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連帯保証人っていったい何?法改正を含めて解説

 2020/04/09 お金に関する豆知識   79 Views
人の借金の保証人になるな」とい言われてきた人も多いでしょう。とはいっても、実際には保証人には2種類あることや、「連帯保証人」という制度こそが問題であることを知っている人はあまり多くありません。

20204月から大きくルールが変わりますので、この機会に確認しておきましょう。

保証人と連帯保証人との違い

保証人とは

友人や知人から「借金の保証人になってくれ」と頼まれたことのある人もいるかもしれません。自分自身が、「保証人がいあるなら貸してもいい」と言われた経験のある人もいるでしょう。

昔から「人の借金の保証人にだけはなってはいけない」と言われ続けてきました。単に「怖いもの」という認識だけが独り歩きしていて、実際には保証人といっても2種類あることや、その違いについて正しい知識のある人はあまり多くありません。

基本的に保証人とは、お金を借りている人が自己破産したり、夜逃げして連絡が取れなくなったりしたときなど、債務者(借りている人)が支払い継続が不可能と判断されたときに、債務者に成り代わって一切の支払いの責任を持つという人です。

仮に、借入した本人に返済能力が残っていることが分かれば、保証人になった人がいても、まずは借入した本人への取り立てが可能なので「先に本人のところへ行ってください」と返済の要求を突っぱねることができます。

連帯保証人とは?

普通の保証人と連帯保証人との違いを簡単に言うと、連帯保証人は借入をしている人とまったく同じ扱いを受けるという点です。

たとえば、借入している人が返済をしなくなって、すでに連帯保証人との信頼関係も損なわれてしまった状態で、連帯保証人の元に「債務者の代わりに返済して」と請求が来ます。

ここで気をつけたいのは、借入した本人と連帯保証人はまったく同じ立場ですので、「取り立てるなら、借入した本人のところへ」と突っぱねることができないという点です。

もっと重要なことがあります。

連帯保証人は借入した人と同等と扱われるので、本人の返済能力に関係なく貸した側が連帯保証人に返済を請求できます。

債務者に充分な収入や資産があったとしても、それとは無関係に債権者は連帯保証人に返済を要求することができ、連帯保証人はそれを断ることができません。

保証人を頼まれたときや、他人に保証人になってもらう必要があるときには、この点をしっかり認識して良く考えてから判断しましょう。

破産の申立をする人の約1割が、借金の保証人や連帯保証人を頼まれて引き受けた人というデータもあります。軽い気持ちで保証人となったことが発端で、自己破産を選択せざるを得ない状況に追い込まれたことになります。保証人を頼む・引き受けるときには充分な注意が必要です。

法律上の違いを解説

保証人と連帯保証人とでは、債務者(借りている人)が返済できなくなったときに、代わりに返済する義務があるという点では同じですが、大きく2つの点で違います。

1.催告の抗弁

たとえば、貸金業者が保証人に対して返済を請求したときに、まずは主たる債務を負っている人に請求するように主張することができ、これを「催告の抗弁」と呼んでいます。保証人には催告の抗弁権がありますが、連帯保証人にはそのような権利はありません。

2.検索の抗弁

また、主たる債務者が返済できる資力を持っているのにもかかわらず返済を拒否したとき、保証人のほうはその資力を理由として、貸金業者に債務者の財産に強制執行するように主張することができ、これを「検索の抗弁権」と呼んでいます。

保証人には検索の抗弁権がありますが、連帯保証人にはそのような権利はありません。債務者に資力があっても、貸金業者に返済しなければなりません。

また、保証人が複数がいるとき、保証人はその頭数で割った金額のみを返済すれば良いのに対して、連帯保証人はすべての人が全額を返済しなければなりません。

このように、保証人に比較して連帯保証人にはより重い責任が課せられます。そのため、現在では借入での保証人は、ほとんどの場合で連帯保証人にします。

連帯保証人となって返済義務が生じたものの、返済できずに問題を抱える人が後を絶たないという実情もあり、弁護士事務所などが注意を呼びかけています。

賃貸物件での連帯保証人とは

連帯保証人はなぜ必要?

