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求職者支援制度とは?職業訓練受講給付金の申込方法をわかりやすく解説

お金に関する豆知識   39 Views

失業者を支援する国の制度のひとつに求職者支援制度があります。これは仕事を探しているが失業手当の対象とならない人のために、無料の職業訓練と給付金をセットで受給できる制度です。職歴にブランクのある人やニートの人にもおすすめです。

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求職者支援制度の基本的な設計

どういう人向けか

求職者支援制度は「雇用保険の資格がない人」または「受給期間が終了した求職者」が対象で、給付金を支給し無料の職業訓練の受講を勧める制度です。具体的には以下のようなケースで利用可能です。

  • パートや短期派遣などの非正規雇用で働いていたので、雇用保険の受給資格がない人
  • 正社員として働いていた期間が足りなくて失業手当の給付が早めに終わってしまった人(1年以上働かないと手当の給付はない)
  • 雇用保険を受給している間に再就職できなかった人
  • 高等学校や大学を卒業したときにどこにも就職できなかった人
  • 専業主婦で未就職期間が長い人
  • ニート(非労働者であって通学・家事を行っていない人)
  • SOHO、飲食店など自営業を営んでいたが廃業した人
現在の日本は、学生のときに就職活動をしたのにうまくいかなかった人が非常に多く、そういった人たちがフリーターやパートタイマーになどをやっていたり、仕事ができずにニートになったりしている状況です。

2009年に「基金訓練」という名称で雇用保険を受給できない人を対象に無料で職業訓練を行っていたものを、さらに内容を拡充したものが求職者支援制度です。働く意志も能力もあるのに、就職口がなく収入も少ない人が、充実した職業人として人生を歩めるように設計されています。

給付金をもらいながら職業訓練を受けられる

求職者支援制度は、失業保険や生活保護などの公的な給付金をもらうことができない人が早期に就職できるように国が支援してくれる制度です。

通常、仕事がない人が公的な支援として受けられるのはハローワークによる求人紹介です。ただ、ニートなど「今まで働いたことがない人」にとっては、これさえ高いハードルとなってしまいます。何もスキルがなく、未就職期間が長かったり働いたことがなかったりする人が雇用される可能性は非常に低いからです。

求職者支援制度では、こういった人向けにスキルアップのための職業訓練を受けながら、職業訓練受講給付金を給付して生活を支援します。給付金は毎月10万円と交通費です。職業訓練は大きく2つのコースに分かれていて、ニーズに合わせて選択できます。

  1. 基礎コース:社会人経験のない人向け
  2. 実践コース:特定分野の専門知識を身につけて就職したい人向け
給付金を受給することができるので、スキルアップして就職したいが学校に通うお金がないとか、生活のために今やっているパートを辞めることができないといった理由で職業訓練を受けることを諦めている人でも利用しやすい制度になっています。

制度利用者の半数以上が就職に成功している

厚生労働省の発表では、求職者支援制度を利用して職業訓練を受けた人のうち、正社員といった雇用保険が適用される就職を果たした人は半数を超えています。雇用保険が適用されるのは、正社員・契約社員・派遣社員・アルバイトなどが含まれます。

雇用保険に加入しているということは、いずれの雇用形態であっても一定時間以上の勤務時間があって、安定して長期間働けることが見込まれる勤務先に就職できたことを意味します。

コース別では、社会人としての基礎を学ぶコースよりも、具体的な職業スキルを学べる実践コースのほうが就職率が高くなっています。

コース別就職率(2014年度)

設置数 受講開始者 修了者 就職者数 就職率
基礎コース 363コース 4259人 3874人 2011人 51.90%
実践コース 583コース 7005人 6552人 3680人 56.10%

ハローワークに登録している人全体では、就職に成功した人の割合は33.4%程度ですので、求職者支援制度を活用してしっかりと勉強してスキルアップを図った人のほうが就職できる確率が高いことを示しています。

求職者支援制度で受けられる支援とは

職業訓練

1.受講料無料

求職者支援制度で利用できる科目には、Web系のソフトウェア関連や事務販売員向けの營業分野、医療事務、施設介護員などがありますが、多くは専門学校など民間の教育訓練期間が提供するもので、受講者は地域にあるスクールに通うことになります。

