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貸付金とは何?借入金とどう違うのか徹底解説!

 2020/01/23 お金に関する豆知識   69 Views
会社であれ個人事業主であれ、会計というものがある限り必ず付いて回るのが「貸付金」です。事業をしていくなかで、他社や個人へのお金の貸し借りが起きることがあり、賃借対照表に貸付金や借入金などと表示する必要があります。
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貸付金とは何か

誰かに貸したお金

貸付金は「誰かに貸したお金」を意味する一般名詞です。事業の経理を記録する賃借対照表に記載されている場合には、事業体が特定の個人や法人に貸したお金が貸付金です。

貸付金は、貸し付けした日から返済予定日までの期間に応じて

  1. 「短期貸付金」
  2. 「長期貸付金」

の2種類に分けられます。

どちらにせよ、貸したお金ですので、今後は返済してもらえる権利が発生しています。このような権利を債権と呼びます。まだ現金化されていないだけであって、いずれは現金で返済される見込みがあるので、債権は当該事業体の資産となります。

簿記としては、後から返済してもらえる権利である債権であるときには、「貸付金勘定」(資産の勘定)を使用します。それとは逆に、資金繰りのために取引先や銀行からお金を借りることもあるでしょう。お金は借りたら返済しなくてはなりません。

このような債務のときには「借入金勘定」(負債の勘定)を使用します。また、お金の貸し借りがあるときには利息(利子)がつきます。利息を受け取ったときには受取利息勘定(収益の勘定)、利息を支払った場合には支払利息勘定(費用の勘定)を使用します。

通常、お金を貸したときには借用証書を受け取ります。これはお金を借りる際の契約書のことで、金銭の貸し借りがあった事実を証明するための書類となります。

売掛金・受取手形との違い

貸付金と混同しがちなものに「売掛金」と「受取手形」があります。貸付金というのは、あくまで「貸したお金」であって、今後入ってくる現金とイコールではありません。お金の貸し借りでは借用証書が使われますが、売掛金や受取手形では別のもので債務を証明します。

売掛金も受取手形も、商品やサービスの提供によって発生した代金が未回収であるときに使用される勘定科目です。売上があったときの代金を後払いで清算するときに使用されるもので、受取手形のときには支払期日が明確に記載されていますが、売掛金のときには手形が発行されません。

手形は金額と期日が記載されているのが通常で、何年の何月何日までに約束した代金を支払うという契約書の形になっています。手形のない売上の未収入金を売掛金と言います。売掛金であれ受取手形であれ、お金を支払ってもらえる権利である債権という点では貸付金と同じですが、勘定科目としては異なります。

あくまでお金を貸したときに使用する勘定が貸付金で、未払いの売上金が受取手形・売掛金であると理解しておきましょう。

短期貸付金とは

貸付を受けたときに1年以内に返済期限が来るものを「短期貸付金」と呼びます。ただし、1年というのは暦で言うところの1年ではなく、同一決算期内に貸付と返済が行われるお金を短期貸付金とします。

たとえば3月が決算期の事業体で9月に特定の個人にお金を貸して翌年1月に返済してもらう予定のときには短期貸付金として仕訳しますが、3月にお金を貸して同年の4月に返済してもらう予定のときには、貸付している期間は1ヶ月ですが、短期貸付金として仕訳することはできません。

短期貸付金は、賃借対照表のなかでは「流動資産」に区分します。同じ決算期に貸付と返済が実行されるので、会社の資金繰りを悪化させないという効果があります。

貸付金が多いということは、会社の支出が増えることを意味しますので、財政は悪化しているとみなされます。ただ、短期貸付金の場合は決算期内に全額が返済されるので、財政が悪化していることにはなりません。勘定仕訳で資金ギャップが発生したときには、短期貸付金として分類しておくと矛盾なく賃借対照表を記載することが可能です。

このときに勘定科目に短期貸付金が多すぎるときに銀行融資を受けるときに「不透明な資金の動きがある」と疑われるリスクが高まります。短期貸付金の多さが審査に影響して融資を受けられない可能性もあるので、充分に注意しましょう。

長期貸付金とは

返済期限が1年を超える貸付金を「長期貸付金」と呼びます。単に返済期日が1年を超える場合だけでなく、決算期として次期以降に返済が実行されるときには、すべて長期貸付金です。

長期貸付金のメリットとして、長期にわたってお金を貸し付けるので貸付先から利息を得られるという点が挙げられます。低金利で貸し付けると貸付先にとっては大きなメリットとなるので、貸付先との関係強化を図ることにもつながります。

また、従業員に貸付する際には従業員の福利厚生の一環とすることも可能です。ただ、不当に金利を低くすると追徴課税されることもあるので注意しましょう。

貸付金利は通常、銀行融資の平均金利か特例基準割合を採用します。特例基準割合は毎年変動し、たとえば令和元年には年率1.6%でした。

カードローンで借りたお金は?

