1. 借入DX
  2. お金に関する豆知識
  3. 住民税が高いと思ったら?節税で住民税を安くする方法

住民税が高いと思ったら?節税で住民税を安くする方法

お金に関する豆知識   947 Views
住民税は毎年6月に、前年度の収入を元に計算された額が通知されます。サラリーマンにとっては、毎月給料から差し引きされるので意識しにくいですが、個人事業主の人のなかには「どうも高いようだ」と感じることもあるでしょう。税法の仕組みを知っておくと節税することも可能です。

住民税の基礎知識

住民税の課税時期

住民税の課税時期は、前年の1月1日から12月31日の1年間です。この365日間に発生した所得に対して課税されます。この所得から計算した住民税納付書が送られてくるのは5月から6月です。

サラリーマンの場合は、前年の収入に対する住民税を12回に分けて5月から1年間支払うことになっています。

そのため、たとえば昨年の所得が500万円で、今年は退職して事業所得や給与所得が0円だとしても、昨年の500万円に対する住民税の納付書が5月から6月に送られてくるため、気持ちとしては、「もう働いていないのに、どうしてこんなに高い住民税を支払わなくてはならないのか」と驚いてしまうことがあります。

こういったことは個人事業主で毎年確定申告している人なら分かっているはずですが、あまり意識していないこともあり、事業所得が減少したところに昨年の申告分から計算した納付書が5月に送付されて、驚くということもあります。

前年の365日に得られた所得に対する住民税が、その年の5月から支払い始めるという原則は覚えておきましょう。

1月1日の所在地で判断する

住民税は、課税する役所が変われば納付先も変わります。たとえば、11月に転居したとき、住民票の転出と転入の手続きも終わっています。このとき、元の住居が属する自治体ではなく、現在の住居から納付書が送付されてきます。

住民税は、その納付書が届く年の1月1日に居住している市区町村で課税が行われることになっています。両方の役所から課税されることはありません。

たとえば、神奈川県横浜市に年始から住んでいた人が、11月に東京都杉並区に転居したとき、住民票の手続きをおこたっていて、住民票がまだ横浜市にあるといったケースでも、課税権のあるのは杉並区のほうです。

たとえ住民票の移動がなくても、実態として住んでいる役所から課税するのが住民税の基本だからです。もし確定申告書も横浜市の住所で提出すると、横浜市ではその人が東京都杉並区に転居していることに気が付かず、課税してくると考えられがちですが、地方税制のうえではこれは誤りです。

住民税率と均等割

住民税に意識的なはサラリーマンは少ないですが、それでもかなりの税率で取られるものという感覚はあるでしょう。住民税の税率については、多少複雑な部分があり、なかなか理解は困難です。

ただ、基本的な部分はシンプルです。基本が分かっていれば、高い住民税に驚くこともなくなりますし、そこから節税という考えもできるようになります。

  • 住民税率は基本的に10%です。これは所得から扶養控除などの所得控除を差し引いた後の「課税所得金額」に対して10%が課税されるという意味です。この税金を「所得割」という名称で呼んでいて、地方税制では基本とされています。
  • 均等割という住民税もあります。これは都道府県民税と市区町村税を併せて、およそ5000円程度と考えましょう。
住民税の総額は、上記の「課税所得金額の10%」と均等割の税額を足したものです。

所得税率は「超過累進税率」という課税方式を採っているため、年収が高い人ほど税率も高くなります。年収が少ない人に対しては5%の課税となり、住民税率よりも低くなります。分かりにくいと思われがちな住民税ですが、実際には「一律で課税率は10%」を基本と考えれば計算は簡単です。

徴収方法

1.普通徴収

普通徴収というのは役所から個人宛に納付書が送付されてきて、その金額を分割して役所に納税する徴収方法です。通常は4分割の納付で、6月末・8月末・10月末・1月末に分けて納付するというのが一般的です。

給与所得では、特別徴収推進の一環として、普通徴収を認めない役所が増えています。特別徴収では滞納となる確率が高いため、給与所得のある人に対しては、なるべく普通徴収は選ばないようにしています。

2.特別徴収

良く勘違いされがちな部分ですが、サラリーマンが会社から支給される給与から天引きされるほうが「特別徴収」です。普通徴収は、主に個人事業主に対する徴収方法です。特別徴収の特徴は、12分割で支払うという点です。

会社の給料の6月分から翌年の5月分まで天引きという形で徴収します。会社が個人に代わって市役所や区役所などに納税しています。役所としては滞納リスクを下げることができますが、会社としては手間がかかるというデメリットがあります。

手間を省くために住民税の納付の特例の申請が可能です。この申請をした会社では、半年分の住民税を12月と6月の年2回にまとめて納付することができます。

住民税が高いと感じたら?

