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保険証の種類はいくつある?種類一覧と借入・入居審査での違い

お金に関する豆知識   75 Views
日本には「国民皆保険」という非常に優れた制度があり、様々な課題はあるものの、現状では世界的にも恵まれた医療制度に国民は支えられています。この制度によって、日本のすべての国民は3種類ある医療保険のいずれかに加入することになっており、いつでもどこでも安心して医療機関を利用できます。

日本の国民皆保険とは

誰もが医療にアクセスできる制度

日本人なら誰もが「健康保険証」を持っています。医療機関で治療を受けたときには、窓口で保険証を提示することによって医療費の一部のみを負担するだけで済みます。

ネガティブな評価
当たり前のように受けている基本の医療サービスですが、医療費を軽減するためのシステムとしての「国民皆保険」がない国もあり、医療制度としては日本はかなり恵まれた環境であると言っていいでしょう。

先進国であっても、日本のような公的な保険の種類が少なく、民間保険が中心の国もあれば、無保険者を多く抱えている国もあります。日本でも大正時代以前は、病気は自己責任と考えられており、多くの一般大衆は医療費の支払いに苦しんでおり、適切な医療サービスが受けられないということが多発していました。

昭和に入ってからようやく「公的医療保険制度」が制定されますが、当時の国力向上という思想のもとでは、大企業で働く人や官僚など一部の限られた人たちのみが保険の加入対象でした。1955年ごろまでは国民の3分の1ほどが無保険状態で、多くが農業や自営業、小規模企業の従業員という状況で、大きな社会問題となっています。

こうした状況を受けて1958年に国民健康法が制定され、従来の公的制度の対象から除外されていた人たちにも、保険証が交付されるようになっています。

1961年に全国の市町村で国民健康保険事業が開始されて、従事する職業の種類にかかわらず、誰でも平等に保険利用を受けることができるようになっています。国民皆保険制度によって、日本に住んでいる限り誰でも簡単に医療機関にアクセスが可能です。

国民みんなで支え合う制度

日本では原則的にすべての国民が「公的医療保険」に加入することになっています。国民皆保険というのは、国民であれば必ず全員が加入していることを意味します。

この制度は、加入者である国民がみんなで支え合うことで成り立っています。加入者がそれぞれに出し合った保険料を、加入者やその家族などが病気になったり怪我をしたりしたときにかかる医療費の一部に充てられます。

たとえば、病気になって医師に診断してもらったときに「1500円」の医療費がかかったとします。領収書には「患者負担割」という項目があり、ここには「30%」などの割合が示されます。このとき、実際には5000円の医療費がかかっていますが、そのうち3500円を保険制度から支払われていることになります。

3500円はみんなが支払っている保険料によって担保されます。これが国民皆保険という制度です。

公的医療保険には、政府や企業、都道府県などの運営保険者の違いによっていくつかの種類に分かれます。種類は違いますが、全国どの医療機関を使っても平等な医療給付が受けられることには変わりません。

基本的には、保険証の提示によって医療費の3割が自己負担で、残りの7割を公的な保険料から支払うことになっています。被扶養者が小学校入学前のときには自己負担は2割、70歳以上の場合には世帯所得などの条件によって自己負担の割合は1割または2割に減ることもあります。

健康保険証の種類一覧

健康保険証の種類として、まずは大きく「国民健康保険」「社会保険」「後期高齢者医療制度」の3種類があります。自分が加入したことがない保険に対して制度の内容や種類も知らないというケースがあります。ライフスタイルの変化や加齢で加入する保険も変わりますので、覚えておくと良いでしょう。

国民健康保険

国民健康保険は、市町村や都道府県が運営者となっているもので、主な加入対象者は農業や自営業者などです。フリーターや退職者も国民健康保険の加入者となります。地域が運営者であるため「地域保険」という名称もあります。

国民健康保険の種類は以下の4つです。

  1. 国民健康保険被保険者証
  2. 国民健康保険退職被保険者証
  3. 短期被保険者証
  4. 前期高齢者医療制度

1.国民健康保険被保険者証

国民健康保険被保険者証は、国民健康保険に加入している人が使う保険証です。農業や自営業の人が加入しているのが、この保険証です。加入している市町村ごとにデザインが異なります。印字されるのは「住所・氏名・生年月日」のほか、記号・番号・保険者番号などがあります。

