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生活保護で障害者加算が支給される条件とは?

 2019/12/28 お金に関する豆知識   43,705 Views

生活保護には生活扶助、住宅扶助といった8種類の扶助があり、目的に応じて支給される仕組みになっています。急な出費に伴う一時的な扶助も認められています。

この他、妊娠や出産、一人親といった場合には加算がありますし、障害者手帳の交付を受けている人向けの「障害者加算」という制度での加算を受けることもできます。

申請者が申告しない限り支給されないので、しっかり要求しましょう。

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障害者加算の概要

どのような趣旨の加算か

生活保護には、いくつかの扶助制度が設けられています。支給額では支払えない出費に対応したもので、たとえば妊娠した際には確認された翌月から「妊婦加算」という加算額が支給されます。児童のいる世帯には「児童養育加算」が受けられます。

障害を持つ人は、生活がより一層困難となることが推測されますし、特別な需要があってお金がかかるため、障害者加算という制度を利用できます。

障害を抱える家族が、その看護にあたるときに母子家庭や妊婦と同様に中等程度以上の労働に従事している状態にあると考えられます。その分だけ働いているとみなされて、増加熱量分を補填するというのが、障害者加算の本来的な趣旨です。

創設されたときには、看護にあたる人に対して加算されるものでしたが、2015年から障害者本人に対する加算となっています。特別な需要とは、たとえば以下のようなものを推測しています。

食料費 車イスの利用や、義肢・義足の使用のために必要な増加エネルギーの補填
住居費 障害に応じた居住環境、自炊などのために家庭用品の改善費用
保健衛生費 障害の部位を生活に保つ必要があるため、薬品や衛生材料などの医療費に余分な費用を要する

これらは身体障害者を想定して考えられていますが、精神障害者に対しても、同様に食料費や保健衛生費がかかると想定されるために、障害者加算の適用を受けることができます。

支給条件

  1. 障害等級表の1級もしくは2級または国民年金法成功例別表に定める1級のいずれかに該当する障害のある者
  2. 障害等級表の3級もしくは国民年金法施行令別表に定める2級のいずれかに該当する障害のある者

上記のいずれかの条件を満たしているときに障害者加算が支給されます。

1に該当する者

  • 身体障害者手帳1級または2級に該当する障害のある者
  • 障害年金1級に該当する障害のある者

2に該当する者

  • 身体障害者手帳3級に該当する障害のある者
  • 障害年金2級に該当する障害のある者

加算額

居住環境 該当する条件 加算額
1級地 1に該当する場合 2万6750円
2に該当する場合 1万7820円
2級地 1に該当する場合 2万4880円
2に該当する場合 1万6590円
3級地 1に該当する場合 2万3010円
2に該当する場合 1万5430円
入院患者
社会福祉施設入所者
介護施設入所者
1に該当する場合 2万2260円
2に該当する場合 1万4830円

支給条件に該当するだけでは支給は開始されません。該当したことを福祉事務所に申請した日の翌月から支給されます。

その後、障害が改善されて支給要件を満たさなくなったときには、障害者加算の支給はなくなります。

身体障害者は基本的に障害が悪くなることはあっても、改善されることはほとんどないため、いったん認定されればそのままずっと支給されるケースが多くあります。

精神障害者の場合には、改善する可能性があるため、障害者手帳での判定が必要となります。

障害者手帳の更新をしないと支給も打ち切られる可能性があるので注意しましょう。

認定方法

1.提出書類

申請には以下の書類を提出する必要があります。

  • 身体障害者手帳
  • 国民年金証書
  • 特別児童扶養手当証書
  • 福祉手当認定通知書
  • 医師の診断書、その他の障害の程度が確認できる書類

2.手帳の等級表とは別にして考える

同じ障害を持っていても、どの等級表を参照するかによって条件が異なります。身体障害者手帳の等級表では3級でも、障害年金の等級表では2級となるような事態は良く起こります。

どちらかに該当すれば加算の支給要件は満たすので、どちらかが認められなかったとしても、別の方法で支給要件を満たすことができるケースもあるので、良く検討してみましょう。特に精神障害者の場合には自分では判別がつかないことがあります。

3.申請しないと受給されない

障害者手帳などを持っているだけで要件は満たしていても、申請しなければ受給することはできません。そのため、後になってから障害者加算に該当することが判明したとしても、判明した時点からしか障害者加算は付きません。受給要件を満たした時点にさかのぼって支給されないので注意しましょう。

