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奨学金の金利はどれくらい?借りる前に確認すべき基本事項

お金に関する豆知識   3,075 Views
奨学金の金利は自分が選択した算定方法と、その年に設定された利率によって変動します。奨学金の金利の決め方は、普通のローンと比べて特殊な仕組みであるため、分かりにくいと言われています。借りる前に良く検討し、また終了年度に金利を確認しておく必要があります。
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奨学金の金利の決め方

上限は年率3%と決められている

奨学金といっても、返済が不要な「給付型」もあれば、返済が必須となる「貸与型」の2種類があります。貸与型を利用したときには、借りたお金の「元金」だけでなく「利息」も含めて返済しなければなりません。

この利息を決めるのが「金利」です。金利は「利率」という言い方もされることが多いですが、実際には同じことを指しています。元金に対して掛けられる割合のことで、ここから支払うべき利息を計算するものです。

奨学金の金利(利率)がどのように決められているかは、日本学生支援機構の第二奨学金の利率を見れば分かりますが、これが非常に分かりにくいため、どの程度の額を返済したら良いのか推測することが困難になっています。

第二奨学金の利率は「利率固定方式」と「利率見直し方式」の2種類があり、各月ごとに利率が決められています。こういった計算式を観ても、実際の返済額についてピンとくる人は少ないでしょう。

覚えておきたいのは、どのような利率方式であろうと、返済の仕方をどのようにしようと、奨学金の利率は「年率3%」が上限となっているということです。また、在学中や返済期限猶予期間中は無利息となります。

100万円を年率3%で借りたとき、以下のように計算されます。

・100万円×3%(0.03)÷365日=82.1917…(1日当たりの利息)

・82.1917….×30日=約2465円(1ヶ月30日間の利息)

元金に対して支払う額に約2465円をプラスして支払うというのが奨学金の返済イメージです。実際にはもっと利息は低いのが現状です。

利率算定方法に2つある

日本学生支援機構が提供する奨学金の利率に関して覚えておきたいのは、利率の算定方法が「固定方式」と「見直し方式」の2つがあるという点です。奨学金を申し込むときに、いずれか一方を選択しなければなりません。

「利率固定方式」では、返済が終了するまで一定の利率が適用されます。「利率見直し方式」では、おおよそ5年ごとに利率が見直されます。日本学生支援機構の奨学金を利用している人の約8割が固定方式、2割が見直し方式を選択しているというデータがあります。

固定方式は、利率が返済終了まで変わらないため、卒業後に返済を始めてから管理しやすいというメリットがあります。2017年度に大学を卒業した人に適用される利率では、固定方式が「0.33%」、見直し方式が「0.01%」となっています。

この有利子奨学金の返済利率は、従来は最下限が「0.1%」とされていましたが、2016年10月から「0.01%」を下限金利とするよう法律が改正されています。2016年3月に貸与が終了した人に適用される利率が固定0.16%、見直し0.1%であったことからすると、利率の算定方式の選択は今まで以上に注意すべき項目となったと言えるでしょう。

利率が決まるのは卒業のとき

奨学金の利率は2016年1月から2017年11月の利率で見てみると、見直し方式ではすべて0.01%で、固定方式では0.14%から0.33%の幅があります。かといって「見直し方式のほうがお得」とは言い切れません。

一般的なローンでは、お金を借入した時点で返済するときの金利が決定します。融資の担当者からは「金利を年率で○○%で適用しますので、総返済額は○○円になります」と説明を受けるというのが通常のローンです。

ただ、奨学金ではそのような事前説明はありません。というのも、日本学生支援機構の有利子奨学金の返済利率が決定するのは「貸与終了時点」だからです。つまり、借りている時期である学生の間には、返済するときになっていくらの利率が適用されるのか分からないということです。

卒業する時点が「貸与終了時」ですので、このときに始めてどの程度の利率なのか分かるというのが、奨学金の利率のややこしい部分です。利率は景気の動向などから決定されますが、これを正確に予測できる人はいないでしょう。

奨学金はお金がなくても大学や専門学校に通学できるので確かにありがたい制度ですが、この点ではむしろ悩ましい存在とも言えます。ただ、奨学金の申込時に選択した利率の算定方法は、貸与終了年度に変更できることになっています。

大学卒業まで借りるなら、4年生の時点で変更することが可能です。

「利率の算定方式は、貸与終了年度内に一度だけ変更することができる」という記述が日本学生支援機構のホームページにあります。

おすすめなのは、「4年生の夏休み明け」に最新の利率をチェックしておくことです。ここである程度の予測を付けることができます。ここで固定方式と見直し方式のどちらかを選択するのか決めましょう。

