1. 借入DX
  2. ビジネスローン
  3. 審査の甘いビジネスローンはありますか?

審査の甘いビジネスローンはありますか?

ビジネスローン   30,781 Views

中小企業の経営者にとって、毎日の資金繰りは頭を悩ます課題です。事業を継続し拡大していくには、何かと資金が必要となります。運転資金・設備資金・季節投資資金などを上手に調達しなければいけません。

しかし大企業ならともかく、中小企業や零細企業、個人事業主など事業規模の小さな企業では、その資金調達もうまくいくとは限りません。普段から取引を行っている銀行に借入を申し込んでも、よい返事をもらえずに困惑するケースもあるでしょう。

そのようなときに上手に活用していきたいのが「ビジネスローン」です。

中小企業の支援を目的としたビジネスローンであれば、比較的審査も通りやすい商品もあります。審査の甘いビジネスローンの仕組みを知っておけば、いざというときの強い味方となってくれるでしょう。

Sponsored Link

審査が甘いビジネスローン

ここでは比較的審査に通りやすいとされているビジネスローンを紹介します。必ず合格できるとは限りませんが、審査に不安な事業主の方は利用を検討してみてはどうでしょうか。

表はスライドしてご覧いただけます
審査 商品名 金利(実質年利) 借入可能額
甘い アイフルビジネスファイナンス 3.1%~18.0% 50万円~1,000万円
アクト・ウィル株式会社 7.50%~15.00% 300万円~1億円
株式会社オージェイ 30万円~2,000万円 10.00%~15.0%以下
オリックスVIPローンカードBUSINESS 6.0%~17.8% 最高500万円
オリコCREST for Biz 6.0%~18.0% 10万円~300万円
MRF長期間元金据置プラン 4.00%~9.90% 100万円~3億円
出光クレジット株式会社 不動産担保ローン 2.6%~9.8% 100万円~1億円未満
セゾンファンデックス カードローン(個人事業主専用) 6.5%~17.8% 1万円~500万円
オリコビジネスサポートプラン 6.0%~15.0% 最高1,000万円
普通 ジャパンネット銀行 ビジネスローン 4.8%~13.8% 10万円~500万円
楽天スーパービジネスローン 1.5%~15.0% 50万円~3,000万円
プロミス 自営者カードローン 6.3%~17.8% 300万円まで
アコム ビジネスサポートカードローン 12.0%~18.0% 1万円~300万円
アイフル 事業サポートプラン(無担保ローン) 3.0%~18.0% 1万円~500万円
厳しい 三井住友銀行ビジネスセレクトローン 2.125%~ 1億円以内
りそな銀行 りそなビジネスローン「活動力」 6.0%・10.0%・14.0% 10万円以上500万円以下
東京スター銀行 スタービジネスカードローン 6.5%~14.5% 50万円~500万円

アイフルビジネスファイナンス「ビジネスローン」

金利 3.10%~18.0%
借入可能金額 最大1,000万円

大手消費者金融の完全子会社である「アイフルビジネスファイナンス株式会社」のビジネスローンです。個人事業主・法人経営者向けのローンカード型ビジネスローンで、運転資金・設備資金・仕入資金・つなぎ資金など様々な資金需要に対応しています。最高1,000万円までの高額融資が、最短即日融資に対応。累計10万口座超の利用実績を誇る人気の高いビジネスローンです。

アイフルビジネスファイナンスの公式サイトはこちら

オリックスVIPローンカード「BUSINESS」

金利 6.0%~17.8%
借入可能金額 最高500万円

オリックス・クレジット株式会社が提供している個人事業主・法人経営者向けのローンカード型ビジネスローンです。オリックスグループに属する消費者金融のビジネスローンですので、安心して利用できます。最短60分での審査回答、即日融資が可能で急な資金需要にも対応できます。

ビジネスパートナー「スモールビジネスローン」

金利 9.98%~18.0%
借入可能金額 最高500万円

中堅企業である株式会社ビジネスパートナーが提供している個人事業主・法人経営者向けのローンカードです。東京・札幌・仙台・新潟・名古屋・大阪・福岡と主要都市に展開。最短即日審査、最短翌日融資が可能。カード利用の場合、セブン銀行ATMで365日、24時間利用可能ですので、1枚保有しておけば安心です。

オリエントコーポレーション「CREST for Biz」

金利 6.0%~18.0%
借入可能金額 最高300万円

クレジットカード大手の株式会社オリエントコーポレーションが提供している個人事業主向けのローンカード型ビジネスローンです。大手信販会社のビジネスローンであり安心して利用できます。全国17万台を超える提携ATM・CDで借入、返済が可能ですので、急なs金需要でも安心です。