障害等級表の1級に該当するような障害のときには、誰が見ても分かるほどに重い障害ですが、3級程度の障害のときには申請がなければ該当するかどうかは判別しにくいときがあります。そのため、本来は障害者加算が支給されるのに見逃されてしまうことが非常に多くあります。

障害者手帳が支給されたら、担当のケースワーカーに報告しておきましょう。福祉事務所によっては3ヶ月程度さかのぼって支給してくれることもあります。

精神障害者保険福祉手帳で支給される可能性がある

精神障害者の場合でも、障害者加算が支給される可能性があります。精神障害者保健福祉手帳により障害等級が1級または2級と判定された場合です。3級は対象とはなりません。

精神障害者保険福祉手帳で1級または2級に該当しているとき、障害年金1級または2級として年金が支給されますが、この判定には時間がかかります。判定にかかる期間中に暫定的に障害者加算が支給されることになっています。

もし障害年金1級または2級に該当しなかった場合には、該当しないことが判明した日の属する月の翌月から障害者加算の支給がなくなります。逆に、障害年金1級または2級に該当した場合には、そのまま継続して障害者加算が支給されます。

精神障害者の場合でも、申請しないと支給は開始されません。本人では判別もつかず、放置してしまっているケースは非常に多くあります。そのため、周囲の人が注意しておくべきでしょう。

支給されるのは、精神障害者保険福祉手帳の交付年月日または更新年月日が障害の原因となった傷病の初診日から1年6ヶ月を経過していない場合には障害者加算は支給されません。この点も注意しておきましょう。

精神障害者保険福祉手帳とは

①対象となる疾患

生活保護で近年増えているのは、精神疾患が要因で働くことができないので生活保護や障害者年金、障害者加算を申請するというケースです。ここで見過ごされがちなのが、障害者手帳の存在です。この手帳があって初めて障害者加算が受けられるので、良く把握しておきましょう。

精神疾患においても、日常生活では通常の生活保護者よりもコストがかかることが多くあります。働いているが、より給与の低い仕事に回されることもありますし、通常の人よりも日常の動作に時間がかかってしまうこともあります。そういったコストを補填するという意味合いで障害者加算が支給されます。

精神障害者保健福祉手帳は、精神保健福祉法が定めたもので、症状や生活における支障の程度に合わせて1級から3級の障害等級に区分されています。

対象となるのは、長期にわたって精神疾患があり、そのことで生活に制限がかかっている場合です。長期というのは、その疾患での初診から6ヶ月以上経過していることを指します。精神疾患では、初診から生活保護を受給する程度にまで悪化するまでに長い時間がかかるケースがほとんどです。

多くの疾患に対応していますが、代表的なものは以下のものです。

  • 統合失調症
  • うつ病、双極性障害
  • てんかん
  • 薬物やアルコールによる急性中毒やその依存症
  • 高次脳機能障害

この他にも、国際的な判断基準である世界保健機関の定義する発達障害も精神疾患に含まれます。知的障害と精神疾患の両方があるときには、精神障害者保健福祉手帳と療育手帳の両方の交付を受けられることあります。

精神疾患の場合には、本人だけではどうにもできず、周囲の人が良く見てあげている必要があります。支給される条件を満たしているのに申請していなければ、それだけ生活は困窮していきます。良く下調べして確実に申請しておきましょう。

②等級

精神障害でも、身体障害と同様に生活における支障の程度に応じた等級が分けられています。生活への支障や症状に応じて1級から3級までありますが、これは周囲の人の見解も含まれますし、医師の診断も必要なので等級分けは困難なこともあります。

障害等級 生活における支障の程度
1級 常に誰かの助けがなければ日常生活を送ることが難しい
入院しているか、在宅でも自発的な外出や、食事の用意・入浴などの身の回りのことが一人でできない
ささいな出来事がきっかけで症状が再発したり、悪化したりしやすい
2級 他人の助けをときどき借りなければ日常生活をうまく過ごせない
一人で外出できるが、ストレスがかかる状況が生じた場合に対処が難しい
身の回りを清潔に保ったり、家事をこなしたりするときに他人のアドバイスや助けを必要とすることがある
病院に行くなど、習慣となっている外出はできる
デイケアや自立訓練(生活訓練)、就労移行支援や就労継続支援などを利用できる
大きなストレスを受けると症状の再発や悪化を招きやすい
3級 一人で外出できるが、大きなストレスがかかる状況が生じると対処が難しい
デイケアや自立訓練(生活訓練)、就労移行支援や就労継続支援などを利用できる
疾患への配慮がある職場の場合は、一般企業で働くことができる場合がある
日常的な家事をこなせるが、状況や手順が変わると対処が難しいことがある

