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介護保険被保険者証はどう使うの?介護サービスの受け方も解

 2020/04/02 お金に関する豆知識   5,098 Views
介護サービスを受けるには、「介護保険被保険者証」と「介護保険負担割合証」が必要になります。一般に「介護保険証」は第1号被保険者になると市町村から送付されます。これと介護保険負担割合証とのセットで、様々な介護サービスを受けることが可能になります。
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介護保険被保険者証とは

介護保険被保険者証が送られてくる2つのケース

介護保険被保険者証は通常、「介護保険証」と省略して使われます。

以下の2つのケースで交付されることになっています。

①65歳以上の人(第1号被保険者)

65歳の誕生日を迎える月に被保険者証が交付されます。自分から手続きすることはありません。基本的に市町村から自動的に送付されてきます。

②40歳から64歳までの要介護認定の人(第2号被保険者)

65歳になるまでに要介護認定の申請をした人に対して認定結果の通知とともに被保険者証が郵送されてきます。64歳以下の人で被保険者となるのは、たとえば末期がんや関節リウマチ、脳血管疾患などの疾病があり、介護認定を受けた場合です。

介護サービスを受けるためのパスポート

介護保険証が送られてきたからといって、誰でも介護サービスが受けられるわけではありません。持っているだけでは何もサービスが提供されることはなく、介護サービスを受けるためには市町村に認定の申請を行って、介護が必要かどうかの要介護認定を受けなければなりません。

そのため、申請をしていない人や要介護認定を受けていないと介護保険証は使えません。

病気や怪我などで病院で診てもらうには、健康保険証さえあれば、日本国内であればいつでも誰でもどの医療機関でも受診することができますが、介護保険証はそれと同じようには使うことができません。

介護保険証は、介護が必要になったときに保険でサービスを受けるための「パスポート」のようなものと言われています。パスポートは海外へ出かけるときに使うものですが、海外に行かない人にはそもそも必要ありません。

介護保険証も同様で、介護が必要でない人が使うことはありません。また、パスポートには使用期限がありますが、介護保険にも基本的に6ヶ月という期限があります。

厚生労働省では、65歳以上のすべての人に介護保険証を交付するように市区町村を指導していますが、要介護認定を受けるのは65歳以上の約1割程度です。

被保険者に該当する人

介護保険の被保険者は、40歳以上のすべての人です。この被保険者は年齢によって2つに分けられます。

1.第1号被保険者

65歳になると介護保険被保険者証が郵送で届きます。原因を問わず、介護が必要であると認定されたら介護保険を利用することができます。認定を受けたら、介護保険負担割合証を提示して介護サービスを受けることができるようになります。

2.第2号被保険者

40歳になると、医療保険料とともに介護保険料を納めるようになりますが、介護保険被保険者証は届きません。特定の疾病により介護が必要になったと認められた場合のみ、介護保険を利用することができます。

【第2号被保険者で介護保険の対象となる疾病】

  • 末期がん
  • 脳血管疾患(脳出血、脳梗塞など)
  • 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
  • パーキンソン病
  • 脊椎小脳変性症
  • 多系統萎縮症
  • 糖尿病性腎症、網膜症、神経障害
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 慢性関節リウマチ
  • 後縦靭帯骨化症
  • 脊柱管狭窄症
  • 骨粗しょう症による骨折
  • 早老症
  • 初老期認知症
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 変形性膝関節症(両側の膝関節や股関節に著しい変形を伴うとき)

有効期限

介護保険被保険者証には有効期限が記載されており、その期限を迎える前に新しい被保険者証が郵送によって交付されます。これは要介護認定申請のときに必要となるので大切に保管しておきましょう。

「今は元気だし必要ない」と思っていても、身体は老化していきますし、怪我などをきっかけに介護が必要になる可能性はあります。ふだん使っている健康保険証と同じくらいには、いつでも出せるようにしておきましょう。

介護を受けるには要介護認定を申請しますが、そのとき介護保険証が必要になります。要介護認定を受けている人には、要介護認定有効期限が被保険者証に記載されます。

要介護認定が更新されるたびに、新しい認定有効期間が記載された被保険者証が交付されます。要介護認定の更新には、再び申請が必要となります。認定の更新をしなければ、認定有効期間が切れた被保険者証がそのまま有効となります。

介護保険被保険者証を使った介護サービスの利用

介護保険負担割合証とセットで使う

介護サービスを利用するには、「介護保険証(介護保険被保険者証)」と「介護保険負担割合証」が必要になります。介護保険証は第1号被保険者となれば自動的に市区町村から送付されます。注意したいのは、介護保険負担割合証と組み合わせて使うという点です。

介護保険負担割合証は、介護保険サービスを利用する場合に費用のうち所得に応じて一定割合を利用者に負担するための割合を証明する書類です。負担割合証には、介護保険サービスを利用する際の負担割合が1割・2割・3割などと記載されています。

