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贈与税はいくらからかかる?上手に贈与税を回避する方法とは

お金に関する豆知識   112 Views

自分が元気で判断力のある間に、子供や孫に贈与をして財産を残したいと考えている人は多くいますが、そこには贈与税というハードルが待ち構えています。ただし、上手に回避する方法もあり、贈与税をかけずに財産分けしていくことが可能です。

様々な条件があるので確認しておきましょう。

基本は110万円から贈与税がかかる

贈与税の基本知識

贈与税がかかるのは、「110万円を超える額を贈与したとき」というのが基本中の基本の知識です。

良くあるケースが、ある程度の年齢になった人が子供や孫に財産分けをする場合です。贈与税は、毎年1月1日から12月31日の1年間に贈与した金額が110万円を超えると申告と納税の必要が出るという仕組みになっています。

ただし、「目的を問わず」「自由な」お金を贈与した場合の非課税枠が110万円ということで、例外も数多く設けられています。

基本的には「110万円あげたら税金がかかる」と覚えておけば良いでしょう。親から子供、祖父母から孫だけでなく、すべての贈与について110万円を超えたら課税対象です。

一方、贈与税の非課税枠では、毎年の110万円の枠の他にも目的別の非課税枠があり、それを利用することによって上手に回避することも可能です。

覚えておきたいポイントは4つです。

  1. 110万円以下なら贈与税はかからない。
  2. 110万円を超えたら、超えた金額に贈与税がかかる。
  3. 110万円を超えて贈与しても課税されない特例がある。
  4. 生活費や教育費といった「日常生活に必要な生活費」には贈与税はかからない。

相続税を回避するために生前贈与するという考え方もありますが、実際には贈与税は相続税よりも格段に税率が高いということも覚えておきましょう。急いで生前贈与を考えるよりも、通常の相続のほうが得することもあります。

ただ、贈与税には特例を活用しながら非課税枠を利用できれば一度に高額の財産を贈与することも可能です。110万円を超える贈与では、非課税枠を最大限に活用できないかどうか検討したほうが良いでしょう。

暦年贈与とは?

1年間に110万円以下なら非課税

贈与は原則的に、「1人が1年間に110万円を超えない金額をもらうとき」には課税されません。1年間というのは1月1日から12月31日の期間を指します。この期間中に110万円以下の贈与であれば非課税です。この制度を「暦年課税」と言います。

贈与税について考えるときに必ず出てくる単語です。毎年110万円の非課税枠があるので、長期にわたって計画的に贈与すると大きな節税となります。

贈与できる主な財産は以下のようなものです。

  • 現金や預金
  • 株券
  • 不動産

コツコツ贈与できる

暦年贈与のメリットは、110万円までなら課税されないという点です。そのため、この範囲内で毎年贈与していれば税金は一切かからないことになります。たとえば1000万円を渡したいというときに、毎年100万円ずつ10年間に渡って贈与すれば贈与税はゼロです。ただし、いくつか注意すべき点もあります。

贈与税の計算

贈与税は、贈与された全額にかかるのではなく、贈与された財産から110万円を差し引いた金額に対してかかります。所得税にも基礎控除がありますが、それと同様に贈与税でも110万円が基礎控除額と考えます。

・計算式

課税価格=贈与財産の合計額-110万円(基礎控除額)

贈与税額=課税価格×税率-控除額

・贈与税の税率表

贈与税は、贈与を受ける人の年齢によって税率が異なります。20歳以上の人に贈与する際には優遇されて特例税率を適用します。20歳未満の人に贈与するときには一般税率を適用します。20歳未満が「一般」、20歳以上が「特例」なので混同しないように注意しましょう。

一般税率(20歳未満に贈与するとき)

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% なし
300万円以下 12% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1000万円以下 40% 125万円
1500万円以下 45% 175万円
3000万円以下 50% 250万円
3000万円超 55% 400万円

特例税率(20歳以上に贈与するとき)

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% なし
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1000万円以下 30% 90万円
1500万円以下 40% 190万円
3000万円以下 45% 265万円
4500万円以下 50% 415万円
4500万円超 55% 640万円
【計算例】

・20歳以上の人に1000万円を贈与したときの贈与税額

1000万円-110万円(非課税枠)=890万円

890万円×30%(600万円超1000万円以下の税率)=267万円

267万円-90万円(控除額)=177万円

1000万円-177万円=823万円(税引後)

・20歳以上の人に1億円を贈与したときの贈与税額

(1億円-110万円)×55%-400万円=5040万円

贈与税を支払うのは誰? いつ払う?