連帯保証人が必要なのは、借入ばかりではありません。生活していくなかで、連帯保証人が必要とされる事態は、賃貸物件を借りる際に生じます。

賃貸物件における連帯保証人とは、借りた人が家賃を支払わなかったときや設備を壊してしまって弁償できないなど、何らかの問題を起こしたときに、本人に成り代わって支払いをする人です。

借主と同じ責任を負うことになるので、非常に重い責任と言えるでしょう。

連帯保証人制度は、単に不動産業界における慣習ではなく民法で定められているため、法的にも拘束力があります。賃貸契約書のなかにも、「連帯保証人は借主が貸主に対して負っている債務について連帯で保証する」と定められています。

これまでは、連帯保証人が保証すべき金額に上限は定められていませんでしたが、民法の改正によって連帯保証人が負うことになる限度額を明記することが必要となりました。

賃貸物件においては、単なる「保証人」ではなく「連帯保証人」となる人を立てる必要があります。というのも、貸す側からすると、家賃を滞納されたり部屋を乱暴に扱われたり、設備を壊されたりしては物件の価値が下がってしまいます。

家賃収入が下がるだけでなく、修理・修繕にも費用が発生するので、金銭的に大きな被害を被るリスクがあります。連帯保証人がいれば確実に家賃や弁償費用を回収することが可能になります。

連帯保証人の条件

連帯保証人は借主に変わって支払いを実行することが求められるので、それなりの支払い能力があることが条件となります。現役で働いている親がいれば、安定した収入があるため、認めてもらいやすいですが、高齢の場合には収入がなかったり、年金収入が少なかったりして認めてもらえないこともあります。

逆に、子供を連帯保証人にしたいときには、子供がすでに就職していて安定した収入があれば連帯保証人として認めてもらえやすいですが、そうとも限りません。賃貸物件は、金銭の借入よりは少し条件がゆるく、親兄弟だけでなく友人・知人でも連帯保証人を依頼することができます。

安定した収入のある友人がいる場合には、連帯保証人として認めてもらえるケースが多いと言えます。

賃貸契約書の連帯保証人の扱いとしては、承諾書に署名・捺印する必要があり、不動産会社にもよりますが連帯保証人の本籍地や勤務先、収入といった支払い能力についても審査されることがあります。そのため、連帯保証人の収入証明書や住民票、印鑑証明の提出などが必要となることもあります。

保証人が立てられないとき

連帯保証人は誰でも良いというわけではなく、審査を通過できる人である必要があります。大きな責任を負うことになるので、引き受けてくれる人がいないときもありますし、親や親戚、兄弟姉妹などに頼みにくいというケースも考えられます。

そういった場合に備えて、近年では連帯保証人を代行する「家賃保証会社」の利用が定着しています。これは審査に通過できるだけの入居者であれば保証会社に保証料を支払うことで、保証会社に連帯保証人の役割を担ってもらえるという制度です。

審査が厳しいのではないかと考えられがちですが、入居者に収入があり、家賃がそれに見合うものであれば、おおよそ審査には通過します。「クレジットカードの支払の滞納」や「携帯電話の支払の滞納」などで審査に落とされると良く言われますが、それは審査する保証会社によって異なります。

保証会社が信販系の会社でない場合には、そもそも個人の信用情報機関にアクセスする権利がないため、借金があっても滞納していても審査に影響しません。審査は30分程度あれば完了します。保証料は2年契約で初回契約時に1万円から3万円程度、あるいは家賃の3割から7割程度が相場です。

また、家賃保証会社に依頼しておけば、家主にとっても安心という面があります。入居者が家賃を滞納したり行方不明になったりしても、保証会社が立て替えて賃料を支払うからです。そのため、最近では賃貸物件の保証人は個人の連帯保証人ではなく、家賃保証会社の利用が必須という物件が増えています。

法律の改正でどう変わる?