たとえば本人の合計所得金額が220万円以上あるときには3割負担、160万円以上220万円未満のときには2割、160万円未満であるときには1割というように決められています。負担割合は前年の所得により負担割合を決定したうえで、要介護・要支援の認定を受けた人と事業者に原則毎年7月に送付されます。

介護保険証を持っている人は、介護が必要となったときに要介護の認定を受けて、負担割合を定めたうえで市区町村の窓口で申請をします。

介護サービス利用の流れ

1.要介護認定の申請

日常生活に介護や支援が必要だと思ったら、市町村の窓口に要介護・要支援認定申請書と介護保険証を添えて、要介護認定の申請をします。利用者の状況によっては、家族や成年後見人、地域包括支援センター、指定居宅介護支援事業者、介護保険施設などが申請を代行することも可能です。

2.認定調査・主治医意見書

申請を受けた市町村などが、専門の調査員を自宅や施設に派遣して、本人の心身の状態を確認するための認定調査を行います。主治医意見書は、市町村が主治医に依頼して書くことになっています。

もし主治医がいないときには、市町村の指定の診察が必要となります。意見書を作成するにあたって申請者の自己負担はありません。

3.審査判定

調査の結果と主治医意見書の一部の項目はコンピューターに入力されて、全国で一律に決まっている判定方法で要介護度の判定が行われます。これを一次判定とし、その結果と主治医意見書に基づいて、介護認定審査会による要介護度の二次判定を行います。

4.認定

認定の結果は申請から原則的に30日以内に通知されます。認定は要支援1・2から要介護1から5までの7段階に分かれています。場合によっては非該当となるケースもあります。要介護度に応じて利用できるサービスや介護保険で認められる月利用限度額などが異なります。

5.ケアプランの作成

介護サービスを利用するには介護サービス計画書の作成が必要になります。相談先は要支援1・2の人は地域包括支援センター、要介護1から5の人はケアマネジャーのいる居宅介護支援事業者となります。

介護保険で受けられるサービス

要介護に認定されると、介護保険を使って以下のようなサービスを受けることができます。

【居宅介護支援】

ケアプランの作成や家族の相談対応など。

【自宅に住む人のためのサービス】

  • 訪問型サービス:訪問介護、生活援助(掃除や洗濯、買い物や調理など)・訪問看護(看護師による健康チェックや療養上の世話など)
  • 訪問入浴介護(自宅に浴槽を持ち込んで入浴介助を受ける)
  • 訪問リハビリテーション(リハビリの専門家に訪問してもらい、自宅でリハビリを受ける)
  • 居宅療養管理指導(医師、歯科医師、薬剤師、栄養士などに訪問してもらい、療養上の管理や指導を受ける)
  • 定期巡回、随時対応型訪問介護看護(24時間対応型の訪問介護・訪問看護サービス)

【通所型サービス】

  • デイサービス(食事や入浴の支援、心身の機能を維持・向上させるためのリハビリ、口腔清掃、口唇・舌の機能訓練など)
  • デイケア(施設や病院などで日常生活の自立のために理学療法士や作業療法士などのリハビリを受ける)
  • 認知症対応型通所介護(認知症と診断された高齢者が利用するデイサービス)

【短期滞在型サービス】

・ショートステイ(施設などに短期間宿泊して、食事や入浴などの支援や、心身の機能を維持・向上させるためのリハビリの支援など)

【施設入居】

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 介護療養型医療施設

【福祉用具に関するサービス】

  • 介護ベット、車椅子などのレンタル
  • 入浴や排せつ関連の福祉用具の購入費の助成

【住宅改修】

・手すりやバリアフリー、和式トイレを洋式にといった工事費用に対する補助金

介護サービスを利用したときの自己負担

介護サービスを利用した場合には、利用者の負担は費用の1割、一定以上の所得がある人は2割または3割ですが、要介護区分別に介護保険で利用できる1ヶ月の上限額が決まっています。

支給限度額を超えてサービスを受けた場合や、介護サービスになりサービスを受けた場合にはその分は全額自己負担となります。ただし、40歳以上65歳未満の人は介護サービスを利用した場合には一律で1割負担と定められています。

【負担割合と所得金額】

・合計所得金額が220万円以上

年金収入+その他の合計所得金額が340万円以上の単身世帯:3割負担

年金収入+その他の合計所得金額が463万円以上の夫婦世帯:3割負担

・単身で年金収入のみが344万円以上:3割負担

・合計所得が160万円以上

年金収入+その他の合計所得金額が280万円以上の単身世帯:2割負担

年金収入+その他の合計所得金額が346万円以上の夫婦世帯:2割負担

・単身で年金収入のみが280万円以上:2割負担

以上のどれにも当てはまらない人は1割負担となっています。

1ヶ月に利用できる上限額

介護保険には、介護度に応じた支給限度額があります。通常、ケアマネジャーはこの範囲内でケアプランを作成します。介護度は重いほど限度額が大きくなります。

それ以上のサービスを受けたいというときには、自己負担となりますが、受けられないということはありません。

介護度別支給限度額(1ヶ月)

