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生命保険で受け取ったお金にかかる税金はいくら?ケース別に解説

 2020/04/06 お金に関する豆知識   2,037 Views
生命保険から保険金を受け取るときに気になるのが税金です。「いざというとき」のために保険に入っているのに、その保険金から税金が差し引かれて手元に残るお金が予想外に少ないというケースもあります。

万が一のときに実際にどの程度の金額を手にできるのかという点はしっかり抑えておきたいところです。

生命保険で受け取ったお金に課税されるケース

死亡保険金

1.契約者と被保険者が同じとき

死亡保険金は、被保険者が亡くなったときに、保険会社から受取人に支払われる保険金です。

契約者と被保険者が同じとき、たとえば一家の主人が自分の死亡保険金を契約し、保険料も自分で納めているときには、死亡保険金は亡くなった一家の主人が積み立てた保険料をもとにしたお金なので、「相続財産」として扱われます。

そのため、相続税の課税対象となります。もし被保険者の相続人である妻や子供が保険金を受け取るときには、死亡保険金は遺された家族の生活保障という重要な目的を持った財産になるので、一定の金額までは非課税になる税法上の特典があります。

2.契約者と受取人が同じとき

契約者と受取人が同じというのは、たとえば妻が夫を対象にする死亡保険の保険料を負担して保険金が受け取るというケースがそれにあたります。夫に掛ける死亡保険金の保険料を妻が支払っているので、夫が死亡したときには妻が積み立てた保険料をもとにした保険金を自分で受け取ることになります。

このケースでは自分で支払った保険料による保険金を自分で受け取るので、「妻の所得」として扱われて、所得税の課税対象となります。

このケースでは「一時所得」として扱われます。一時所得は、営利を目的とする継続的な行為から生じた所得以外のものを指します。保険金の他には、たとえば懸賞金や競馬などの払戻金などが一時所得です。

3.契約者・被保険者・受取人がすべて違うとき

契約者と被保険者と受取人がすべて違うときというのは、事情だけ考えると複雑なようですが、たとえば一家の主人の死亡保険を妻が契約して保険料を支払っており、保険金の受取人を子供にしているときがそれに当たります。

受取人は、自分以外であり生きている人が積み立てた保険料をもとにした死亡保険金を受け取るので、「贈与によって取得した財産」とみなされます。そのため、このケースでは贈与税の課税対象となります。

満期保険金・解約返戻金

満期保険金というのは、生存保険や養老保険など「満期を迎えたときに受け取れる保険金」のことで、解約返戻金は終身保険などを途中解約したときに受け取れる保険金です。

契約者と受取人が同じとき

満期保険金・解約返戻金でポイントになるのは、契約者と受取人です。保険料を負担している人が誰で、保険金を受け取る人が誰なのかによって税金の種類が変わってきます。保険の対象者、つまり被保険者が誰であるのかは関係ありません。

契約者と受取人が同じというのは最も良くあるケースでしょう。一家の主人が生命保険の保険料を負担して、自分で満期保険金や解約返戻金を受け取るケースです。

このときには、死亡保険金と同様に本人が自分で積み立てた保険料をもとにした満期保険金・解約返戻金を受け取るので、「一時所得」とみなされて、所得税の課税対象となります。

契約者と受取人が違うとき

契約者と受取人が違うというのは、たとえば保険の契約者かつ保険料の支払い者が一家の主人で、その妻や子供が満期保険金・解約返戻金の受取人であるというケースです。

受取人は、自分以外の生存している人が積み立てた保険料をもとにした満期保険金・解約返戻金を受け取ることになるので、「贈与によって取得した財産」という扱いとなり、贈与税の課税対象となります。

ただし、保険期間が5年以内のものや、5年以上の保険でも5年以内に解約したときには「金融類似商品」とみなされて、このときの満期保険金・解約返戻金には一律で20.315%の源泉分離課税が適用されます。

年金保険金

年金保険金とは、個人年金保険などで60歳や65歳など一定の年齢に達したときに10年や15年など一定期間もしくは生涯にわたって毎年継続的に受け取ることのできる保険金です。