審査の甘いビジネスローンの見分け方の3つのポイント

ビジネスローンを取り扱う消費者金融にも様々な先があります。はたしてどのような先が「審査が甘い」といえる先なのでしょうか。そのポイントを探ってみましょう。

①上限金利が高い先を選ぶ

金利は低いほど利息負担が少なくなるのは言うまでもありません。しかし「できるだけ審査が甘い」先を選ぶというのであれば、全く逆になります。

金利が高い=審査基準が甘い」という関係を考えると、金利、それも「上限金利が高い」ビジネスローンが「審査が甘い」先となります。

②中小の消費者金融

消費者金融にも事業規模があります。CMなどで知名度の高い大手先はそれだけ条件面もよい商品をそろえています。しかしそれだけ競争も激しく、審査基準も高くなってしまいます。

一方、それほど知名度の高くない中小の消費者金融では、審査基準もそれほど高くありません。大手先との顧客獲得競争に打ち勝つためにも、審査基準を下げて顧客を獲得する必要があります。

また申込数が少ない分、数値だけを基準とした審査ではなく、より顧客のアピールを重視した審査も可能になります。それだけ審査も柔軟な対応が期待できます。

③ビジネスローンを専門としている先

中小の消費者金融には大きく次の2種類があります。

  • 個人向け融資を中心にしている先
  • 事業融資を専門としている先

「審査が甘いビジネスローン」を求めるのであれば、後者を選択するべきです。事業融資が専門ということは、事業融資の実績も豊富で貸倒リスクを見極める審査ノウハウと融資データも整っています。

一方、個人向け融資を中心としている消費者金融の場合は、事業融資の融資データが不足しているケースも少なくありません。事業融資に対する審査ノウハウの不足から、貸倒リスクを高く見積もる必要もあり審査も厳しくなってしまうのです。

ビジネスローンの審査通過する為のコツ

審査基準が甘いビジネスローンであっても、まったく審査を行わないわけではありません。「審査が甘い」とは「銀行融資に比較して審査に通りやすい」ということであって、どのような企業でも審査に合格できるという意味ではありません。

銀行の事業性融資では決算書の数値を中心とした「スコアリングシステム」が導入されています。しかしスコアリングシステムは高度なシステムであるために、導入するコストも高額です。

またスコアリングシステムをうまく運用するには、過去の膨大な実績も不可欠です。「コスト」と「実績」という2点の要素は中小の消費者金融では、満たすのが難しいという背景があります。

ビジネスローンを商品化している中小の消費者金融では、審査担当者が昔ながらの「アナログ」な方法で審査決定を行っているケースも多くあります。それだけスコアリングに左右されない審査の可否も期待できるわけです。

そこで重要になるのが「決算数値では表現しにくいアピール」をすることです。

  • 事業計画の数字の確実性の高さを述べる
  • 数か月先の売上、利益予想を資料を含めて説明する。
  • 今の決算数値が一時的に悪化しているという場合は、その明確な理由を説明する。理由
  • 対策方法を述べて、今後の決算数値が改善する理由を説明する
  • 経営者の熱意を伝えるような説明を行う

このような「アピール」により、審査担当者に「融資を行っても大丈夫」という印象を強く与えることがポイントとなります。もちろん「当社は大丈夫!」というだけはいけません。アピールポイントを裏付けする資料を作成して説明することが大切です。

ビジネスローン審査に通りやすくするための3つのポイント

審査が甘いとされているビジネスローンでも、必ず審査に合格できるとは限りません。事業収入からの返済見込みに問題がなければ審査には合格できないでしょう。

その他にも審査に合格するにはいくつかのポイントがあります。ここでは、審査に通りやすくするために注意すべきポイントを探ってみましょう。

①借入希望額を少額にする

審査の可否は借入希望金額にも大きく影響します。全く実績の無い事業者が1,000万円を超える融資希望をいきなり相談してきたら、金融業者も不信感を抱くのは当然です。

特に新規で申し込む場合は、まずは少額の申込から行いましょう。少額融資で実績を積んでいくことで、金融業者との信頼関係を築いていくことが大切です。返済実績を積み上げていけば高額融資への増額も可能になります。

②保証人を準備する

可能であれば保証人をあらかじめ準備して審査に臨みましょう。十分な資産能力を持つ保証人を立てることができれば、審査の通過率も高くなります。

法人の場合は、通常代表者が保証人になる必要があります。それ意外に第三者を保証人とすれれ、金融業者は「代表者」「第三者」に万が一の返済履行を要求することができます。それだけ貸倒リスクを減らすことができるのです。