一般的な貸付金といえば、銀行などの金融機関が個人や法人に融資するお金があります。自動車ローンや住宅ローン、教育ローンなども貸付金ですし、ビジネスローンなど限度額の範囲内で何度でも利用できるローンで借りたお金も、お金を貸した企業の会計上は貸付金として取り扱われます。

ビジネスローンで借りたお金は「借入金」という勘定になります。貸付というのは、「他に貸したお金」であって、こちらから借りたときには「借入金」となります。混同してしまうと、賃借対照表でまるっきり逆の結果が出てしまうので、注意しましょう。

貸付金・借入金・利息の仕訳

貸した場合の仕訳

1.借方と貸方の記載

貸付金は資産の増加と負債の減少を意味するお金です。そのため、借方のほうに貸付金として仕訳し、貸方のほうに現金を記載することになります。たとえばAさんに100万円の現金を貸したとき、会社の資産のなかから現金が100万円が減少して「貸付金」という債権が100万円増加したことを意味します。

賃借対照表では、以下のように仕訳します。

借方 貸方
貸付金:100万円 現金:100万円

2.返済を受けた場合の仕訳の記載

返済を受けたときには、貸方に返済された現金を記載し、貸方に貸付金として記載します。貸付金という債権資産は減少したが、賃借対照表では貸付金という現金資産が増えたということを意味します。

たとえば100万円を貸したAさんから100万円の返済受けたときには以下のように仕訳します。

借方 貸方
現金:100万円 貸付金:100万円

3.利息が発生したときの仕訳

問題になるのが、貸付金で利息が発生したときです。利息の勘定の仕訳として何を記載したら良いのか迷うこともあるでしょう。こちらからお金を貸して、利息が発生し、利息付きで返済してもらったときには、貸方に「受取利息」が発生します。借方には現金として戻ってきた元金と利息の合計額を記載します。

たとえばAさんに100万円を貸して、利息として5万円を付けたときに、返済時には105万円となって返ってきます。このときには以下のように記載します。

借方 貸方
現金:105万円 貸付金:100万円
受取利息:5万円

利息と元金をまとめて貸付金として105万円を計上してしまうと、貸した時点での貸付金と異なってしまうので帳簿上に矛盾点が生じてしまいますので注意しましょう。利息を費用として計上するのではなく収益として計上するため、その分だけ納税額が増えてしまうリスクもあります。

利息を受け取ったときには必ず元金(貸付金)と利息(受取利息)を別に記載して、収益部分が元金とは別になるようにしましょう。また、利息をあまりに安く設定していると税務署から「貸付金ではなく寄付金ではないか」と疑われることもあります。場合によっては追徴課税が発生することもあるので、適正な金利で算出した利息を請求するようにしましょう。

借りた場合の仕訳

1.借方と貸方の記載

借入金は資産の減少と負債の増加を意味するお金です。そのため、借方のほうに現金として仕訳し、貸方のほうに借入金を記載することになります。たとえばB社から100万円を現金を借りたとき、会社の借方に現金が100万円増加して「借入金」という債務が100万円増加したことを意味します。

賃借対照表では、以下のように仕訳します。

借方 貸方
現金:100万円 借入金:100万円

2.返済したときの仕訳の記載

返済をしたときには、借方に返済した借入金を記載し、貸方のほうに現金を記載することになります。たとえばB社から借りていた100万円を全額返済したときには、会社の現金資産は100万円減ることになりますが、借入金という債権資産は100万円増加したことになります。賃借対照表では、借方に借入金として100万円を記載し、貸方に100万円を記載します。

借方 貸方
借入金:100万円 現金:100万円

3.利息が発生したときの仕訳

B社から借りている100万円に対して利息が5万円発生したとき、返済する金額は105万円となりますので、賃借対照表では貸方に現金として105万円を記入します。一方、借方としては借入金が100万円、支払利息として5万円を記載します。

支払利息は経費として算入できる科目ですが、借入金と利息を合算した金額をそのまま賃借対照表に記載すると経費として計上することができません。必ず借入金と利息は別に記入するようにしましょう。

借方 貸方
借入金:100万円 現金:100万円
支払利息:5万円

役員貸付金・従業員貸付とは

役員貸付金とは

役員貸付金というのは、会社が役員にお金を貸し付けることを指します。会社を経営していると、会社の役員と会社の間でお金のやり取りがあることは珍しいことではありません。

経営が決して楽ではない中規模・小規模経営の場合には社長が個人資産を会社に貸し付ける役員借入金が多くなりますが、利益が出ているときには会社の資産を役人に貸し付ける役人貸付金が多くなるという傾向があります。

また、この役員貸付金には「節税」という効果があります。会社に利益が出ているように見せかけるために、役員貸付金を使っている会社も数多くあります。

銀行から融資を受けるときの審査では、役員貸付金を嫌う傾向があります。銀行からするとある種の粉飾決算とも受け取られるからです。どの程度を役員貸付金にすると節税の効果を発揮するのか、また、銀行からの融資ではどの程度がリスクとみなされるのか見極めたうえで活用しましょう。使い方次第では、経営に良い影響をもたらすこともあります。