契約者と受取人が同じとき

年金保険金への課税を考えるうえでも、契約者と受取人の関係がポイントになります。つまり、誰が保険料を負担して誰が保険金を受け取るのかに応じて、課税の種類に違いが出てきます。最も多いケースは契約者と受取人が同じというものです。

たとえば一家の主人が自分で個人年金保険の保険料を負担して、自分で年金保険金を受け取る場合です。これも、死亡保険金や満期保険金などと同じで、自分で積み立てた保険料をもとにした年金保険金を自分で受け取ることになるので、所得税の課税対象となります。

ただし、年金は継続に受け取るものであって一時所得ではないため、他のどの所得にも分類できない「雑所得」として扱われます。

契約者と受取人が違うとき

多少複雑になるのが、契約者と受取人が違っているときの年金保険金です。たとえば一家の主人が契約者となった個人年金保険の年金保険金を妻や子供などが受け取るケースです。死亡保険金や満期保険金などと似ていますが、若干異なる部分もあります。

自分以外の人が積み立てた保険料をもとにした保険金であるため、受取人にとって「贈与によって取得した財産」であることには変わりません。ただし、年金として保険金の受取を開始する初年度だけが贈与で、正確に言うと「年金受給権」に対して贈与税がかかることになっています。

2年目以降は受取人自身の年金とみなして「雑所得」として扱われます。

一見しただけだと、贈与税も所得税も課税されるように思えますが、現在は二重課税を回避するように税法が改正されています。

収入保障保険の死亡保険金

収入保障保険には死亡保険金を年金形式で受け取れる契約になているものがあります。このときには死亡保険金と年金保険金を組み合わせた形で課税されます。

契約者と被保険者が同じとき

契約者と被保険者が同じとき、たとえば一家の主人が契約者であり被保険者であって、受取人が妻や子供などが受取人であるとき、死亡保険金は「相続財産」という扱いになります。

ただ、年金保険金であるため、初年度の保険金受取では相続税の課税対象となりますが、課税の対象になるのは年金受給権なので2年目以降は年金とみなして「雑所得」として扱われます

2年目以降は毎年受け取るたびに所得税(雑所得)の課税対象となります。相続人が受け取るときに非課税枠を適用できるのは、死亡保険金を一括で受け取るケースと同じです。

契約者と受取人が同じとき

契約者と受取人が同じ、たとえば一家の主人を被保険者とする収入保障保険の保険料を妻が支払っているケースでは、「年金受給権」は他の人に移らないので、死亡保険金はこのとき年金と同様の「雑所得」とみなして所得税の課税対象となります。

契約者・被保険者・受取人がすべて違うとき

契約者と被保険者と受取人がすべて違うというのは、たとえば保険の対象が一家の主人で、妻が保険料を納めており、さらに受取人が子供であるような場合です。このとき、初年度の保険金受取では「贈与財産」とみなして「年金受給権」に対する贈与税の課税対象となります。2年目以降は雑所得として所得税の課税対象となります。

税制による計算ルールの違いを解説

相続税

相続税は相続によって財産を取得したときにかかる税金です。死亡保険金は相続税の対象となるときには亡くなった人の財産とされるので、「みなし相続財産」と呼ばれています。

基本的に、死亡保険金の受取人が配偶者や子供、父母、兄弟などの相続人であった場合には保険金は遺された家族の生活を保障する大切な財産となるので、一定額までは課税対象とはなりません。

1.非課税限度額

相続財産は遺された家族の生活を保障する資産となるものですので、非課税枠を大きく取ってあります。

・非課税限度額=500万円×法定相続人の人数

たとえば、一家の主人が亡くなったときに、相続人が妻と2人の子供の計3人いるというケースでは、死亡保険金に対する非課税限度額は500万円×3人=1500万円となります。もし、主人の死亡保険金が3000万円とすると、非課税限度額を差し引いた1500万円をみなし相続財産として課税対象とります。

ここで言う死亡保険金とは「ある個人が契約していた保険の死亡保険金の合計」であって、複数の保険から死亡保険金を受け取った場合には、そのすべてを合計する必要があります。保険ごとに非課税限度額が設定されているわけではないので、注意しましょう。