2.国民健康保険退職者被保険者証

国民健康保険退職者被保険者証は、退職者医療制度に加入している人が使うものです。この制度は2008年4月に施行された新しい高齢者医療制度によって廃止されていますが、経過措置として2014年度までに加入した人はそのまま継続して使っています。

そのため、新規で加入する人はいませんが、以前からこの保険証を持っている人は65歳になるまで使用します。

3.短期被保険者証

短期被保険者証は、国民健康保険を滞納した場合に、通常の保険証に代わって交付される保険証です。有効期限は1ヶ月から6ヶ月となっており、市区町村が保険料の滞納の状況から判断して設定することになっています。

この保険証は保険料の滞納が6ヶ月を超える人に交付されるもので、1年以上滞納すると保険証は返還しなければなりません。あくまで経過措置として交付されるものです。

子ども短期被保険者証

子ども短期被保険者証は、保護者が国民健康保険の保険料を滞納して資格証明書を交付された場合に、高校生以下の子どもへ交付される保険証です。資格証明書は、保険料を1年以上滞納したときに交付される書類で、これを利用したときには医療費の負担が10割となりますが、後日領収書を添えて申告すると一部が払い戻しされます。

こういったケースでも子ども短期被保険者証があれば、医療機関に受診したときの自己負担が3割で済みます。有効期限は6ヶ月で、それまでに扶養者が保険料の滞納を解消する必要があります。

4.前期高齢者医療制度

前期高齢者医療制度は、65歳から74歳までの人を対象とした制度で、国民健康保険と被用者保険の間で発生する医療費負担のギャッブを調整するための制度です。保険証そのものは本人が以前から加入しているものから変更する必要はありません。そのまま継続して使用できます。

この制度は、後期高齢者医療制度のように独立したものではなく、医療費負担を調整するものであるため、被保険者は75歳になるまで今までの保険を継続利用できます。

保険証も特に変更されることはなく、国民健康保険や被用者保険から交付された保険証と同じになります。

社会保険

社会保険は、企業や共済組合などが運営者となっているもので、会社に勤めているサラリーマンや公務員などが主な加入者です。運営者が職場であることが多いため「職域保険」という名称もあります。

職域保険(社会保険)の種類は以下の4つです。

  1. 協会けんぽ(全国健康保険協会)
  2. 健康保険組合
  3. 共済組合
  4. 船員保険

1.協会けんぽ(全国健康保険協会)

協会けんぽは、自前の健康保険組合が存在しない中小企業などの従業員と家族が加入する保険で、保険証もこの協会が発行したものになります。

協会けんぽは社会保険の最もベーシックなもので、企業がそれぞれに独自で運営している健康保険組合は、この保険制度にプラスアルファの要素を持たせたものです。

2.健康保険組合

健康保険組合は、大企業などが協会けんぽ制度を基本として独自の組合を作って運営しているもので、保険証もそれぞれの企業で独自のデザインになっています。この保険のメリットは、協会けんぽで規定されている給付金だけでなく企業が独自に付加給付が追加されることです。福利厚生の一環として健康に関する施策を実施している組合もあります。

3.共済組合

共済組合は、公務員や私立学校の教職員を対象とした社会保険の組合で、保険証は組合が発行したものになります。どのような制度設計になっているかは、各組合のホームページにまとめられています。組合員に被扶養者がいるときにどうなるのか、若干の違いがあります。

4.船員保険

船員保険は、海上で働く船員を対象とした保険です。保険証は全国健康保険協会が発行したものになります。船員保険はあまり知られていませんが、漁船や運搬用の船、ヨット、モーターボートに乗ることを仕事にしている人でも加入できます。

後期高齢者医療制度

後期高齢者医療制度は、75歳以上の人、または65歳以上で一定の障害のある人が加入する独立した医療制度です。保険証は、各都道府県に設置された後期高齢者医療広域連合が発行したものになります。

この制度に加入している人は医療費の自己負担額が1割で済みますが、一定の条件により現役で働いている人と同様の所得者と判定された場合には3割負担となります。国民健康保険や社会保険に加入している人も、特例を除いて、おおよそ全員が75歳以上になると後期高齢者医療制度へ一本化されて加入することになります。