上限額を定めていない個人の契約は無効

20204月に改正民法が施行されます。連帯保証人制度についても大きな変更点がいくつかあります。

まずは個人が保証人となる「根保証契約」について、限度額を定めなければ保証契約が無効になるというルールが付帯されます。根保証契約とは、保証人になった時点ではどの程度の債務が発生するのか分からないときでも債務を保証する契約のことです。

これまでは、「連帯保証人は一切の責任を負う」というのが通例でしたが、民法が改正された後は、たとえば「上限1000万円まで」といった限度額(極度額)を定める必要が出てきます。

極度額は保証する人・保証される人の間で、書面などを使って合意して定める必要があります。これまでは、連帯保証人になる人が、その重みを充分に理解しないまま契約してしまった事例が少なくありません。

民法が改正されたので、たとえば「1000万円」と金額が明示されて「こんなに多額の責任を負うことはできない」などと連帯保証人の引き受けを拒むことができます。逆に、貸すほうとしては、極度額を低く設定してしまったら賃貸物件で高額の賃料滞納が発生したときに、不動産会社・家主が回収できなくなってしまいます。

上限額を設定し忘れたり、手続き上の不備があったりすると、連帯保証人の効果が無効になってしまうので不動産のオーナーなどにとってはリスクとなります。

不動産の賃貸借

事業用の不動産物件の賃貸借でも、制度が変更されます。個人が連帯保証人になるとき、借主は連帯保証人に対して、自身の財務状況を説明しなければならないというルールも設けられます。

借主となる会社の売上や利益、経費といった金額や銀行からの借入や返済の状況などについて、決算書などを開示しながら、借主から連帯保証人へ説明を行います。連帯保証人が知らないうちに財務状況が逼迫している会社の連帯保証人となってしまったという事態を未然に防ぐことが可能となります。

この説明を充分に受けなかった、または説明が虚偽で誤認したまま連帯保証人を引き受けてしまったなどのケースで、その事実を不動産オーナーが知ることができたとき、連帯保証契約を取り消すことが可能となります。

制度の改正で連帯保証人はどうなる?

連帯保証人制度には大きな欠点がいくつもありましたが、そのうちのひとつが「保証する金額についての制限がなかった」という点です。極度額の設定がなく、「青天井」という状態であったため、債務者が返済不能になったときに連帯保証人が自己破産を余儀なくされるというケースが相次ぎました。

ポジティブな評価
今回の民法改正では、「最大限いくらまで保証すれば良いのか、契約書の書面に極度額を明記していなければ、保証契約そのものが無効となる」ことになったため、そういった自己破産が減らせることが期待できます。

ただし、金額が記載された契約書を見た保証人が「これほど多くの額を保証できない」と警戒されるというリスクもあり、改正後は連帯保証人を頼むのが今以上に困難となることが考えられます。

また、連帯保証人が死亡した時点で保証すべき金額が確定されることにもなりました。連帯保証人が亡くなったときには、すぐに次の連帯保証人を立てないと、その後に賃料滞納などが発生したときに、連帯保証人の相続人に請求することができません。契約時だけでなく、契約後も常に連帯保証が継続されないというリスクがあります。

連帯保証人を付けて賃貸借契約をしているとき、民法改正の変更点に合わせて契約書を見直さないと保証の条項が無効という扱いになってしまいます。

連帯保証人の制度は大きく変わることとなり、今後は借入や賃貸などで契約のあり方が変わってくるでしょう。

まとめ

連帯保証人は、借主とまったく同様の返済義務を負うという点で単なる保証人とは違います。責任の範囲がまったく異なっているため、借入や賃貸などでは確認しておく必要があります。

また、民法の改正によって大きく制度が変わりますので、連帯保証人を頼む・頼まれるといったケースでは良く確認しておきましょう。

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ライター紹介 ライター一覧

若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。

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