通常なら10万円から30万円程度かかる授業ですが、これらの受講料はすべて無料です。ただし、テキスト代などの実費は自己負担となります。期間はコースによって異なりますが、3ヶ月から6ヶ月ほどです。授業のスケジュールはたとえば、平日の午前9時から午後4時くらい、50分の授業6コマというように組まれます。夜間のコースも選択できます。

2.基礎コースと実践コース

コースは大きく2つに分かれます。パソコンのスキルやビジネスマナーといった会社で働くための基本を学べる基礎コースと、ITや介護などの専門的なスキルを学べる実践コースです。

【実践コースの具体例】
  • 介護スタッフ養成科:介護分野で働くための知識と技能の習得
  • 経理事務実践科:経理事務に関する簿記や税法知識、PC操作の習得
  • 医療事務科:病院や診療所での仕事に関する知識や技能の習得
  • Webデザイナー科:Webデザインや画像処理、ホームページ作成の知識と技能の習得
  • 建設機械運転科:大型特殊自動車や車両系建設機械などの教習や検定

それぞれのコースは都道府県のハローワークが管轄しているので、全国どこでも同じコースが受講できるわけではありません。地域ごとに「求職者支援制度 認定コース情報」などのワードで検索してみましょう。

3.基礎コースから公共職業訓練へ

最初に基礎コースを受講したが就職が決まらなかったとき、ハローワークで認められれば継続的に専門的な公共職業訓練コースを受講することも可能です。ただし、実践コースや公共職業訓練コースを受講すると、その後は少なくとも1年は他のコースを受講することができないので注意しましょう。

職業訓練受講給付金の支給

給付金をもらえる条件

この支援制度のメリットは、職業訓練受講給付金として毎月10万円の給付が受けられる点にあります。訓練している間に収入がなくなる心配をしないで良いので、安心して訓練に集中できます。ただ、家族の収入や資産など、以下のような条件があります。

  • 本人収入が月8万円以下
  • 世帯全体の収入が月25万円以下
  • 世帯全体の金融資産が300万円以下
  • 現在住んでいるところ以外に土地や建物を所有していない
  • すべての訓練実施日に出席している
  • 同世帯のなかに同時に同じ給付金を受給している人がいない
  • 過去3年以内に、虚偽申告などの不正行為によって特定の給付金を支給を受けたことがない

「世帯全体の収入が月25万円以下」ということは、年収にすると300万円です。両親の世帯に入っている人なら、この額は超えてしまうことが多いでしょう。そういった場合には給付は受けられませんが、職業訓練は受けられます。

遅刻欠席に注意

給付金を受けるには、すべての訓練実施日に出席する必要があり、遅刻・欠席は厳しくチェックされます。ただし、やむを得ない場合もあるので、そのときには欠席が許可されます。以下のようなときには欠席にカウントしません。

  • インフルエンザなどの感染症に感染したとき
  • 家族がインフルエンザなどの感染症に感染し、看病の必要があると医師に判断されたとき
  • 企業実習中にインフルエンザなどの感染症にかかった人が出て、訓練を受講できなかったとき
  • 大規模災害によって訓練に行けなくなったとき
  • 裁判員に選ばれたとき
  • ハローワーク指定の来所日と重なったとき
  • 就職活動の試験や面接の日と重なったとき

求職者支援制度への申し込み

まずはハローワークへ

求職者支援制度を利用するには、まずはハローワークに行きましょう。現在仕事をしていないが、働きたいと意思を伝えて、求職の申し込みをします。そこで実施される就職相談で求職者支援制度を使いたいと伝えて、自分がこれまでやってきたことや、やりたいことに合わせたコースを選んで申し込みをします。

今まで働いたことがない場合でも基礎コースの受講をしたいと言えば検討してもらえますし、給付金制度の利用ができるかどうか判断のうえで支援制度を申し込めます。基本的に申し込みは随時で、いつでも申し込めますが、コースによっては始まるタイミングが合わずに申し込めないこともあります。