贈与税を支払うのは「もらう側」です。

親や祖父母からもらった場合には、子供・孫に対して贈与税が発生します。一方であげた側である父母や祖父母には税金はかかりません。たとえば、父親が子供二人に100万円ずつ贈与するとき、あげる側は200万円ですが、もらう側は100万円であるため、贈与税は発生しません。

暦年課税では、毎年110万円以内であれば非課税となり、この部分を申告する必要はありません。一方で110万円以上の贈与や相続時精算課税、住宅取得等資金などの特別控除を利用した場合には申告書の提出が必要となります。

また、贈与税は無償で譲渡する資産にかかる税金ですので、所得税はかかりません。会社などの法人から財産をもらった場合には、その額が所得税の対象となります。

贈与された額が1年間で110万円を超えた場合には、贈与税の申告と納税が必要となりますが、贈与を受けたほうが贈与された年の翌年の確定申告時期(2月15日から3月15日)に贈与税の申告書の提出と税務署への納税をすることになっています。

110万円を超えて非課税枠があるケースとは

住宅取得等資金

住宅を購入するときに住宅購入資金の一部を祖父母や両親から支援を受ける際には、住宅取得等資金の贈与として非課税枠が活用できます。この贈与では、非課税枠は時期によって異なるため注意が必要です。また、省エネ等の住宅でも非課税枠が異なっていますので、良く確認しておきましょう。

住宅取得等資金等の贈与の非課税枠(消費税8%の場合)

住宅用家屋の取得等に係る契約の締結期間 省エネ等の住宅 その他の住宅
2016年1月1日~2020年3月31日 1200万円 700万円
2020年4月1日~2021年3月31日 1000万円 500万円
2021年4月1日~2021年12月31日 800万円 300万円

住宅取得等資金等の贈与の非課税枠(消費税10%の場合)

住宅用家屋の取得等に係る契約の締結期間 省エネ等の住宅 その他の住宅
2019年4月1日~2020年3月31日 3000万円 2500万円
2020年4月1日~2021年3月31日 1500万円 1000万円
2021年4月1日~2021年12月31日 1200万円 700万円

この制度は有効に活用すると、暦年課税の非課税枠である110万円を追加したり、夫婦で倍額の2400万円+220万円の非課税枠を活用したりすることも可能です。年齢制限はありませんが、贈与を受けた人の年収が2000万円以下であることが条件です。

教育資金

良くあるケースとして、祖父母が孫のために教育資金を一括で贈与するというものがあります。このときには、非課税枠は大きく増えます。親が子に贈与するケースでも同様です。

子供・孫の教育にかかわる費用を両親や祖父母から贈与されるときの非課税枠は、2013年4月1日から2021年3月31日までの間なら、子供1人につき1500万円までとなります。これは学校などに支払う学費について適用されるものですが、塾や習い事でも非課税枠があり、このときには500万円までとなります。

ただし、この制度を利用するにあたっては、金融機関に「もらう側」の子や孫の教育資金口座を開設して領収書を提出して、資金を払い出すことになるので注意しましょう。贈与専用の口座をわざわざ開設して管理します。また、受け取る側が30歳に達したときに残額があった場合には贈与税の対象となりますので、概算ではなくきっちりと計算したうえで贈与しましょう。

暦年贈与として110万円までは、これまで通り非課税ですので1年に1回まとめて110万円までの金額を贈与することも可能です。110万円の非課税枠では専用口座を準備する必要はありませんし、利用範囲が限定されないので、習い事や塾、スポーツスクールなど幅広い使途に利用できます。

