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真水とは?わかりやすく図解で解説

 2019/02/28 金融用語集   49,859 Views
 

新聞などで「真水」という言葉を見聞きしたことはないでしょうか?公共事業予算の「真水」という表現がよく用いられます。

一方、銀行などの借入でも「真水」という言葉が用いられます。一般の人にはあまり馴染みがありませんが、借入での「真水」とはどのようなものを指すのでしょうか?

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真水とは融資の増額分のこと

銀行融資などにおける「真水」とは「増額分」のことを指します。一般的には、複数の金融機関から借入を行っている場合に、借入を一本化するために使われます。

例えば1,000万円の融資を既に金融機関から受けていたとします。

この状態で、他の金融機関から1,000万円を新たに借りて既存の1,000万円の融資を返済するのではなく、同じ金融機関からさらに追加で1000万円借りることにより、既存の1000万円分を返済することを示します。

つまり、同じ額を金融機関からの新たな借入で既存の借入を返済することになります。

なぜこのようなことを行うのでしょうか?

一般的に、このような状況で1,000万円を2つの金融機関から借りるより、1つの金融機関で2,000万円借りた方が返済期間が長くなったり、金利が安くなったりと返済に対する負担が軽減される効果があります。

また、これまでの取引内容なども既存金融機関の方が把握しやすく、審査も柔軟に進んでいくことが期待できます。

すべてのケースで「真水」が成功することは限りませんが、金融機関の借入の現場では、よくこのような対応が図られています。

保証協会の真水政策

保証協会では「真水」に対応した制度が準備されています。平成28年3月から始まった「条件変更改善型借換保証」です。

リスケ改善借換」とも呼ばれており、赤字だったとしても増額で融資を受けられる可能性があります。

一般的に赤字が続き、リスケを行なっている場合は新規で増額借入は難しいですが、この制度を活用することで業績が思わしくなくても新規で真水融資を得ることができ、返済負担も軽減できるので本業に集中して事業の立て直しをすることができるのです。

利用条件

  • 保証申込時点に信用保証協会の保証付融資が既存であること
  • 既存の借入金の全部又は一部について、融資の条件変更(リスケ)を行っていること
  • 金融機関及び認定経営革新等支援機関の支援を受けつつ、自ら事業計画の策定・融資時の計画の実行・進捗の報告を行うこと
  • 貸付金の限度額は2億8千万円まで
  • 借入期間は15年が最長で据置期間は1年。ただし、返済資金以外の事業資金(新規の融資分)を含めた融資の場合は、据置期間は2年。

まとめ

真水という金融用語は、一般の方にはあまりなじみがないかもしれません。しかし金融機関との取引では、時として慣れない金融用語も出てきます。分からない点は担当者に確認するようにして、間違いのないように注意しましょう。

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ライター紹介 ライター一覧

若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。