確認しておきたい奨学金の利率の基本知識

日本学生支援機構の第二種奨学金で採用される金利

日本学生支援機構の第二種奨学金で採用される利率は、基本的に固定方式では卒業時の金利をそのまま返済終了まで継続し、見直し方式ではおおよそ5年ごとに見直しをした金利を適用します。

見直しで参考にされるのは市場金利で、これが上昇したら貸与終了時の利率より高いものを適用し、下降したら貸与終了時の利率よりも低い利率を適用します。つまり、5年ごとの利率の見直しは市場金利次第ということになります。

実際にどうなっているか

実際にどの程度の利率が適用されているかは、2017年度の日本学生支援機構の貸与利率が参考になります。

利率固定方式(2017年度)

4月 0.23%
5月 0.23%
6月 0.23%
7月 0.27%
8月 0.27%
9月 0.14%
10月 0.23%

利率見直し方式(2017年度)

4月 0.01%
5月 0.01%
6月 0.01%
7月 0.01%
8月 0.01%
9月 0.01%
10月 0.01%

たとえば、利率固定方式を選択して5月に貸与が終了した場合には、利率0.23%が適用され、返済終了までこの利率となります。利率見直し方式で同じように5月に貸与が終了した場合には、利率0.01%となりますが、およそ5年ごとに見直しが行われます。

実際の返済額はいくら?

利率ばかり挙げていてもリアルには感じにくいので、実際の返済額を計算してみましょう。毎月5万円の貸与型奨学金を4年間(48ヶ月)利用したとすると、貸与総額は240万円となります。この240万円を15年間かけて返済すると仮定します。

利率0.23%で計算すると以下のようになります。

  • 貸与金額:240万円
  • 貸与利率:0.23%
  • 返済期間:180回
  • 月賦返済額:1万3580円(最終月支払額:1万3666円)
  • 総返済額:244万4486円
実際に貸与された金額以外の部分、つまり利息として4万4486円を返済することになります。

同様に利率見直し方式で計算すると以下のようになります。

  • 貸与金額:240万円
  • 貸与利率:0.01%
  • 返済期間:180ヶ月
  • 月賦返済額:1万3343円(最終月支払額:1万3450円)
  • 総返済額:240万1847円
5年ごとに見直しがあるので、返済終了まで0.01%のままではありませんが、おおよその目安にはなるでしょう。

奨学金の返済総額はいくらになる?

貸与額と返済総額

専門学校に3年間通学することを事例として奨学金の返済額を計算してみましょう。たとえば毎月8万円借りると、3年間で288万円となります。これを16年かけて返還すると仮定すると、総額で約298万円となります。差額の10万円が利息です。

第二種奨学金を3年間借りて、年率0.4%が適用されるとき、以下のように計算できます。

貸与月額 貸与月数 貸与総額 返還総額 返済月額 回数 年数
3万円 36ヶ月 108万円 110万8360円 7696円 144回 12年
5万円 36ヶ月 180万円 185万960円 1万1864円 156回 13年
8万円 36ヶ月 288万円 297万9181円 1万5516円 192回 16年
10万円 36ヶ月 360万円 375万3449円 1万5639円 240回 20年
12万円 36ヶ月 432万円 450万4187円 1万8767円 240回 20年

日本学生支援機構は、利率固定方式と利率見直し方式でどのように利率を決めているか公表はしていませんが、以下の市場金利と連動していることが推測されています。

  • 利率固定方式:10年国債利回り
  • 利率見直し方式:5年国債利回り

利率見直し方式では、見直しの頻度が「おおむね5年」ですので、5年国債とほとんど同じように変動しています。ただ、日銀がマイナス金利を実施した2016年2月以降は、5年国債利回りはマイナスになりましたが、奨学金の見直し方式の利率は下限の0.01%にとどまっています。

固定方式と見直し方式のどちらが良いのか?

奨学金の申込のときに悩ましいのは、利率固定方式と利率見直し方式のどちらを選択したら良いのかという点です。どちらを選択したにせよ、貸与期間中であれば変更できるので、入学当初にとりあえず選択しておいて、後から考え直していけば良いでしょう。

貸与が終了する卒業が近づいたら、そのときの利率の水準や国債の金利の動向をチェックしておいて、固定方式と見直し方式のいずれかに決定しましょう。

現在の日本は超低金利時代です。そのため、利率見直し方式を選択しても、固定方式と大きな差がでることは考えにくい状況です。

たとえば、貸与総額が180万円としてとき、以下のようにシミュレーションすることができます。

  • 利率固定方式(0.4%)で返還した総額:185万円
  • 利率見直し方式で最初5年間0.01%、その後8年間は1%が適用された場合の総額:185万円
  • 利率見直し方式で最初5年間0.01%、その後8年間は2%が適用された場合の総額:189万円

見直し方式の利率が2%以上にまで上昇する可能性は非常に低いため、見直し方式を選択した場合には、高くても返済総額は189万円まででしょう。

毎月の返済額に換算すると、300円程度の違いしかありません。そのため、現在の市場では固定方式でも見直し方式でも、それほど返済額に違いが出ないと考えられます。

返済額を抑えるには?