人気のあるコースは抽選などで漏れてしまう場合もあります。また、就職相談のときに「このコースは必要ない」と判断されることもあります。

申し込みの流れ

  • 求職申し込み:ハローワークに仕事を探したいと申し出て、求職者支援制度を使いたいと説明する。給付金をもらいたいときには、同時に申し込む。
  • コース選択:ハローワークで就職相談を受けて、受講する訓練コースを選択する。インターネットでも検索可能。
  • ハローワークに申し込み:受講申し込みの書類をもらって手続きする。求職者支援給付金をもらいたいときには、同時に必要書類を持って事前審査の申請をする。
  • 訓練実施機関に申し込み:受講申し込み書をハローワークに確認してもらい、希望するコースを実施している訓練実施機関に提出する。
  • 試験および面接:訓練実施機関が行う面接や試験を受ける。筆記試験による選考が行われることもある。
  • 就職支援計画の作成:選考を通過したら、合格通知を持ってハローワークに行き、就職支援計画を作成してもらう。
  • 定期的にハローワークへ:訓練が始まっても、毎月1回は指定来所日にハローワークに行って受講状況や就職活動の状況を報告する。給付金手続きも行う。できる限り早く就職することを目指す。

必要書類

手続きは役所ごとに異なることもありますし、提出する書類も違ってくるケースもあります。個人の事情によって違いも出てきます。ハローワークで聞きながら準備しましょう。おおまかな必要書類は以下のようなものです。

  • 本人確認書類:運転免許証やパスポートなど
  • 制度を申し込む際に渡される書類:受講申込書・事前審査書・職業訓練受講給付金要件申告書・職業訓練受講給付金通所届など
  • 本人や家族の収入の証明となる書類:前月の給与明細書・源泉徴収票など本人を含む家族全員の前年の収入を証明するもの・本人を含む家族全員の預金通帳のうち残高が50万円以上のもの・給付金の振込先となる通帳

どのコースを受講すべきか

どういったコースを受講すべきかについては、自分の社会人経験や希望する就職先に合わせてハローワークと相談しながら決めることになります。そもそも社会人経験がない人も対象となっていますし、長期にわたって仕事から離れている人もいますので、基本的なパソコンのスキルがない場合には、ビジネスマナーやパソコンの基礎から教えてくれる基礎コースを受講するのが良いでしょう。

実践コースを希望している人は、今までやってきた仕事を基本に考えるほうが良いでしょう。未経験職にチャレンジしたいときには、以下のコース別就職率を参考にしてみましょう。

分野 IT 営業・販売 医療事務 介護福祉 デザイン
コース数 14コース 142コース 85コース 171コース 46コース
受講者数 186人 1468人 1254人 2159人 554人
割合 2.7% 21% 17.9% 30.8% 7.9%
修了者 169人 1360人 1175人 2047人 511人
就職者数 73人 746人 717人 1376人 231人
就職率 43.1% 54.8% 61% 67.2% 45.2%

実践コースで就職率が高いのは設置コース数も多い介護福祉の分野です。これに次ぐのは医療事務となっています。こういったコースの他、建築や製造、農業、林業といった分野があります。女性には美容系のネイリストやエステティシャンなどの分野が人気のコースですが、安定した就職にはつながっていないと報告されています。

選考試験がある

選択するコースによっては、選考試験が実施されることもあります。職業訓練を行っている教室の面接を受けるというパターンが多いですが、一部に筆記試験が課せられることがあります。

職業訓練の教室を開いているのは、専門学校などの民間企業です。訓練に通っている人の就職率が悪いと職業訓練学校としての評価が悪くなるため、そもそも就職する気がない、その見込みが低いと思われるような人は選考で落とされます。特に人気のコースを受講したい場合には注意が必要です。

おおよそ、面接試験だけというケースがほとんどで、筆記試験があってもあまり高度な問題は出題されません。事前の準備は必要ないものばかりです。

とはいえ、面接にあたっては、通常の会社の面接や学校の面接試験などと同様に、相手の印象を悪くするようなことは止めましょう。どうせ受かるはずがないと思って、そっけない態度を取るようなことは禁物です。この制度の主旨は、資格を取ることではなく「就職・再就職する」ことです。

