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ノンリコースローンとは?

金融用語集   90 Views

皆さんは「ノンリコースローン」という言葉をご存じでしょうか。不動産投資などについて調べてみると目にすることもありますが、一般的にはあまり知られていない言葉でもあります。

ノンリコースローンとは?

ノンリコースローン」とは、融資を受けたお金を返済できなくなった時に、担保にしていた不動産物件を引き渡すことで、お金の返済義務がなくなるという融資の方法です。仮に物件の価値がその時点の融資残高に満たなくても、残りの残高を返済する義務はないという仕組みです。

専門用語でリコースは「償還」や「遡及」という意味があります。ここから「ノンリコース(Non recourse)=遡及されない」という意味になります。その為、ノンリコースローンは「非遡及ローン」「非遡及型融資」と呼ばれることもあります。

ノンリコースローンの具体例

ノンリコースローン契約のローンで所有不動産を担保に5,000万円の融資を受けたとします。

その後、返済が不可能になり、やむなく不動産を売却したところ、売却価格は3,000万円でした。

その時点の融資残高が4,000万円であったとすると、売却代金3,000万円を融資返済に充当しても、まだ1,000万円不足します。

ただし融資契約はノンリコースローンの契約ですので、残りの1,000万円については支払う義務はなく返済を終了できることになります。

このようにローンの返済に対する責任範囲を不動産物件に限定している融資契約が、ノンリコースローンです。

ノンリコースローンとリコースローンとの違い

ノンリコースローンに対し、日本で一般的に普及しているのが「リコースローン」です。「リコースローン=遡及型ローン」は、責任範囲を限定せず、返済義務を負う融資方式です。

例えば先の例では売却代金で返済しきれなかった1,000万円についても返済義務を負うことになります。

返済できなくなった時に、ノンリコースローンでは物件を売却、もしくは金融機関に引き渡した後は返済義務がなくなりますが、リコースローンの場合は物件を売却しても残ってしまった負債は全額返済しなければならない、という点が両者の一番の違いです。

ノンリコースローンのメリット

①責任範囲が限定される

ノンリコースローンの場合には、責任範囲が不動産物件に限定されます。売却後に残債があっても返済義務はありません。

②売却後の事業経営や資産に影響が少ない

ノンリコースローンであれば、万が一返済不能になり担保不動産を売却した段階で、以後の返済義務は消滅します。不動産を失ってしまうという点以外の事業への大きな影響を避けることができます。

逆にこれまでの偏差負担から(悪い言葉ですが)逃れることができることから、資金繰りが改善することもあります。

ノンリコースローンのデメリット

①審査基準が厳しい

ノンリコースローンでは、回収不足のリスクを金融機関が負うことになります。そのため審査基準は一段階厳しいものとなります。

②金利が高い

同様の理由で、適用金利は一般のローン(リコースローン)よりも高めに設定されます。

ノンリコースローン利用時の注意点

①責任財産限定特約

「責任財産限定特約」とは、ノンリコースローンで契約を結ぶ際、債権者と債務者間で責任範囲に限って返済原資とすることを取り決める規定のことです。

  • 返済原資を該当不動産のみに限定する
  • 債権者は、責任範囲以外の資産に対して強制執行を申し立てないものとする
  • 返済原資を全て処分しても債権が残ってしまった場合、債権者は未払債権を放棄したものとして扱う

例えばこのような規定が設けられます。責任財産を限定した取り決めを両者で交わすことにより、ノンリコースローンの責任範囲を明確化します。規定の内容はしっかりと確認して把握しておく必要があります。

②制約条項(コベナンツ)

「制約条項(コベナンツ)」とは、融資を実施する際、債権者が債務者に対し、守ってほしい義務などを含めた約束事のことです。債権者が資金回収不能に陥ってしまうリスクを防ぐために、次のような約束事が契約として規定されます。

  • 一定以上の純資産額を維持すること
  • 契約期間中の該当物件に対する担保提供を禁止
  • 一定以上のキャッシュフローを維持すること

このような制約条項(コベナンツ)に抵触してしまうと、残債の一括返済や違約金が請求されることになります。

このようにノンリコースローンでは、様々な規定が契約上に含まれるケースも多いですので、必ず事前に確認し、内容を把握しておく必要があります。

まとめ

ノンリコースローンは、現在の日本では主に不動産取引に用いられる融資契約です。取扱金融機関はまだまだ少ないですが、多様化する金融サービスの一つとして、今後、普及していく可能性もあります。

一般的なリコースローンに比較して魅力的な融資契約ですが、その反面デメリットなども存在しています。ノンリコースローンだからといって無計画での借入は厳禁です。しっかりとした返済計画を立てて、事業拡大につなけていきましょう。

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ライター紹介 ライター一覧

若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。

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