基本的に、奨学金の金利は一般的なローンと比較すると「超」が付くほどの低金利です。それでも長期間にわたって返済するものであるには変わりませんし、あまり給料の高くない若い世代にいきなり降り掛かってくる借金であることも事実でしょう。なかには、奨学金の返済に困ってしまうケースも考えられます。

高額の借入になりがちで奨学金の返済総額を抑えるには以下のような方法があります。

一括返済

どの奨学金でも一括で返済できるシステムを整えています。日本学生支援機構が運営している第一種奨学金も第二種奨学金も、インターネットを通じて「スカラネット・パーソナル」から申込できます。

一括返済ではその後の奨学金の返済にかかる支出を抑えることができますが、一方で通常の生活をしているときよりも高額の出費になるので家計の収支に悪影響が及ぶリスクがあります。

繰り上げ返済

毎月の引落に加えて一部を返済することも可能です。一括返済と同様に、スカラネット・パーソナルから手続きすることが可能です。第二種奨学金で借りている人にとっては、元本と利息を合わせた額を返済できますので、総返済額を抑えることに効果を発揮します。

サラリーマンには年に2回のボーナスがありますので、そのたびに少しずつでも繰り上げ返済していれば、返済期間も短くでき、総返済額も抑えることができるので良いやり方と言えるでしょう。

減額返金制度

就職して社会に出た途端に奨学金の返済が始まります。社会人になったと同時に借金を背負ってスタートしなければなりません。人生には数多くの難関が待ち受けています。就職して安心という時代でもなく、いつ職を失うか分からないという状況です。

奨学金の返済で困ってしまうこともあるかもしれません。その際に活用できる救済措置があります。そのうちのひとつが減額返済制度です。毎月の返済額を減らして期限を延長できます。元々の返済期間を20年と設定しているところを、返済額を減らして20年以上にできます。

とはいっても元金や利息が減るわけではないため、一時的な措置として考えましょう。

減額返済制度の利用には申し出と審査の時点で延滞がなく、口座振替で返済していることなどいくつかの条件があります。返済できなくなって、延滞しそうなときには、とりあえず減額返済制度を利用したほうが良いでしょう。延滞してしまってからでは活用できません。

また、本人が死亡した場合には奨学金は免除となりますし、本人が精神や身体の障害によって働けなくなったときや、労働能力が極端に低くなったときにも、本人と連帯保証人が「奨学金返還免除願」や「診断書」を提出することによって免除の対象となります。

猶予制度

奨学金の返還には猶予制度もあります。災害や病気などによって返済が困難になったときに申し出る制度です。日本学生支援機構の審査に通れば、最大で10年の期限延長が可能です。

これも元金や利息が減るわけではないですし、条件が定めれているので利用にあたっては注意が必要です。猶予制度を利用できるのは主に以下のようなケースです。

病気による就労困難

病気によって働くことが困難になったときには、診断書を提出します。発行が2ヶ月以内の「就労困難の記載がある診断書」を提出することによって猶予制度を利用できます。受診している病院に発行を願い出ましょう。

生活保護

発行が2ヶ月以内の「生活保護受給証明書」または「民生委員の証明書」を提出することによって猶予制度を利用できます。生活保護を受給している人は厚生労働省に問い合わせて発行をしてもらいましょう。

失業

本人が失業していることを証明できる書類があれば、奨学金の返還の猶予をしてもらえます。その際には「雇用保険受給資格者証」「雇用保険被保険者資格取得届」などのコピーを提出します。証明書はハローワークに申請すれば入手可能です。

入手が困難であるときには、退職した勤務先に「退職証明書」や「健康保険厚生年金保険資格取得(喪失)証明書」のコピーをもらうように申請しましょう。

経済的困窮

給与所得者の場合には、年間の収入が300万円以下であるとき、給与所得者以外では年間の収入が200万円以下であるとき、返還を待ってもらえます。所得証明書と最新の源泉徴収票のコピー、住民税非課税証明書と直近連続3ヶ月分の給与明細書など、2種類の書類が必要です。

まとめ

奨学金の金利は一般的なローンに比較すると低金利ですが、それでも社会に出た途端に借金を背負うことには変わりません。金利の決め方も分かりにくいですが、しっかりと調べて調整するようにしましょう。

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若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。

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