また、非課税枠が1500万円といっても使わなかった部分については課税対象となってしまうので、毎年の学費の支払いのときに贈与するという方法のほうが賢いやり方かもしれません。

結婚・子育て資金

結婚や子育てのためにかかる費用も、高額出費となります。子供や孫のために支援したいと考えている人も多いでしょう。この場合にも、非課税枠が増枠となります。

利用は2021年3月31日までとなっていますが、その後も継続される可能性があり、2021年までに利用状況によって非課税枠を設定すると推測されています。

対象となる子・孫は20歳以上50歳未満で、こういった人たちの結婚や子育ての資金を贈与する非課税枠は子供1人につき1000万円までとなっています。結婚資金では300万円までが非課税です。ただし、2019年以降は、贈与を受け取る側の前年の合計所得が1000万円を超えるときには利用できません。

この制度も教育資金と同様に、一括贈与して金融機関に子・孫名義の「結婚・子育て資金口座」を開設して領収書を提出して資金を払い出す必要があります。

相続時精算課税

贈与税は、相続税に比較すると税率は非常に高く設定されていますが、贈与する本人が生前に管理・譲渡できるというメリットがあります。贈与することによって、本人の意思が反映され財産分与で揉めることも少なくなります。こ

の点で2つの税には、相続税なら税率は安いが生前の意思が反映されにくい、贈与税なら生前の意思が反映されるが税率が高いというジレンマがあることになります。これを解消するのが「相続時精算課税」です。

相続のときに一括でお金を渡すのではなく、自分が必要と考えたときに渡したい場合、相続のタイミングを待たずに生前に贈与するという制度で、贈与した年に贈与税の支払いをせずに、贈与した人が亡くなって相続手続きが発生した際に精算するという仕組みです。

この制度では、60歳以上の人が、20歳以上の子・孫に贈与した場合に2500万円までが非課税となります。相続のタイミングを待たずに、本人の意思で資金を移動できることや、利用する目的が問われないこと、贈与財産と相続財産が2500万円を超えた場合にも税率の低い相続税での申告ができることなどがメリットです。

一方で、相続時精算課税を利用すると、暦年贈与が利用できないことや、途中で止めることができないこと、毎年少額の贈与であっても申告が必要になるといったデメリットもあります。相続させる側と相続する側とで良く話し合って決めましょう。

暦年贈与の注意点

口座の管理

1人が1年間にもらう財産が110万円までであれば、贈与税が非課税となります。これを暦年贈与といい、この範囲内であれば毎年贈与しても税金はまったくかからないことになります。また、暦年贈与の範囲内であれば贈与を受けても税の申告も必要ありません。

1年間というのは、毎年1月1日から12月31日までを指します。ある年の12月30日に100万円、次の年の1月5日に100万円と合計200万円の贈与を受けても、年が異なっているので贈与税は発生しません。

注意したいのは、「あげる側」と「もらう側」を混同しないことです。暦年贈与の非課税枠である110万円は「もらう側」の限度額で、たとえば1人の贈与する側が、2人の子供にそれぞれ100万円を譲渡して合計200万円を渡したとしても、もらう側が110万円以内なので非課税です。

また、贈与を考える際に大切なポイントは、もらった側が「贈与された認識があるかどうか」という点です。渡す側は譲渡の意思があるから渡すことになりますが、もらう側にも同意のうえで贈与が成り立っていることが大切になります。

良くある勘違いとして、親が子供に内緒で子供名義の通帳を勝手に作ってお金を定期的に振り込むのが法的に問題なしと認識しているケースがあります。これは子供の立場からしたら贈与されている認識がありません。そのとき、いざ相続となったときに「名義預金」という扱いになって贈与されたと主張しても認めてもらえず、相続財産として相続税の対象となってしまいます。

贈与を受ける人の口座を開設して暦年贈与を行うときには、以下の3つを注意しましょう。

  1. 口座の存在を贈与を受ける側の人にきちんと伝えておく。
  2. 口座開設時の登録印は、贈与を受けた人が普段使える印鑑にする。
  3. 普段から贈与を受けた人が自由意思で引き出せるように、通帳と印鑑を管理する。