等級による税金の優遇制度や医療費の助成制度を受けることも可能です。障害等級の判定は、生活における支障の程度のほかに各疾患の症状に応じた基準もあり、診断書の内容などを総合的に判断して等級が決まります。

どの等級にも当てはまらない非該当という区分もあり、このときに不承認通知書が交付されます。等級や非該当になったことに納得できないときには不服を申し立てることもできます。また、手帳の有効期限内に疾患の状態が変化した場合には障害等級の変更を申請することもできます。

④手帳の交付

精神障害者保健福祉手帳を取得するには、6つの手順を踏む必要があります。更新や書き換えのときも概ね同様です。

申請書の受取

手帳の申請は、居住する市町村の担当窓口から行います。市役所や町村役場の障害者福祉主管理課、特別区なら保健所や保健センターに申請書などを提出します。

医師の診断書

診断書を書くのは原則として精神科医です。てんかんの場合には内科医や他科の医師でも問題ありません。

申請書を提出

原則的に精神障害者保健福祉手帳の申請は障害者本人が行わなければならないことになっていますが、保護者や家族、医療機関職員による申請書類提出や手帳の受取代行ができます。

審査

都道府県知事が診断書をもとに審査し、精神疾患の事実と機能障害、生活能力を確認します。今後の変化も考慮して総合的に判定し、理由を付記したうえで申請者に通知します。

交付

審査の可否を問わず、交付通知書が送付されます。手帳交付が決定したときには、記載されている指定の日時に居住する市役所や保健所の窓口に出向くことになります。

手帳受取

窓口では手帳の取得によってどのような福祉サービスが受けられるのかなどの説明を受けます。申請から交付・手帳受取までには約2ヶ月の期間がかかります。

⑤注意点

精神障害者保健福祉手帳には2年間の有効期限があります。交付された日から2年後の申請月の末日です。更新したいときには手帳に記載されている有効期限の3ヶ月前から申請できます。

申請には、新規申請のときと同じ必要書類に加えて、現在の手帳の写しを提出します。あらためて等級の審査が行われ、病状が変化していれば更新前とは異なる等級で交付されることもありますし、非該当と判断されて手帳が交付されないこともあります。

精神疾患は長期にわたって生活に制約が出ている場合に交付対象となるものです。そのため、等級に変更がある可能性があるので注意しましょう。等級によって受けられる行政サービスも変わります。

注意したいのは、精神科に診察しているだけでは交付されないということです。精神疾患者本人か、その家族が自治体に交付を申請しないと交付には至りません。交付されても、すぐに障害者加算が下りるわけでもなく、さらに申請する必要があります。

そのため、実際に疾患が発症してから相当の月日を経てようやく申請が通るということもあります。

また、精神障害者保健福祉手帳は2年ごとに更新されます。この更新を忘れてしまいがちなので注意しましょう。症状が安定しているとき、本人も周囲も手帳の存在を忘れたり、忘れようとしたりしてしまいます。精神障害は本人にも周囲の人にもコストがかかります。

コストを埋め合わせるための加算分ですので、しっかり請求しましょう。

まとめ

障害者加算で注意したいのは、「申請しない限りもらえない」という点です。単に障害者手帳を持っているというだけでは加算されません。身体障害でも精神障害でも、日常の生活を送るだけで健常者よりもコストがかかります。

障害者加算があって初めて健全な生活が遅れるというギリギリのこともあるので、充分に注意しましょう。

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若松 貴英

若松 貴英

保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士(中小企業主資産相談業務)・AFP(日本FP協会認定)/金融業務検定(法務上級)/銀行業務検定(法務2級・財務3級・税務3級)など。銀行勤務時は融資のスペシャリスト」(悪く言えば「融資しか知らない」)として勤務していました。そのため「借入」に対しる知識や経験には自信があります。

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