③担保を準備する

担保、特に不動産担保を提供できるのであれば、積極的な活用を検討しましょう。万が一返済不能となっても提供された担保を処分することで、債権回収を図ることができることから、審査の通過率も各段に高くなります。

ビジネスローンを提供する中小の消費者金融の中には、有効な不動産担保が準備できれば、決算内容に多少の問題がある場合でも、融資を認めている先もあります。自社不動産以外にも、代表者の親族が保有している不動産を担保提供できないかどうか検討してみましょう。

ビジネスローンは銀行に比べて審査が甘い?

消費者金融のビジネスローンは、銀行融資に比較して金利が高めに設定されています。そのため審査基準が銀行融資に比較して緩やかであるとされています。それはなぜでしょうか?

金利 貸倒リスク 審査
高い カバーできる 甘い
低い カバーできない 厳しい

つまり金利が低いと金利による利息収入も少なくなり、それだけ「貸倒リスクをカバーできない=容易に貸倒を引き起こせない」ことになり、それだけ審査基準を厳しくする必要があるのです。

逆に、金利が高ければ貸倒リスクをある程度カバーでき、審査基準も引き下げることができます。

元々、ビジネスローンとは銀行が開発した商品の総称です。銀行では融資額の大きい中堅企業や大企業への融資に注力していました。しかし日本の企業の99%以上は中小企業・零細企業が占めています。

銀行としてもビジネスの主流である中小企業・零細企業の市場を獲得する必要があり、そのために次のような思惑の元、開発された融資商品が「ビジネスローン」です。

  • 金利を高く設定することで貸倒リスクをカバーする
  • 決算書を元にしたスコアリングシステムにより審査コストを抑える

しかし、実際の現場では想定された貸倒率以上に損失が発生してしまい、銀行は「ビジネスローン」の提供に難色を示すようになります。これに代わって消費者金融がビジネスローン市場に参入して、現在のビジネスローン商品が確立するようになりました。

消費者金融のビジネスローンには、次のような特徴があります。

  • 審査スピードが早い
  • 比較的小口融資が中心
  • 金利が高め
  • 審査基準が銀行に比較して甘い

以上の理由から(消費者金融が提供する)ビジネスローンは銀行融資に比較して「審査が甘い」とされているのです。

当然、消費者金融のビジネスローンといっても、どのような事業者でも審査に通るわけではありません。しかし銀行で申し込んでダメだった企業でも、消費者金融のビジネスローンでは審査に合格できるチャンスがある点は、中小企業・零細企業の経営者にとっては大きな要素であるといえるでしょう。

闇金には注意!!

CMなどで知名度の高い大手金融業者のビジネスローンは安心して利用できます。一方、中小の消費者金融の中にはあまり知られていない金融業者がほとんどです。

審査の甘いビジネスローンを選ぶには、知名度の低い金融業者のビジネスローンを選択する機会もありますが、安心感という点で不安を感じる事業者も多いでしょう。

知名度の低い金融業者の中には「闇金」と呼ばれる先も多くあります。一見魅力的な条件を提示していますが、実際には高額な利息や手数料を請求されることになりますので注意しなければいけません。

  • 必ず融資します。
  • 他社で断られても大丈夫
  • 審査なしで即融資
  • ブラックでもOK

このような宣伝を掲げている先は、闇金ですので決して関わらないようにしなければいけません。闇金は法律を遵守しない違法業者です。しかし、一見法律上の上限金利を守っているように広告していますが、実際には「手数料」などと偽って高額な負担を強いることもあります。

闇金であるかどうかを見極めるには「登録業者」であるかどうかを確認してみましょう。貸金業を営むためには「都道府県知事」「財務局長」の登録番号が必ず必要になります。金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で業者名と番号の登録状況を確認してみましょう。

まとめ

資金繰りに困る中小企業の強い味方が、審査の甘いビジネスローンです。銀行融資に比較して通過率が高く、融資までの日数もそれほど必要としません。

中小企業の事業では、突如資金繰りに困窮する事態もあるでしょう。そのようなときには中小のビジネスローンの利用もひとつの有効的な手段です。

しかし「審査が甘い」といっても、必ず審査に合格するとは限りません。

普段から資金繰りに注力し、いざという場合にこれらのビジネスローンを利用できるよう金融業者との関係を構築していくことも大切ではないでしょうか。

Sponsored Link

ライター紹介 ライター一覧

若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。