いわゆる「こっそり贈与」「ナイショの贈与」は話としては美しいですが、税制としては認められません。

計画的贈与にしない

もうひとつ、暦年贈与でありがちなミスが、計画的贈与とみなされるケースです。

単に「毎年110万円までなら非課税」とだけ考えて毎年決まった日に渡していると、計画性があるとみなされ、贈与全体に対して課税される恐れがあります。

たとえば、子や孫の誕生日に同じ金額を贈与するときです。この額が100万円で、毎年同じ時期に銀行口座にお金を入れているとき、あらかじめ贈与する金額決まっていて、まとまったお金を贈与する予定だったとみなされることがあります。

毎年、同じ日付に同じ金額を同じ人に贈与し続けるのを連年贈与と言いますが、このような贈与をする際には贈与契約を取り交わして、証拠として銀行送金で贈与するという方法でやるようにしましょう。

コツコツ贈与は良いやり方ですが、しっかりと贈与の事実を書面に残しておかないと、いざというときに総額で相続税として課税対象になる恐れがあるので、贈与させるときには双方で贈与契約を結んでおきましょう。家族間で契約書を作成するのは違和感のあるところですが、税制対策として行う限りは、税法上で文句の出ない形にしておきましょう。

相続税の発生3年以内で注意

毎年110万円の範囲内でコツコツと贈与をすることは、もらう側としてもありがたいですし、最終的に相続税を非常に低くすることにもつながります。ただ、贈与する側が亡くなったときには、相続開始前3年以内に行った贈与は相続税の課税対象として戻されてしまいます。

たとえば、毎年100万円ずつ子供にコツコツと贈与している人が、暦年贈与を始めて7年後に亡くなってしまったとき、総額700万円のうち4年間分の400万円には暦年贈与の効果で課税対象とはなりませんが、亡くなる3年前からの300万円は暦年贈与の効果がなくなり、相続税の計算対象として持戻しとなります。

このときに、亡くなった人の財産からたとえば1000万円を相続するときには、1300万円が課税対象となります。

この制度を「3年内加算」と呼びますが、これは法定相続人にのみ適用されるもので、たとえば親が子に贈与していて、子が法定相続人となるときには適用されますが、祖父が孫に贈与していて、孫は法定相続人ではないときには適用されません。

法定相続人でも相続放棄をした場合にも3年内加算は適用されません。内縁の妻やお世話になった人への贈与として渡した場合にも、相続関係はないため、3年内加算の対象にはなりません。

贈与契約書が有効

贈与はあげる側ともらう側の契約があって成り立つものです。そのため、暦年贈与では何かしら契約書になるものを取り交わしておくのが、いざというときに役立ちます。相続税として算入されないための手段のひとつとして有効なことには間違いないでしょう。

とはいえ、もし贈与する相手が小さな子供であったときには、もらう側の意識が薄いというケースもあり得ます。贈与の基本は、贈与する人・される人の合意があることが条件ですので、こういった場合でも贈与契約書を作成して証拠を残しておくほうが良いでしょう。

契約書はごく簡単なもので構いません。贈与者・受贈者の氏名と贈与額、贈与した年月日を記載して押印しておくだけで効力を発揮します。できれば印鑑は実印を使用して印鑑証明を添付すると良いでしょう。

契約しておくだけでなく、贈与の事実を示すためにお金の受け渡しも銀行の送金で行いましょう。贈与の日付や金額、誰から誰への贈与なのか金融機関の記録として明確に残ります。もし、110万円以上の金額を贈与した際には、「もらった側」がしっかりと贈与税の申告をしましょう。あくまでもらう人が実施することも重要です。

まとめ

贈与税の範囲内で生前贈与しておくことは、財産を確実に子・孫に渡していくときに有効な方法ですが、制度を良く理解したうえで行いましょう。課税対象になるケースはどういうときかを理解しておくことが大切です。

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若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。

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