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住宅ローンの繰上返済は早いほどお得?3つのメリットと注意点

 2018/02/01 住宅ローン   1,775 Views

「人生最大の買い物」といわれているのが住宅購入です。その住宅を購入するのに利用されるのが「住宅ローン」です。金融機関各社とも魅力的な商品を整え、個人ローンの主力商品として力を入れています。

住宅ローンは借入金額が高額になるローンです。
そのため返済も計画的に行っていかなければいけません。

長い人生の中でも非常に重圧のかかる住宅ローンの返済負担を少しでも減らすのが「住宅ローンの繰上返済」です。毎月の返済とは別に元金の一部を前倒しで返済するのが「繰上返済」です。上手に繰上返済を行うことで、最終的な利息負担を大幅に減らすこともできます。

一方、手元の貯蓄を減らすことにもなりますので、仕組みなどはしっかりと理解したうえで上手に繰上返済を利用しましょう。

期間短縮型と返済額軽減型

住宅ローンの繰上返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2通りの方法があります。

期間短縮型

毎月の返済額は変更せず、最終の返済期間を短くする方法です。ローンの完済時期が早くなり、短縮された期間に支払う予定の利息負担が軽減されます。

返済額軽減型

最終の返済期間は変更せず、毎月の返済金額を減らす方法です。毎月の返済額が減ることで、家計の安定などにもつながります。

通常は同額の繰上返済を行った場合、利息軽減の効果は「返済額軽減型」よりも「期間短縮型」が大きくなります。

借入金額3,000万円、金利3.00%、返済期間30年、ボーナス返済なし、毎月返済額126,481円の住宅ローン(元利均等返済)を、3年後に100万円繰上返済した場合の違い

  • 期間短縮型→利息軽減額:約120万円、期間短縮月数:17ヶ月、毎月返済金額軽減額:0円
  • 返済額軽減型→利息軽減額:約46万円、期間短縮月数:0ヶ月、毎月返済金額軽減額:約4,500円

どちらを選択するのかは、利用者の生活スタイルなどによっても違ってきます。

  • とにかく早く完済したい→期間短縮型を選択
  • 毎月の返済金額を減らしたい→返済額軽減型を選択

どれだけの返済期間が短縮されるか、もしくはどれだけ返済金額が軽減されるかは、各社のホームページ上でシュミレーションツールが準備されている先も多いので確認してみましょう。また金融機関担当者に相談するなどして、自分に合った返済方法を検討してみましょう。

住宅ローン繰上返済の3つのメリット

繰上返済を活用する主なメリットは次の3点です。

①利息の支払いを軽減できる(特に「期間短縮型」)

先に説明した通り「期間短縮型」の方が「返済額軽減型」に比べて利息軽減効果が高くなります。

②金利上昇のリスクを回避できる

返済額軽減型で繰上返済を行うと、毎月の返済額を下げることができます。これにより毎月の支払額が急に増えたり、給料が下がってしまった場合のリスクを一時的に回避することができます。

特に「変動金利」の住宅ローンでは、毎月の返済金額が増える可能性もあります。「変動金利」では金利が上昇しても5年間は返済額が変わりません(ただし返済する利息の割合は大きくなります)。急激に金利が上昇した場合に5年以内に返済額軽減型で繰上返済を行えば、金利上昇のリスクが一時的に回避できます。

例えば、4000万、変動金利0.6%、35年間の住宅ローンを利用するとします。この場合毎月の返済額は約105,000円となりますが、金利が1%上昇し1.6%になると、返済額は5年後に約125,000円(2万円上昇)になります。

ですが、10年間だけ毎年50万円の繰り上げ返済をすれば、約111,000円まで返済額を落とすことができ、かつトータルの利息まで減らすことが可能となります。

③老後の住宅ローンリスクの回避(期間短縮型)

住宅を新築で購入する目的のひとつに「資産性」が挙げられます。賃貸の場合だと、老後もずっと毎月何万円と家賃を支払っていくことになりますが、家を買って住宅ローンを利用することで、住居費が不要になりますので老後が安心です。

しかし、年齢が30歳を過ぎて住宅ローンを35年で契約した場合、完済は65歳になってしまいます。35歳では完済は70歳、40歳だと75歳になってしまいます。老後のための資産性、老後のための投資というメリットが無くなってしまいます。老後のリスクを回避するために、貯蓄にゆとりがあるときは期間短縮型の繰上返済の利用を検討しましょう。

繰上返済は早いほどお得?