保険証の色によって公的医療保険の種類が分かる

日本は完全な国民皆保険制度を持っています。国民であれば誰でも保険に加入できる制度です。こういった公的医療保険では、それぞれの運営者や加入対象者によって若干の制度の違いがあります。自分がどの保険に加入しているのか分からないという人もいるでしょう。

そういった場合にも、すぐ分かるように保険証の色によって、どの種類の公的医療保険に加入しているのか判断することができます。

保険証の色 保険の種類 特徴
青系 協会けんぽに加入している会社員とその扶養家族 民間の協会で運営されている
黄色系 共済組合に加入している国家公務員または地方公務員、一部の後期高齢者医療制度に該当している人 公務員では保険証ではなく組合員証と記載されている
赤やピンク系 各自治体の国民健康保険や企業の健康保険組合の保険の加入者 現在の協会けんぽや共済組合ではない
灰色系 自治体が発行する介護保険の加入者 エリアや時期によっては通常の国民健康保険が灰色のときがある
紫系 国民健康保険や後期高齢者医療制度に該当している人 時期によって色が変わることがある
緑系 国民健康保険や船員保険など 船員保険では黄緑色

国民健康保険と社会保険の違い

国民健康保険

国民健康保険は社会保険や共済組合などの保険に加入していない人が対象です。主に自営業者とその家族、農業を営んでいる人、年金受給者、フリーター、日本に長期滞在する外国人などが加入しています。

国民健康保険では「扶養」という考え方はなく、加入者の各個人が被保険者となるのが特徴です。加入者が1名ずつ被保険者であって、国民健康保険の保険料の計算は各世帯の加入者数と前年の1月から12月の所得や年齢をもとに算出されます。

保険料は住民票の世帯ごとに算出され、世帯主が世帯全員分の保険料を納めるという仕組みになっています。

社会保険の特徴

社会保険には協会けんぽと組合健保の2種類があります。協会けんぽは、中小企業が運営しているケースが多く、組合健保はグループ企業や大企業が運営するケースが多いというのが特徴です。

正社員だけでなく、パートタイムやアルバイトなどの勤務形態の人でも労働時間などの一定の要件を満たしていると社会保険に加入することができます。

扶養についての考え方は、国民健康保険と大きく異なっています。社会保険では、同一生計の配偶者や子ども、親などの親族を扶養に入れることができて、被扶養者が何人いても被保険者の健康保険料が変わることがありません。

保険料は加入者本人の標準報酬月額(4月から6月の給料の平均)を元に計算します。また、国民健康保険では被保険者が保険料の全額を支払いますが、社会保険では被保険者と事業所が折半して負担することになっています。

2つの保険の切り替え

社会保険と国民健康保険では加入対象者が変わるので、独立開業した際にには注意が必要です。退職や転職などの雇用環境の変化によっては健康保険の切り替え手続きが必要となります。

国民健康保険から社会保険に切り替えるケースで考えられるのは、健康保険適用事業所に正社員で雇用されたり、または労働時間の要件を満たしているアルバイトとして雇用されたりしているケースです。対象となる従業員は各市町村の担当窓口で国民健康保険脱退のための手続きを行います。

逆に、会社を退職して独立開業する際には、社会保険から国民健康保険に切り替える必要があります。保険証を事業所に返還し、社会保険の資格喪失手続きをしなければなりません。

注意点
注意すべきなのは、資格喪失は「退職日の翌日付」という点です。資格喪失日から自動的に国民健康保険の保険料が発生するので、早めに手続きしておきましょう。

保険証の番号・記号の持つ意味とは?

記号・番号の見方

健康保険証には「記号・番号・保険者番号」という3つの数字が記載されています。

  1. 記号:ひとつの健康保険組合のなかで、被保険者の所属する会社ごとに割り当てられた数字が「記号」です。協会けんぽの場合には年金事務所の管轄の区分で割り当てられた地域やひらがなを数字に変換したものを事業所記号として用います。年金事務所の書類では「事業所整理記号」と表記されています。
  2. 番号:同じ事業所内での被保険者の従業員ごとに割り当てられた番号です。扶養家族がいるときには、その扶養家族も従業員と同じ番号となります。
  3. 保険者番号:被保険者ごとに割り当てられた数字です。所属している会社が変わっても、健康保険の被保険者が同じときには同じ番号となります。協会けんぽに加入している会社にいた人が、別の協会けんぽに転職したときなどでは、保険者番号は同一のものを用います。