授業を妨害しそうだと思われたり、他人に悪影響を及ぼしそうだと思われたりすると不合格となります。すぐに止めそうな人も学校側としては受け入れ難いものがあります。

受け入れる側としても、国から多額のお金を援助してもらって運営しています。すぐに止めてしまった、来なくなってしまったというのでは、学校にも迷惑をかけます。そういった状況も考えて面接に望みましょう。現状では、ほとんどの訓練の倍率は1倍台か、それ以下です。追加の募集をかける講座も多くあります。

社会人らしくマナーを守っていれば、だいたい受かると考えていいでしょう。常識的に考えて行動しましょう。

合否通知から訓練開始まで

試験に合格した場合には通知があります。講習が開始される前日までにハローワークに来所して、就職支援計画を作成してもらいましょう。この計画書を元に訓練を行うことになります。また、受講推奨通知書があれば、それも持っていきましょう。

訓練を実施する学校に必要書類を提出したら、訓練が開始されます。給付は受けられなくても、訓練だけは無料で受講できるというケースもあります。どちらにせよ、無料で就職のための訓練を受けられるので、非常に良いチャンスと言っていいでしょう。休んだりサボったりすることなく、しっかりと勉強しましょう。

訓練期間はおよそ3ヶ月から6ヶ月程度です。その間は、訓練機関で決められたルールを守って行動します。なかには、小中学校のように教室の掃除をすることもあります。そういったことも訓練の一環と考えて真面目に取り組みましょう。

注意点

  • 出席は100%でないと給付金が出ない。
  • 遅刻・早退も厳禁。どうしてもダメな場合には申告する。
  • 訓練を途中で辞退すると給付金は停止される。過去にさかのぼって返金要求されることもある。
  • 最初の給付申請以降も毎月指定日にハローワークに言って給付の手続きをする必要がある。

求職者支援制度のメリット・デメリット

メリット

この制度のメリットはテキスト代などを除くと受講料が無料である点でしょう。通常なら何十万円かかるような講座を無料で受けられるというのは、人生に大きな影響を与えます。就職に必要な知識や技術を学べて、資格を取得することも可能です。また、失業保険がない状態からお金をもらうことができるのも大きなメリットです。

しっかり通学していれば毎月10万円と通学費用がもらえます。定期券を3ヶ月から6ヶ月で購入することも可能です。講習中もハローワークに行っておけば、積極的に就職支援をしてもらえます。もし、給付金がもらえなくても、講習に受かれば受講は可能です。

親にはお金があるので、自分は給付がないという状態でも利用でき、就職に向けた訓練を受けられるのは大きいでしょう。

デメリット

デメリットとしては、役所がする仕事であるためにスピードが遅いという点です。申し込んだらすぐに決定とはいきません。書類の準備があり、提出と審査があり、そこから通知という流れで、時間がかかります。また、給付金が決定してもすぐにお金がもらえるわけでもなく、何日か待たされることがあります。

また、給付には一定の制限があります。訓練受講中から訓練終了後の3ヶ月間は原則的に毎月1回、ハローワークが指定する人に来所して就職相談を受けなくてはなりません。

最も大きなデメリットと言えるのが、「出席10割」でないと給付が下りないという点です。電車が遅れて遅延証明を出しても受け付けないという訓練校があると言われており、かなり厳しい条件を課せられます。途中で嫌になって止めたという場合には、給付をさかのぼって返金を求められます。世帯年収によっては給付金が受けられないこともあります。

まとめ

ある程度の条件はつくものの、求職者支援制度は今まで働いていない人も対象として、お金をもらいながら職業訓練を受けられる制度です。無職になってから長期間経ってしまったという人も対象となっています。

給付には制限があり、出席100%と厳しいものがありますが、「今までニートだったが、心機一転して就職したい」と考えている人にとってはありがたい制度と言えるでしょう。

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若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。

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