介護度 給付限度額 1割負担額 2割負担額 3割負担額
要支援1 5万320円 5032円 1万64円 1万5096円
要支援2 10万5310円 1万531円 2万1062円 3万1593円
要介護1 16万7650円 1万6765円 3万3530円 5万295円
要介護2 19万7050円 1万9705円 3万9410円 5万9115円
要介護3 27万480円 2万7048円 5万4096円 8万1144円
要介護4 30万9380円 3万938円 6万1876円 9万2814円
要介護5 36万2170円 3万6217円 7万2434円 10万8651円

介護保険を利用した施設入所

介護保険3施設

介護保険法の適用で利用できる施設には特別養護老人ホーム(特養)、老人保健施設、療養病床の3つがあり、要介護1から5の人が対象となっています。要支援1・2の人は利用できません。このうち、特養の入所は原則的に要介護3以上となっています。

入所待機者が増える傾向にあるため、中重度の要介護状態の人を優先して入所させているからです。ただし、要介護1・2の人でもやむを得ない事情がある場合には特例的に申請することが可能です。

【介護保険3施設の概要】

特別養護老人ホーム(特養)

  • 65歳以上の要介護者で在宅介護が困難な寝たきりの人などが対象
  • 介護、食事、入浴などのサービスを提供する
  • 入居条件:65歳以上・要介護3以上・施設と契約
  • 費用負担:介護保険の自己負担・居住費・食費など

老人保健施設

  • リハビリや介護を必要とする要介護者が一時的に利用する施設
  • リハビリ、食事、入浴などの看護・介護サービスを提供
  • 入居条件:65歳以上・要介護1以上・施設と契約
  • 費用負担:介護保険の自己負担・居住費・食費など

療養病床

  • 長期にわたり療養を必要とする要介護者が対象
  • 医学的な管理のもと、介護や医療を行う

入居条件:病院と契約・差額ベッド代あり

費用負担:介護保険の自己負担・居住費・食費など

利用にかかる費用

介護保険3施設に入所またはショートステイを利用した場合には、食費や居住費(滞在費)は自己負担が原則ですが、所得の低い人は申請により負担限度額まで負担が軽減されます。利用者の負担額は部屋の種類や施設ごとに契約によって決定します。

たとえば、預貯金や有価証券、現金などの資産の合計が負債を差し引いたうえで単身で1000万円、夫婦で2000万円を超える場合は、食費や居住費が全額自己負担となります。

利用者負担は3つの段階によって振り分けることになっています。

  1. 第1段階:生活保護受給者、世帯全員が住民税非課税で老齢福祉年金を受けている人。おおよそ、後期高齢者のほとんどがこれに当たります。
  2. 第2段階:世帯全員が住民税非課税で、合計所得金額+年金収入が80万円以下の人。
  3. 第3段階:世帯全員が住民税非課税で、第1・第2段階に該当しない人。

それぞれの段階別の日額利用料

居住タイプ 第1段階 第2段階 第3段階
ユニット型個室 820円 820円 1310円
ユニット型準個室 490円 490円 1310円
従来型個室 特養 320円 420円 820円
老健・療養 490円 490円 1310円
多床室 特養 0円 370円 370円
老健・療養 0円 370円 370円
食費 ? 300円 390円 650円

介護保険3施設以外の施設・住宅

近年では、介護3施設以外にも高齢者が余生を過ごすための住居の選択肢が増えていますし、介護に対する世間の理解も進んだことから、高齢者施設に入居することへの抵抗感も減っています。

介護3施設以外の施設や住宅に入居するということは、住み慣れた我が家を離れて、しかもある程度まとまった資金が必要ですので、施設に対する正確な知識と心の覚悟、お金の準備が必要となります。

有料老人ホーム

介護保険施設以外の高齢者施設の代表が「有料老人ホーム」です。ここは介護を必要としない人や自立している人でも入居が可能です。入居のときに入居一時金を支払って、終身の利用権を購入する「終身利用権方式」が一般的で、所有権がある分譲マンションとは異なります。

どういった人からどのような介護サービスを受けることができるかは、高齢者施設を選ぶときの重要なポイントとなります。まずは、その施設が「特定施設」かどうかを調べてみましょう。

特定施設では、介護保険の適用範囲を超えるサービスには別途費用がかかりますし、施設のケアマネジャーが作成したケアプランによって施設の職員が介護サービスを提供しますが、契約以外のサービスについて、会部の事業者の提供を自費で受けることも可能です。

サービス付き高齢者向け住宅

見守りや食事の提供、家事の援助などのサービスを提供し、居室が原則25㎡以上といった一定の基準を満たした高齢者向け賃貸住宅が「サービス付き高齢者向け住宅」です。

食事や介護については別途費用がかかるケースがあります。最近では「介護付き」や「医療・介護連携型」といった介護対応タイプも見られるようになってきます。

まとめ

近年では、介護や高齢者医療に関する理解も進んだこともあり、介護保険の使い方も定着しつつあります。介護保険被保険者証は、自動的に発行されますが、単体では使うことはなく、通常は負担割合証とセットで使います。

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若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。

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