相続人以外の人が死亡保険金を受け取るときには、この非課税枠は認められません。

2.基礎控除額

一家の主人の死亡保険金が3000万円で、非課税枠を適用しても1500万円が相続税の課税対象となりますが、相続はそれまでに故人が築いた資産を家族に引き継ぐという側面があるので、相続税には死亡保険金以外のすべての相続財産に関する基礎控除額が設定されています。

・基礎控除額=3000万円+600万円×法定相続人の人数

一家の主人が亡くなったときに、相続人が妻と2人の子供の計3人いるというケースで、死亡保険金が3000万円あったとき、みなし相続財産として1500万円が課税対象にはなります。もしその他の相続財産が3500万円あったとき、相続される財産は合計で5000万円となります。

基礎控除額=3000万円+600万円×3人=4800万円です。課税される遺産の総額は5000万円-4800万円=200万円となります。

さらに相続税では、配偶者には大きな課税優遇措置があります。配偶者が実際に受け取る相続財産が1億6000万円を超えるまでは相続税はかかりません。優遇措置は世代が代わる子や孫には適用されません。亡くなった人と生活を共にしてきた配偶者ならではの特権と言えるでしょう。

所得税

所得税とは、1月1日から12月31日までの1年間のすべての所得から所得控除を差し引いた残りの課税所得額に対して、それに応じた税率を適用して税額を計算するものです。所得は10種類に分類されていますが、そのうち保険金の課税に関連するのは一時所得と雑所得です。

1.一時所得

一時所得の計算は多少複雑ですが、結論はいたって簡単です。

・一時所得の金額=総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額50万円

これによって計算された一時所得すべてが課税対象となるわけではありません。

・課税対象金額=(総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額50万円)÷2

これを保険金の課税対象として計算するとき、以下のようになります。

保険金の課税対象金額=(受け取った保険金-実際に払った保険料-50万円)÷2

ここから、少なくとも以下の3つのケースでは保険金に対して所得税はかかりません。

  • 受け取った保険金自体が50万円以下
  • 受け取った保険金よりも支払った保険料のほうが多かった
  • 受け取った保険金が支払った保険料より多くても、その差額が50万円以内

さらに、所得税にはすべての人が対象となる基礎控除38万円があるので、この他の所得がなければ保険金の課税対象金額が38万円以下のケースでは非課税となります。

2.雑所得

雑所得とは「他のどの所得にも分類できない所得」全般を指します。公的年金や作家以外の人が受ける原稿料などが雑所得です。

・雑所得の金額=1年間の総収入金額-必要経費

これを保険金で考えると、総収入は1年間に受け取った年金、必要経費は支払った保険料となります。ここで問題となるのが、「所得税は1年ごとの計算で受け取った年金は年間の受給額であるものの、その年の必要経費としての支払保険料はどうやって算出するのか」という点です。

必要経費としての1年間の支払い保険料は以下の式で計算されます。

1年間の支払保険料=年金金額×(実際に支払った保険料の総額÷年金の総支給見込額)

雑所得の計算には他に基礎控除もあり、税負担は少なく済みます。計算は個別の事例で異なりますが、たとえば年金金額が年間60万円で支給期間が10年であるときには、雑所得としての金額は10万円にしかなりません。

1回の保険金額が少ない年金形式で受け取るケースでの課税は大きな負担にはならないでしょう。ただし、所得税がかかることは、「所得がある」ことを意味しますので、翌年には住民税が課せられることに注意しましょう。

贈与税

贈与税は生存している個人から財産をもらったときに掛けられる税金です。亡くなった人以外であり自分以外が保険料を負担しているときには保険金は贈与財産とみなされて贈与税の対象となります。

・課税対象金額=受け取った保険金-基礎控除額110万円

贈与にあたるケースでは、保険金の受取人は保険料を負担していないので、所得税のように支払保険料のマイナス分はありません。とはいえ、贈与税にも基礎控除額があるので、同じ年に他に贈与を受けていないケースでは保険金が110万円以内であれば非課税扱いとなります。

