金と連帯借受人および連帯保証人の要不要

資金の種類 連帯借受人 連帯保証人 利子
総合支援資金 不要 原則不要 1.5%

利子は連帯保証人がない場合に設定されます。連帯保証人を立てることができるときには、無利子となります。

福祉資金と連帯借受人および連帯保証人の要不要

資金の種類 連帯借受人 連帯保証人 利子
福祉費 ・就職のために必要な経費
・技能習得に必要な経費
必要 原則不要 なし
上記以外の経費 状況による 原則不要 1.5%
緊急小口資金 不要 不要 なし

ここでも、連帯保証人になる人がいるときには、利子は必要ないと考えていいでしょう。緊急小口資金は連帯保証人も不要でかつ無利子で借りることができます。災害による家屋の破損に対応する費用としても使うため、なるべく早めの融資が必要とされるからです。

  • 連帯借受人の条件:借受人と同世帯に居住していて、収入があり返済能力がある人
  • 連帯保証人の条件:借受人と別世帯に居住していて、低所得世帯以上の収入があり、なおかつ65歳以下で福祉貸付の利用がない人

連帯保証人の引受先としては、たとえば借受人の親戚で現在働いている人が任命されることが多くあります。連帯保証人への調査・審査は行われません。あくまで自己申告です。

必要な書類は?

必要書類は貸付の種類や自治体にによって異なりますが、おおよそ共通しています。

東京都の実例で見てみましょう。

すべての貸付で必要 ・申込書
・住民票(世帯全員分)
・収入証明書(世帯内で収入のある人全員分)
・償還計画書(返済計画書)
連帯借受人をつけるとき 連帯借受人の収入証明書
連帯保証人をつけるとき ・連帯保証人の住民票(世帯全員分)
・連帯保証人の収入証明書
総合支援資金への申込 ・本人確認書類
・ハローワークに相談したことが分かる書類
・失業または減収する前の収入と支出が分かる書類
・勤務先、前勤務先の社名、住所、電話番号が分かる書類
・退職した場合には2年以内であることが分かる書類
・自立計画書
・請求書や督促状など資金が必要なことが分かる書類
福祉資金への申込 ・物品購入費用:見積書
・出産費用:母子手帳、入院費用の見積書
・運転免許証の取得費用:必要性が分かる書類
教育支援金 ・学費や納入期限が分かる書類
・合格通知書または在学証明書
・制服の購入:制服のカタログ

自宅訪問がある?

福祉資金と教育支援資金の貸付を受けるにあたっては、民生委員の自宅訪問を受けなくてはなりません。民生委員とは、ボランティアで地域の人たちを支援する地方公務員のことで、社会福祉に関わる最も身近な人です。地域に居住していて、地域の住民の生活状況を把握している人が任命されます。

福祉資金・教育支援資金に申し込むと、民生委員が自宅にやってきて生活の状況を確認します。また、生活について様々な質問を民生委員はしますので、それに的確に答える必要があります。主に、困っている現状を分かってもらうことが必要で、貸付が必要な理由を直接話しましょう。

訪問のうえで民生委員が「実際は生活に余裕があるのではないか」と疑ったら貸付の対象から外されることがあります。「家のなかに高級品やお金の備蓄がある」「高級車に乗っている」などが発覚した際には貸付は行われません。

一部の地域では民生委員がいないために、自宅訪問を省略することもあります。ただ、近年では民生委員の不足状態が慢性化していることが問題視されており、現在は常駐していなくても将来的には誰かが担当になる可能性があります。

審査に通る人はどんな人?

①審査に通りやすいケース

福祉貸付は、基本的に申し込みをして書類を提出して結果を待つという種類のものです。こちらからやれることは、困っている状態をきちっと分かってもらうということですが、同じ状況でも審査が通りやすいときと通しにくいときがあります。この違いは、社会福祉協議会に対して協力的かどうかで分かれます。

元職員だったという人へのインタビューでも、「非協力的な人には貸付できない」とされており、なるべく言われた通りのことを実行しましょう。

なかでも以下のようなケースで審査が通りやすいと言われています。

  • 明細やレシート、家計簿などを積極的に提出して家計の実態がつかみやすい世帯
  • 借金が少ないか、もしくは無借金の世帯
  • 税金の滞納がない
  • 償還計画書通りに返済していく意欲があり、見込みが充分と考えられる人
  • 緊急度、困窮度が高いと判断される世帯
  • 連帯保証人を付けることができる世帯

償還計画書は、「今後どのような計画で返済していくか」を記載したものです。これは家計の収支に基づいて総合的に判断されるもので、審査では重要なポイントになっています。返済計画書の作成に協力し、「これなら返済できます」と言えるときに審査は通りやすくなります。

また、連帯保証人を付けることができるというのは、それだけ社会的な信用があることを意味しますので、その分審査では有利です。

審査で不利なケース

審査で不利なのは、有利な場合と逆のケースです。

  • 明細やレシート、家計簿などの提出がなく、生活の実態がつかめない世帯
  • 自力での返済が困難なほどの借金がある
  • 借金歴が多い
  • 借入に妥当性が薄いと考えられる
  • 民間の金融機関から問題なく借入できる
  • これまでに福祉貸付を利用したことがあり、返済を滞納している
  • ナイショでぜい沢をしている
  • 家族や親戚に、生計を支えられるほどの充分な収入がある

良くあるケースが、車両税を滞納していながら高級車を維持しているといった場合です。支払い能力があるのに支払いを拒否しているという悪質な滞納者に貸付は行われません。

また、家族や親戚に頼れるかどうかですが、通常ならこういった人に充分な収入があれば貸付対象から外します。とはいえ、「両親は健在ですが、疎遠で連絡も取っていません」などと言うと、担当者はそれ以上を追求しません。法律上も、「実家に面倒を見てもらう」「お金のある親戚から借りる」といった方向で処理してはいけないことになっています。

借りた後に必要なこと

福祉資金・教育支援資金を借入したときには、お金の使い道が分かる書類を提出しなければなりません。たとえば子供の入学の準備のために借りた場合には、制服の領収書や入学金の振込が記帳された通帳などが必要です。

社会福祉協議会を通じて借りたお金は税金ですので、それを返済することにも担当者が関わります。完済するまでは、定期的に相談員と面談する必要があります。その際にはレシートや領収書などを提出して、どのようなことに資金を使ったのか分かるようにしなければなりません。

また、面談では以下のようなことを確認されます。

  • 生活実態の確認
  • 家計簿の提出
  • 求職活動の状況
  • 返済状況の確認

きちんと返済を行いながら、安定した生活が送れているかを確認するために、定期的な面談が必要とされています。毎月1回、15分から30分程度です。状況や市町村によっても異なります。

まとめ

社会福祉協議会の貸付は金利がかからないか、かかっても非常に低金利になっています。ただ、申し込みから融資まで審査する内容もたくさんあり、使い勝手は悪いと言っていいでしょう。他に借りる手段がないときに利用するという位置付けです。

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若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。

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