高いと感じやすいケース

住民税の納税通知書を見て「住民税が高い」と不安になることがあります。個人の住民税は前年の所得で税額を計算するので、納付書が来た時点で収入がなくても、前年稼いでいた人は多くの住民税を徴収されます。

高いと感じるケースとして多いのが、前年まで働いていた場合があります。前年までは働いていたが、現在は退職している人もいますし、会社勤めしていた女性が結婚して専業主婦になったというときでも、前年所得から計算された住民税の納付書が届きます。

個人事業主の場合には、住民税は「普通徴収」となります。このときには5月から6月に郵送で自宅に納税通知書が届きますので、ここで年税額を確認しておきましょう。

市区町村税と都道府県民税の内訳が記載されています。1回で支払う場合と4回に分けて支払う場合の金額も確認しておくと良いでしょう。

また、人によっては2つ以上の職場を掛け持ちしているというケースもあります。学生が2つのアルバイトを掛け持ちしていることもありますし、会社が副業を認めているため、本業以外に別の職場で働いているという人もいます。

このとき、1つの職場に係る住民税を特別徴収として、その他の所得に係る住民税を普通徴収とすることも認められています。2種類の徴収方法を併用することを「併徴」と呼びます。

役所によっては、主たる所得に係る住民税を特別徴収にして、その他の給与所得を普通徴収として併徴することも認められています。

場合によっては、一方の職場で特別徴収されていた人が、いきなりその年になって普通徴収の納付書が届くというケースもあります。このとき、「住民税が高い」と気づくことがあり得ます。

住民税を減らす方法

ポイント
脱税は犯罪ですが、合法に税金を減らす方法はあります。いわゆる「節税」と呼ばれるものです。

住民税が予期しないほどの高額であったとき、何かしら前年と申告の内容が異なっている可能性があります。思い当たる部分がないなら、もう1回申告書を見直してみましょう。

節税には様々な方法があります。たとえば本人と扶養家族を含む医療費の控除が受けられることがありますし、住宅ローン控除や社会保険料控除、生命保険控除など多くの控除の制度があります。

小規模企業共済等掛金控除や扶養控除なども漏れがないかどうか確認しましょう。サラリーマンなら、年末調整のときに差し引き漏れの所得控除がないかどうか確認してみましょう。

自営業者なら、所得控除の他に必要経費も認められています。記載に漏れがなかったかどうか確認してみましょう。修正申告によって課税所得が少なくなれば住民税も少なくなって還付される可能性もあります。

また、住民税には減免や猶予の制度もあります。生活の激変によって市区町村税を納めるのが困難という事情があるときには、その状況に応じた減免制度があります。

2006年に公的年金等控除の縮小があり、老年者控除や高齢者の非課税限度額が廃止されて、住民税が一気に増えたことがあります。2020年は給与所得控除や青色申告控除が変わる年です。

主に高所得者にとっての増税となっていますが、以前の税制改革のときのような混乱に陥らないように注意しましょう。

地域差はある?

良く言われることに、「都会は住民税が高い」「田舎暮らしだと住民税が安く済む」というのがあります。実際にどの程度地域差があるかは、いくつかの検証データが示されています。

住民税は所得割と均等割の合算です。調整控除があるときには、その分が控除されますが、基本的には所得税に応じた住民税である所得割が中心で、地域で違いが出るとすると均等割の部分でしょう。

住民税は市区町村税と都道府県税がありますが、それぞれに所得割と均等割が設けられています。

2つの住民税の計算式

所得割 均等割
市区町村税 課税額×6% 各自治体の額
都道府県税 課税額×4% 各自治体の額

均等割における「各自治体の額」という点で格差が出るように考えられますが、実際にはあまり差はありません。

代表的な地域の均等割

都道府県 均等割
都道府県税 市区町村税
北海道 1500円 3500円
岩手県 2500円 3500円
福島県 2500円 3500円
群馬県 2200円 3500円
埼玉県 1500円 3500円
東京都 1500円 3500円
長野県 2000円 3500円
愛知県 2000円 3500円
京都府 1500円 3500円
大阪府 1500円 3500円
愛媛県 2200円 3500円
沖縄県 1500円 3500円

