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ファクタリングの手数料の仕組みと負担

 2019/08/01 ファクタリング   11,289 Views
 

ファクタリングには手数料が発生します。一般的には金融機関の融資と比較すると、ファクタリングの手数料は高めに設定されています。

ファクタリング会社により手数料も異なっていますので、利用前には必ず手数料の仕組みと負担を確認しておきましょう。

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ファクタリングの手数料

着手金

3万円程度まで。ただし現在では多くのファクタリング会社が着手金無料でサービスを提供しています。

諸費用(実費)

「実費」はファクタリングを利用する場合に発生する諸費用のことです。必ず負担しなければいけません。

諸費用 金額
事務手続費用 1社につき10,000円程度
契約書貼付収入印紙代 200円~
債権譲渡登記費用(登記の必要がある場合) 15,000円~
登記抹消費用(登記後、抹消を行う場合) 1,000円~
公正証書(契約内容により発生) 5,000円~43,000円程度
確定日付(契約内容により発生) 700円

これらの諸費用(実費)は契約金額により異なってきます。

手数料

手数料は業界用語で「掛け目」とも呼ばれます。取引内容や利用状態などにより、以下のようなケースで決められます。

手数料(掛け目) 適応されるケース
1~5% 3社間取引、入金口座の変更や管理権限の譲渡、売掛先への通知が必須の場合
6~15% 2社間取引、売掛先や利用企業の信用力が高い場合2回目以降は安くなる傾向があります。
15~20% 2社間取引、1回目の利用の場合はこの程度の手数料から開始される傾向にあります。
20~40% 2社間取引、信用力が低い、売掛金額が非常に小さい場合

消費税は?

ファクタリングは「売掛債権の譲渡・金銭債権の譲受け」に該当し、非課税となります。そのため消費税についても発生せず、非課税となります。

ファクタリングの手数料は高い?

例えば「30日後の100万円の売掛金を80万円で売る(手数料20.0%)」というケースを考えてみましょう。

この場合「80万円を借りて、30日後に100万円にして返済する」と同じ状況となります。これを金利に換算すると、1ヶ月あたり25%、年利に換算すると300%となり、非常に高いことがわかります。

一般的な銀行融資やビジネスローンの実質年利は2~15%とされており、さらに法律上は20.0%以上の年利契約は認められていません。

この点から、ファクタリングの手数料はやはり「高い」といわざるを得ないでしょう。

ファクタリング会社にとっては、ファクタリング契約、とくに償還請求権の無い2社間ファクタリングは非常にリスクの高い内容です。また売掛先から回収した資金を自社の資金繰りに流用されてしまうリスクもあります。

ファクタリング会社にとっては高リスクとなる可能性が高い契約ほど、手数料は高く設定する必要があります。

中小企業の中には年利15%程度のビジネスローンなどの金融機関融資を受けることのできない企業も多くあります。スピードや審査の通過率を考慮すると、ファクタリングは有効的な資金調達手段であることは違いありません。

しかし手数料負担が高額となることも考慮しておきましょう。

手数料を抑えられるファクタリングとは?

手数料が高い、それがファクタリングの一番の心配点でもあります。一般的にはじめてのファクタリングでは契約金額に対して20%程度を手数料として支払うこととなります。

100万円の売掛金があり、100万円の資金調達ができるのではなく、100万円の売掛金から20%の手数料を支払い、さらにそのほかの着手金や、事務手続き費用などの諸費用を差し引いた残りが資金調達できる金額です。

諸費用には10万円~20万円必要となりますが、利用するファクタリング会社によって大きく異なっています。

この点を考慮すると、複数のファクタリングを比較・検討することが手数料や諸費用を抑えるポイントといえるでしょう。

初めてのファクタリングで手数料が高い理由

手数料は掛け目とも呼びます。いわゆる融資による金利と似たものです。融資は、契約者の信用情報などによる「返済ができるか」というリスクが数字になります。

ファクタリング手数料は、中小企業事業主と取引先の信用力による「売掛金が回収できるか」のリスクに対する数字になります。

過去に何度かファクタリングの実績がある取引先であれば「売掛金の支払いの可能性が非常に高い」と判断されるでしょう。最も重要になるのは、「ファクタリング会社が売掛金を回収できること」です。

この図式があって始めてファクタリング会社が成り立ちます。資金支払だけを行って売掛金が回収できないのであれば、事業性資金のみが対象となっているファクタリングでは大きな損失を被ることになります。

初めてのファクタリングで手数料がなぜ高いのか、もうお分かりになったでしょう。売掛先が売掛金を支払うか、信頼実績がない一番の理由はここにあります。

一方、初めてのファクタリングでも、手数料を幾分抑えられる可能性があるとすれば必要書類の用意です。取引先との基本契約書や、実際の取引を明確にする入金のための通帳など、「取引先が信頼される材料」を十分に用意しましょう。

「売掛金の回収は全く問題ない」と判断されると、それだけリスクが低いファクタリング取引と認められます。

例外として初めてでもファクタリング手数料が抑えられる場合もある

「取引先が売掛金を支払うかどうか?」それが手数料を決める最大の焦点でもあります。そうなると、その可能性が高い取引先といえばどうでしょうか?

  • 取引先が大手である
  • 取引先が国や保健事業関連である

以上のような「おおよそ売掛金の支払いができないとは世間一般的に考えてもありえない、」そういわれる取引先もあります。当然審査は行われますが、審査・調査が行われれば行われるだけ有利になる取引先であるといえます。

取引先の与信が高ければ、初めてのファクタリングでも手数料を抑えられる傾向にあります。

もちろん、上場企業などの大手であっても長い付き合いであること、毎月の入金実績が目に見えていることなど重要なポイントはあります。また、大手企業以上に、国や保健事業関連が取引先になるとさらに有利になります。

実は福祉関連専門のファクタリング会社もあります。高齢者社会となっていることもあり福祉事業は今、国を挙げて確保していかなければならない事業でもあります。回収のリスクはファクタリング会社にとっても大きく下げることができるでしょう。

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ライター紹介 ライター一覧

若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。