原則、繰上返済は早く行ったほうが利息軽減効果も高くなります。返済が進むにつれて、当然借入元金が減っていくためです。

借入金額3,000万円、金利2.500%、返済期間35年の住宅ローンを100万円期間短縮型で繰上返済するケース

期間 利息軽減額 短縮期間
2年後 約123万円 1年8ヶ月
5年後 約108万円 1年7ヶ月
10年後 約84万円 1年5ヶ月
20年後 約44万円 1年1ヶ月
30年後 約12万円 10ヶ月

このように繰上返済を利用する場合は「できるだけ早期に」行うことが望ましいといえます。

住宅ローン控除に注意

ただし考慮しておかなければいけないのが「住宅ローン控除」です。

住宅ローン控除は、年末時点の住宅ローン残高が基準となります。つまり繰上返済により元金を減らすことで、控除金額も少なくなることになります。

例えば12月の受け取ったボーナスをすぐに繰上返済に充当すると、その分年末の住宅ローン残高も減ることになります。控除額が1.0%とすると、100万円繰上返済すると、控除額は100万円の1.0%分である1万円減少することになります。

住宅ローン控除は控除額がまるまる戻ってくる税額控除ですので、繰上返済金額が大きいほど還付される金額も少なくなってしまうことに注意しておきましょう。

また期間短縮型の繰上返済により、住宅ローン控除期間に該当しなくなるケースもあります。原則、住宅ローン控除期間は「借入からトータル10年間」です。期間短縮型の繰上返済によりこの「10年間」に当てはまらなくなってしまうこともあります。

<例>当初の借入期間が15年の住宅ローンの利用者

①3年後に繰上返済を行い借入期間が「3年」短縮された場合

「トータルの借入期間は12年」です。借入期間が10年以上ですので、引き続き住宅ローン控除を受けることができます。

②3年後に繰上返済を行い、借入期間が「6年」短縮された場合

「トータルの借入期間は9年」です。借入期間が10年未満となりますので、住宅ローン控除が受けられなくなってしまいます。

期間短縮型の繰上返済の利用は、住宅ローン控除額と短縮された分の利息軽減金額を比較して利用しましょう。

繰上返済手続きの3つの注意点

繰上返済手続きは各金融機関により異なります。住宅ローンを利用する前に、必ず「繰上返済」に関する手続きにも注意しておく必要があります。少なくとも次の3点は確認しておくようにしましょう。

①最低返済額

1回当たりに返済できる最低返済額のことです。1円から可能としている先もあればできるところもあれば、100万円からという先もあります。こまめに繰上返済の利用を考えている方は、最低返済額が少額の方が望ましいでしょう。

②手数料

繰上返済手数料は、金融機関の違いだけでなく、金利タイプや繰上返済額、店頭で行うかネットで行うかなどの条件によっても異なる場合があります。金額も0円(無料)の先もあれば5万円程度必要となる先もあります。手数料が高めに設定されている場合は、ある程度まとまった金額で手続きを行う方が効率的です。

③手続き方法

店頭・電話・ネットなどの手続き方法も確認しておきましょう。手続き方法の違いにより手数料が異なる場合もあります。また受付日時や実際に返済可能な日時(時間や曜日)も異なりますので事前に確認しておきましょう。

特に繰上返済をこまめに行いたいと考えている方は、繰上返済の利便性は必ずチェックしておきましょう。少額でも対応可能、手数料無料、ネットで手続き可能といった条件が最適です。

余裕を持った住宅ローンの繰上返済を

繰上返済を行うと、手元の貯蓄を取り崩すことになります。手元資金をすべて繰上返済に回すことも、考慮するべきです。

長い人生では何が起こるかわかりません。予想外の事態に備えることも大切です。に手元資金が0で困ってしまうということのないように注意しなくてはいけません。ある程度は貯金として確保しておけば、精神的にも安心ではないでしょうか。

例えば住宅設備や家電が故障して取り換えるとなると、それだけで数十万の支出ともなりかねません。ある程度の予備費は常に手元に残しておきたいものです。

最近は繰上返済の手数料が発生しない商品も登場しています。だからといって繰上返済のし過ぎで家計が苦しくなれば本末転倒です。繰上返済は余裕があるときに、思い切って実行することをお勧めします。

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ライター紹介 ライター一覧

若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。

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