他の都道府県でもおおよそ似たような額が均等割として設定されています。例外的なのは、神奈川県横浜市では市区町村税が4400円であることや、北海道夕張市で市区町村税が4000円となっているという程度です。

地域差はまったくないとは言えませんが、大きく変わることはありません。

住民税を安くする方法

必要経費はもれなく計上

住民税の所得割10%は基本的に課税所得金額に対して課税されます。

  • 事業所得の総収入金額-必要経費-青色申告特別控除=所得金額
  • 所得金額-所得控除=課税所得金額

以上から分かることは、事業所得が多ければ課税所得金額も増えて、必要経費が多ければ課税所得金額は減るということです。必要経費は計算する過程で控除されるので、必要経費は多いほど結果的に住民税も節税できます。

良く忘れがちな必要経費には以下のようなものがあります。

  • 自宅兼件事務所の家賃(更新料も含む)
  • 自宅兼事務所の電気代
  • 自宅兼事務所の火災保険料
  • 携帯電話代金
  • プロバイダ代金
  • 交通費で領収書を取り忘れたもの
  • ネットショップで購入した事業用の消耗品
  • 事業で使っている車両の減価償却費
必要経費は漏れがないように注意しましょう。

調べてみると、意外なものを必要経費とできるケースがあります。また、青色申告特別控除は住民税の計算のうえでも控除対象となるので、青色申告承認申請書を税務署に提出することによって65万円の控除を受けられます。

ポジティブな評価
これだけで住民税は6万5000円安くなります。

所得控除を受ける

1.ふるさと納税

所得控除を受けられる代表的なものとして、ふるさと納税があります。ふるさと納税は自治体からの返礼品に注目が集まりがちですが、住民税や所得税が減税されるため、利用したほうがお得です

2.医療費控除

医療費控除は医療費の合計額が10万円を超えると、超えた分の金額が所得から控除できるという制度です。ここで忘れがちなのが、「家族全員分の費用を合算できる」という点です。

医療費が大きいと、住民税が一気に安くなることもありますので、効果は非常に高いです。年間の医療費の領収書は家族でひとつに保管しておくと良いでしょう。

3.小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済法によって、中小企業基盤整備機構と締結した共済契約の掛金は、その全額が所得控除となります。掛金はいずれは増えて戻ってきますが、このときは退職所得として受け取れば課税はあまり大きくなりません。

4.生命保険控除

生命保険料控除はサラリーマンなら年末調整のときに会社が調整してくれますが、会社勤めでない人は自分で申告する必要があります。生命保険料控除は適用し忘れる代表的な項目ですので、ぜひ注意しておきましょう。

5.寡婦・寡夫控除

夫と離婚または死別した場合に、その後に婚姻しておらず扶養親族がいるときには寡婦控除を受けることができます。控除額は26万円ですが、所得が500万円以下のときには特別寡婦と呼ばれて、住民税の計算では30万円の控除を受けられます。

まとめ

住民税には、地域差があると言われていますが、実際にはそれほど多くありません。個人事業主は経費を計上して所得を圧縮し、控除を活用して住民税を安くする努力をしましょう。寡婦控除は忘れやすい項目のひとつです。注意しましょう。

\ SNSでシェアしよう! /

借入DXの注目記事を受け取ろう

NO IMAGE

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

借入DXの人気記事をお届けします。

  • 気に入ったらブックマーク! このエントリーをはてなブックマークに追加
  • フォローしよう!

ライター紹介 ライター一覧

若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。

関連記事

  • 企業年金とは?どんな種類があるの?

  • 源泉徴収税額とは?計算方法と源泉徴収票の見方を解説

  • 知的財産権とは?知財を守るために何ができるの?

  • 生活保護で障害者加算が支給される条件とは?

  • お金とのより良い付き合い方を学ぶ教育を提供している金融知力普及協会

  • 即日発行のクレジットカード【2019年最新情報】急ぎの方におすすめのクレジットカード17枚を徹底比較