なお、贈与税には「特例贈与財産」と「一般贈与財産」で異なった税率を適用するため、注意しましょう。

年金受給権に対する課税

契約者以外の人が年金形式で保険金を受け取るケースでは、受取開始のときに「年金受給権」に対して課税されることになっています。

この年金受給権の評価額は以下のうち最も多い金額とされています。

  • 解約返戻金の金額
  • 年金に代えて一時金の給付を受けられる場合には一時金の金額
  • 予定利率などをもとに算出した金額

具体的な課税対象金額は年金のタイプや支給期間によっても変わってきますが、おおよそ受け取っている年金総額の8割から9割程度と考えておけばいいでしょう。

課税対象にならない保険金

保険金のすべてに税金がかかるわけではありません。課税の対象とならない保険金・給付金には以下のようなものがあります。

  • 病気や怪我をした死亡を伴わない生前給付金(入院給付金、手術給付金、通院給付金、がん診断給付金、特定疾病保険金、先進医療給付金、介護保険金など)
  • 高度障害になったときの高度障害保険金

ただし、受け取った保険金を治療費や介護費として使い切らない状態で相続が発生すると、残った金額が相続税の対象になるので注意が必要です。

死亡保険金に相続税がかかる事例

死亡保険金5000万円の事例

妻と20歳以上の子供が2人いる一家の主人である男性が、自分に5000万円の死亡保険金をかけていたとします。本人は契約者であり、保険料の負担者でもあります。この男性が死亡して保険金受取人である妻が5000万円を受け取りました。

保険金の他に相続する財産が1億7000万円あって、その財産は妻が1億3000万円、2人の子供がそれぞれ2000万円ずつ受け取りました。この男性には借入金の債務が300万円残っていて、葬式代200万円と計500万円を保険金から支払ったとします。

保険料の負担者である被保険者が亡くなっているので、その死亡保険金は相続税の課税対象です。受け取った死亡保険金5000万円は「みなし相続財産」として、遺産の総額に含まれます。ただし、この場合には「死亡保険金の非課税」という税制上の優遇措置があります。

死亡保険金は遺された家族の生活保障という大切な目的があるので、一定の死亡保険金が非課税となります。相続人が保険金を受け取る場合には、「500万円×法定相続人の人数」が非課税扱いです。

  • 500万円×3人(妻・子供2人)=1500万円
  • 5000万円-1500万円=3500万円(相続税の課税価格に算入する金額)

相続税額の計算

妻は財産の1億3000万円と、みなし相続財産である死亡保険金の5000万円を相続しますが、非課税金額は1500万円あり、また、債務の支払い300万円と葬式費用の200万円の支払いをしたため、課税価格は1億6000万円になります。子供2人はそれぞれ2000万円ずつ相続しますが、非課税枠はありません。

故人が未払いになっていた債務の支払いのことを「債務控除」といい、被相続人が返済すべき債務として遺産の総額から差し引きます。借入金の元利や地代家賃の滞納分、住宅ローンの残額などが該当しますし、納税義務が確定している住民税の未納分も債務として控除します。

課税価格は以下の通りになります。

  • 妻:(1億3000万円+5000万円)-1500万円(非課税枠)-300万円(債務控除)-200万円(葬式費用)=1億6000万円
  • 子供:2000万円×2=4000万円

課税価格は2億円となります。そこから基礎控除を差し引くと以下のようになります。

2億円-(3000万円+600万円×法定相続人3人)=1億5200万円

納付すべき相続税額の計算

各相続者の算出税額

法定相続分に応じた仮の取得金額は妻7600万円、子供はそれぞれ3800万円ですが、税額速算表により再計算すると、妻1580万円、子供560万円が2人となり、相続税の総額は2700万円と算出されます。さらに相続税の総額を実際に相続した割合で按分すると、妻が2160万円、子供がそれぞれ270万円となります。

配偶者の税額軽減

配偶者には税額を軽減する制度があります。このケースの場合には配偶者が税務署に納税する額は配偶者は0円となります。

子供の納付税額

子供はそれぞれ270万円ずつ相続税を納めることになります。なお、子供が20歳未満のときには未成年者控除が受けられますし、障害者控除や贈与税額控除などが受けられる可能性もあります。

まとめ

生命保険で税金が課せられるケースとして覚えておきたいのは、「契約者・被保険者・受取人」がすべて違うときに「贈与税」が課せられるという点です。その他は相続税と所得税ですが、相続税の場合には様々な控除が認められます。

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若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。

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