役員貸付金のメリット

役員貸付金を役員報酬の代わりとして使うことによって様々なメリットがあります。むしろ、役員報酬にあるデメリットを相殺することができるという観点で考えると分かりやすいでしょう。

役員報酬には以下の2つのデメリットがあります。

  1. 役員報酬は損金に算入できない。
  2. 役員報酬は期首から3ヶ月以内に決定しなければならないために、通期の見通しが立たない状況で役員報酬をいくらにするのか決めるのはリスクが高い。

役員報酬を少なめにしておくと、損金不算入勘定が少なくなるので、税金を低く抑えることが可能になります。当初の役員報酬を低くしておき、後から貸付金という形でお金を役員に渡すので、見通しが立たないなかでも役員の手元にお金が残ることになります。

役員貸付金のデメリット

役員貸付金のデメリットとして以下の2点が挙げられます。

  1. 役員貸付金には利息が発生する。
  2. 銀行審査の際に不良債権とみなされるリスクがある。
会社と役員同士の貸し借りであっても、必ず以下の利息が発生します。
  • 銀行などからの借入があるときには、その借入利率。
  • 銀行などから借入をしていなくても、租税特別措置法第93条第2項によって、国内銀行の短期貸出約定平均金利にプラス1%以上の金利としなければならない。
節税を目的として役員貸付を実行しても、会社には受取利息という収益が必ず計上されてしまいます。そうなると、利益が大きくなって支払う税金が逆に大きくなってしまう可能性も出てきます。また、役員貸付金の分類は「短期貸付金」です。

銀行の融資審査では、短期貸付金の内訳明細の提出が求められます。その際に詳細も確認されるため、役員貸付金を不良債権として決算書が引き直される可能性があります。

銀行としては、役員貸付金があるときに以下のように考えます。

  • 短期貸付金が減っていない。
  • 昨年度と同じような貸付金が残っている。
  • 短期貸付金の金額が増えている。
このため、不良債権処理後の決算書が債務超過という状態になってしまったり、赤字の状態になったりしてしまうときには、銀行からの借入審査で否決されてしまう可能性が高まります。役員貸付金は粉飾決算の手法として非常に良く利用されるものです。銀行もそれは良く知っているので、簡単に納得してくれません。

役員貸付金の使い方

役員貸付金は、落としにくい経費に使うという方法が一般的です。費用として発生している経費を、役員への貸付金として計上することによって費用が減少してその分収益が出やすくなります。この効果を利用すると、本来なら経費として計上する金額を費用として計上せずに貸付金として処理することができます。

費用が減少したので利益は大きくなります。ただ、これは多用すると完全に粉飾決算としてみなされてしまいます。銀行の借入審査では、費用を貸付金として計上していないかどうかを審査して、実態は費用であったことが発覚したときには、費用分の金額を貸付金から差し引いて、費用として計上しなおすという審査を行うことが多くあります。

事業目的ではないお金を役員貸付金として計上して、役員が会社から借りたようにみせかけて、会社のお金を私的流用するケースも非常に多くあります。あまりに高額であったときには、問題視されます。会社のお金は私的流用してはならないもので、あくまで会社の利益を追求するために利用されるものです。

よほど業績が良くない限り、こういった流用の痕跡が確認されたら融資を否決される可能性は高くなります。

こうした事態に陥ることを防ぐには、いつ・誰に・何の目的で・いくら貸したのか出来る限り詳細に帳簿などに記録しておくことが大切です。貸付金があること自体が悪いわけではなく、悪用されやすい勘定科目であるというだけですので、しっかりと説明できれば問題ありません。

従業員貸付

従業員貸付というのは、その名前の通り従業員にお金を貸付した場合の勘定科目です。従業員にお金を貸す目的は様々ですが、従業員が自家用車を破損したとか、小さな会社では社長と従業員の間の個人的なやり取りとして行われることが多くあります。大きな会社となると、従業員貸付金制度というものを設けて、福利厚生の一環とすることもあります。

大企業だけでなく、中規模・小規模経営の会社でも充分に使い勝手があるものですので、制度として採り入れておくと良いでしょう。資金使途を明確にして低金利で貸与することによって、従業員の生活を確保するというのは信頼性も高まります。

具体的な資金使途としては以下のようなものがあります。

  • 従業員の住宅資金
  • 従業員、またはその家族の教育資金
  • 従業員の予想外の急な出費
役員貸付金は給与支払では費用計上されて利益が圧迫されてしまい、役員の報酬代わりに使われることが多い勘定科目です。そのため、銀行からの心象は良くありません。しかし、従業員貸付金は、従業員に対する福利厚生の一環ですので、役員貸付金のような悪印象を与えることはありません。

まとめ

事業体の経営では、お金の出し入れは頻繁に行われます。このとき、貸付金と借入金を把握しておかないと、様々な場面で困った事態に陥ります。役員貸付金や従業員貸付などの制度も、使い方を良く考えて実施しましょう。

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若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。

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