保険番号の仕組み

保険者番号は通常8桁で構成されています。国民健康保険は6桁ですが、他は8桁となっています。

番号の構成は以下のように決まっています。

  • 初めの2桁:医療保険制度の区分
  • 次の2桁:保険者の都道府県ごとの所在地
  • 次の3桁:保険を管轄する責任者の番号
  • 最後の1桁:検証番号
最初の2桁を「法別番号」と呼んでいます。医療保険制度の区分を表しています。この番号から、どの保険に属しているのか分かります。
  • 協会けんぽ:「01」
  • 船員保険:「02」
  • 日雇特例被保険者:「03」「04」
  • 組合管掌健康保険:「06」
  • 国家公務員:「31」
  • 地方公務員:「32」
  • 警察共済組合:「33」
  • 公立学校共済組合/日本私立学校新興・共済事業団:「34」
  • 後期高齢者医療制度:「39」
  • 特定健康保険組合/特定共済組合:「63」「72~75」
組合管掌健康保険というのは主に大企業の従業員であることを示します。

消費者金融の借入の際の審査や、賃貸物件の入居審査などでも確認されることがあり、法別番号がなければ国民健康保険であって、会社の正社員ではないなどといったことを知られることがあります。

特に重要なのは最初の2桁

さらに詳しく「法別番号」を見てみると、ここでほとんど身分が分かるようになっています。法別番号がなければ国民健康保険ですので、自営業者や農業などの従事者であることが分かりますし、それ以外であるときも勤務先まで詳しいことが分かります。

以下のように法別番号は区別されています。

法別番号 医療保険の分類 医療保険の名称
なし 国民健康保険 国民健康保険
01 社会保険 全国健康保険協会管掌保険(協会けんぽ)
02 社会保険 船員保険
03 社会保険 日雇特例被保険者の保険(一般療養)
04 社会保険 日雇特例被保険者の保険(特別療養費)
06 社会保険 組合管掌健康保険
07 社会保険 防衛省職員給与法による自衛官等の療養の給付
31 社会保険 国家公務員共済組合
32 社会保険 地方公務員等共済組合
33 社会保険 警察共済組合
34 社会保険 学校共済組合
39 後期高齢者医療制度 高齢者の医療確保に関する法律による療養の給付
63 社会保険 特定健康保険組合
67 国民健康保険 国民健康保険法による退職者医療
72 社会保険 国家公務員特定共済組合
73 社会保険 地方公務員等特定共済組合
74 社会保険 警察特定共済組合
75 社会保険 公立学校特定共済組合/私立学校新興共済事業団

同じ社会保険であっても、法別番号によって区分されており、たとえば警察職員は番号だけで把握できますし、学校の教職員も同様に把握できます。

整理番号から分かること

健康保険証の右上に記載されている番号は「被保険者整理番号」と呼ばれています。この番号は会社が設定した独自のルールに基づいて割り振ることになっていますが、多くの場合過去から現在まで含めた被保険者の加入手続きの順番で割り振られます。そのため、この番号だけで会社の入社がいつ頃なのか推測可能です。

若い番号であるほど、その会社に入社した時期が古いことを意味するため、勤務歴が長く、高い役職に就いている可能性が高いと判断できます。日本は年功序列制度の職能給制度が多いため、この番号でおおよその推測ができます。

実際に、会社を興したら、その会社で最も番号が若いのは創業者になります。通常はそこから入社順に連番となります。大企業かどうかも保険証から分かりますし、番号から勤務歴まで分かるので、保険証といえども個人情報としては秘匿性は高いと言えるでしょう。

実際に、健康保険証の番号を見て人を判断することもあります。消費者金融の審査で正社員と偽って申し込みしても、保険証の整理番号を見れば虚偽と判明してしまいます。賃貸物件の入居審査にも影響するので、「たかが保険証」と甘く見てはいけません。

まとめ

普段あまり意識することはありませんが、健康保険証には数多くの情報が記載されます。改めて自分の保険証を良く見てみましょう。保険証に関することで注意しておきたいのは転職・退職したり独立開業したりした場合です。保険証の切り替えを自力でやるケースもあります。

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若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。

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